CHAOSとL・I・Jの全面対決となった8人タッグ。2冠王者である内藤、前夜SHOに敗れた鷹木を除けば、いずれも1回戦を突破している。第2ラウンドでの激突が決まっているSANADAとSHO、ヒロムと矢野だけでなく、さらにその先、大阪城ホール決戦を見据えての激突でもある。
リング上の矢野の姿を見るなり、怯えるような表情を隠せないヒロム。ゆっくりとリングサイドまで歩を進めると、何かを吹っ切るように大声で叫んでからリングイン。しかし選手コールを受けるといったんエプロンに下がり、レフェリーチェックを受ける際もロープをくぐれない。
矢野が先発で出てくると、ヒロムはリング下にエスケープ。矢野が「前哨戦だ」と挑発すると、ヒロムは自身の頬を何発も張ってからリングイン。ここで試合開始のゴングが鳴らされた。
しかし、なかなか組み合わない両者。「何か入ってる」と矢野の左ヒザの部分が膨らんでいるのを指摘したヒロム。そこに仕込まれていたのは消毒液。レフェリーがそれを取り上げている間に、矢野はタイツからバリカンを取り出した。するとヒロムは、ヤングライオン時代のトラウマがよみがえり、リング下にエスケープした。これは浅見レフェリーにチェックされるも、矢野とヒロムはリング内外で追いかけっこ。結局、SANADAとSHOがリングインして騒動は一段落。改めて試合再開となる。
ここから試合は一転してバックの取り合い、リストの取り合いというオーソドックスな展開に。腕十字を狙うSHOに対し、それを切り返していくSANADA。SHOのフライングメイヤーをハンドスプリングで立ったSANADA。
SHOが串刺しラリアットを決めると、鷹木が飛び込んできて続く攻撃をカット。すかさずSANADAが低空ドロップキックでSHOのヒザを撃ち抜く。そしてリング内はSHOvs鷹木に。前夜、黒星を喫したSHOを意識する鷹木。チョップやヘッドバット、ボディにヒザを叩き込んでいく鷹木に対し、SHOは鷹木が仕掛けてきたブレーンバスターを逆に投げ飛ばす。そして石井にタッチ。
替わった石井は鷹木とショルダータックルの打ち合いを繰り広げ、串刺しラリアット。しかし鷹木も一歩も引かず、リング中央で激しいエルボーの打ち合いを展開する。頭突き、エルボーからロープに走った鷹木に対しパワースラムを決めた石井は、コーナーを背にした鷹木に逆水平とグーパンチのコンビネーションを叩き込む。
しかし鷹木も同じコンビネーションで攻撃でお返し。最後はパンチの連打で石井をダウンさせる。さらにリング中央で激しい打撃の応酬。最後は鷹木が左腕でのラリアットを叩き込み両者ダウン。ともに立ち上がったところで、それぞれ内藤オカダにタッチ。
リングに飛び込んできた両者。いきなりフロントハイキックを決めたオカダに対し、2発目のフロントキックをキャッチして水面蹴りでオカダをダウンさせると、すくい投げから腰を落とした状態のオカダの背中に低空ドロップキック。そしてネックブリーカードロップを決めて拳を突き上げるポーズを決める。
矢野が飛び込んできたところ、ヒロムが飛び込んできてリング下に排除する。そしてオカダはコーナーに上がった内藤を捕まえてリバースネックブリーカー。続くツームストーン狙いを阻止した内藤は、ロープに走ったオカダをスパインバスターで迎撃する。ここで内藤はヒロムにタッチ。
オカダに果敢に向かっていくヒロム。エルボーを叩き込みロープに走るが、オカダはフラップジャックで迎え撃つ。そして矢野にタッチ。
手にしていたバリカンを浅見レフェリーに渡した矢野は、コーナーポストを剥ぎ取る。ヒロムのトラースキックを浴びた矢野は、金具がむき出しになっているコーナーにヒロムを飛ばすが、ヒロムはサードロープの下をスライディングしてリング下へ。矢野が追いかけると、ヒロムは素早くリング内へ。矢野がエプロンに上がったところ、ヒロムはトップロープ越しに回転エビを仕掛ける。
ロープをつかんで転落を阻止する矢野。ここでまたしてもタイツからバリカンを取り出し、ヒロムに見せつける。これを見て逃げ出すヒロム。会場ロビーにまで逃げたヒロムだが、矢野は徹底して追いかける。矢野はロビーでボディースラムを浴びせ、ヒロムの両足をテーピングで結んで動きを封じる。オカダが救出に駆けつけるもカウント20が数えられ、両者リングアウトの裁定が下された。
NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020
- 日時
- 2020年6月23日(火) 開場 19:00開始
- 会場
- 放送
MATCH REPORT
COMMENT
石井「真壁、久しぶりだなオイ。何年ぶりだ? 忘れたよ、オイ。真壁、ここ何年か、何でおれとシングルが組まれなかったか。それと、俺が去年タッグリーグでテメェに言ったこと。それをしっかりと考えて、リングに上がってこい」
矢野「(※手に持ったバリカンを見て笑いながら)ずいぶんビビってるな、オイ! 楽しみだな、オイ! 明日だ明日! 明日! オマエの髪の毛、いい具合に伸びてるなオイ! 俺のことが、好きなんだろーーー?」
オカダ「いやぁ、試合中にあんなに一生懸命走ったのは、初めての経験でした。まぁでも、明日に向けてこんだけ息が上がれば、十分なんじゃないかと思います。永田さん、あなたの1回戦の戦いは……見てません、すみません。まぁでも、あの鈴木みのるを倒したってことは、外道さんよりは強いでしょう。まぁでも俺が目指してるのは、永田さんを倒す、そんなことじゃないから。もっともっと先のことだから。まぁね、『NEW JAPAN CUP』が始まって、まだ先のことは、今度話します」
SHO「昨日から一晩経って、ようやく、これでようやく、スタート地点に立てた。まだまだゴールは、まだまだ遠いぞ。今日、この対戦カード発表されて、すっごく思うことがあった。次の2回戦はSANADA選手。決勝に行けば、もしかしたら石井さんとやれるかもしれない。今日一緒に組んだ、オカダさんかもしれない。そして、矢野さんかもしれない。そしてもしかしたら、高橋ヒロム、なのかもしれない。そして優勝したら、内藤哲也。その次も、その次も、また次も、どんどんでっかい目標を立てて、やっていくしかない」
鷹木「昨日の敗戦は、ショックはショックだが、俺はもう切り替えてるから。そこで一つ、SHOに忠告しとこう。確かに昨日は、俺の負けだ。昨日だけは、な。だがよぉ、SHO、一度勝ったぐらいで、立場が逆転したと思うなよ。立場は! 何も変わっちゃいねぇ。それから! この俺から勝ったんだ。この後は、無様に! 負けてみろ。ただじゃおかねぇからな、この野郎!」
内藤「(※2冠のベルトを引きずりながら現れ、2本とも床に置いて)俺は他の選手たちよりも元気だよ。だって試合してないからさぁ。ダメージもそこまでないよ。でも、試合勘であったり、ダメージに対しての体の慣れなんかは、他の選手の方が状態はいいんじゃないの? だって試合してないからさぁ、どうしても、試合勘だったり体の慣れの部分に関しては、俺は劣る、かな。まぁでも、俺は俺なりの調整の仕方で、7月12日、大阪城ホールへ、向かいますよ。『NEW JAPAN CUP』も、だいぶ盛り上がってるんじゃないですか? 俺もさぁ、(※目を見開くポーズで)毎日新日本プロレス・ワールドで、チェックしてるよ。いやぁ、熱い戦いが続くねぇ。さぁ一体誰が勝ち上がってくるか。それにしても、高橋ヒロムはすげぇな。あぁ!? 存在感がピカイチだね。まぁ彼のポテンシャルからすれば当たり前のことかもしれないけどさ、彼の『NEW JAPAN CUP』への気持ちが、ヒシヒシと伝わってくるよ。その点やっぱり、一番の注目は、ヒロムかな」
ヒロム「(※足首をテーピングで固定されているため、チョコチョコと小刻みに足を動かして少しずつ前進しながら)オイ、ちょっと待ってくれ。この定位置まで行くのが大変なんだよ。オイ、クッソー、コメントブースまで来るのに何分かかった? 10分以上かかってるじゃないか! (※座り込んで)寂しいじゃねぇか、ロス・インゴ! 誰も切ってくれねぇよなぁ。オマエら、ハサミだの何だの言ってたけど、オマエらの手の力で何とでもなっただろう? ……あ! そうだーーーー! (※仰向けに寝て、縛られた足首を上に上げた状態で)俺も手ぇ使えたーーーーー! (※手でテーピングをはがしながら)こうやってできるじゃねぇかよ! は? 俺、すげぇバカじゃん! (※テーピングをはがしていく)マジうぜぇ! マジうぜぇ! 取れんじゃねぇかよ、本気出せば! マジか、気づかなかったよ! ふざけんなよ! あー、チクショウ! あー、俺がバカだったな! 何だよ、そうだ! 手が固められてると勘違いしてた! 手ぇ使えたぜ! 言えよ! ……いや、コレは俺だな! ロス・インゴどうのこうのも確かにそうだけど、気づいたなら言えよ! でも絶対アイツら、気づいてないから言わなかったんだろう? ま、元を辿れば俺がバカじゃねぇかよ! 何だよ、チクショウ! (※テーピングを足首のフサフサからはがし、捨てていく)フサフサがいっぱい取れる! チクショウ!(※両足が自由になり、カメラを向いて正座して)面白れぇじゃねぇかよ、矢野通! デカさ。ヘビー級。面白い。正々堂々と、ぶつかり合いましょうか。(※何かに思い当たった表情になり)アレェ? 何か忘れてる気がする…。ア~レ~? 何か忘れてるぞ、俺……。ぶつかり合い……いや、ぶつかり合いはしたぞ……ぶつかり合い……ぶつかり合いしたっけ? (※髪に手をやり、小声になり)アレ? バリカン……バリカンだ!(※前に突っ伏して)……思い出した! バリカン!……バリカン!……やっぱりヤだ!……やりたくない!……そうだ!……バリカンだった!……そうだった!……そうだった!(※顔を上げると、完全に錯乱した表情でけいれんするように体を跳ねさせ)ウヘヘ……バリカンだった!……ウヘヘヘ……バリカンー!(※と、笑いとも叫びともつかない声を上げながらヨロヨロと控室へ)」