第3試合はSTRONG無差別級タッグ王者のモーターシティマシンガンズ（MCMG＝クリス・セイビン&アレックス・シェリー）が、ウエスト・コースト・レッキング・クルー（WCWC＝ロイス・アイザックス&ジョレル・ネルソン）を相手に3度目の防衛戦を敢行。
　MCMGが『NJPW STRONG』ロッポンギヴァイス（ロッキー・ロメロ&トレント・バレッタ）の挑戦を退け、2度目の防衛に成功すると、試合後にTEAM FILTHYのWCWCが次期挑戦をアピール。スリリングなチームプレー合戦が繰り広げられるのは必至の王座戦、最後にベルトを高々と掲げるのは果たして？

　モーターシティマシンガンズはSTRONG無差別級と、IMPACT!世界タッグのベルトを携えて入場。

　WCWCはゴングを待たずに奇襲攻撃。そしてネルソンがシェリーの後頭部を叩いて挑発。シェリーがうまくネルソンをエプロンに追いやると、セイビンがサッカーボールキック。さらにMCMGはアイザックスには連携のミサイルキックをヒット。
　続いてセイビンが空中技を狙うも、アイザックスが妨害。アイザックスはセイビンをブレーンバスターの体勢で担ぎ上げ、リングサイドを一周。そしてリング上でネルソンがシェリーをブレーンバスターで叩きつけると、アイザックスはセイビンをエプロンに打ち付ける。
　続いてネルソンがシェリーにエルボー。そしてシェリーの左膝にドラゴンスクリューを見舞うと、間髪入れずにアイザックスがスライディングラリアットをお見舞い。
　アイザックスはシェリーの胸板にエルボーを乱発してからカバー。シェリーがカウント2ではね返すと、ネルソンが串刺しニー。続いてアイザックスがワンハンドバックブリーカーを食らわす。ネルソンのカバーは、シェリーがカウント2ではね返す。
　するとネルソンはフェイスロックで捕獲。シェリーは切り抜けてエルボーを連発。しかし、ネルソンもドロップキックで反撃。
　続いてネルソンはコーナー最上段に上るも、セイビンがリングに突き飛ばす。スイッチしたアイザックスは、シェリーに串刺しラリアット。だが、シェリーはカウンターのシェルショックでコーナーに打ち付ける。
　スイッチしたセイビンはネルソンにラリアット、アイザックスに串刺しラリアット。そしてWCWCの相打ちを誘うと、ネルソンに対し、アイザックスを踏み台にしてトルネードDDT。
　勢いに乗るセイビンはネルソンにコーナー最上段からフライングボディアタック。続いてMCMGはネルソンにダブルのキック&エルボーを決め、セイビンが肩に担ぎ上げようとする。
　ネルソンがこらえると、セイビンはローリングエルボー。シェリーもローリングエルボーを食らわせ、さらにトラースキック&ラリアットのサンドイッチ攻撃。そしてMCMGはWCWCを場外に排除すると、連携のすりぬけトペ・スイシーダ。
　勢いに乗るMCMGは、ネルソンにミサイルキック&コンプリートショットの合体攻撃。だが、セイビンのカバーはネルソンがカウント2ではね返す。
　ならばとセイビンは肩に担ぎ上げるも、ネルソンは脱出。そしてMCMGの同士打ちを誘い、セイビンにはジャンピングニー。そしてアイザックスがセイビンを肩に担ぎ上げると、ネルソンはそれを踏み台にシェリーにダイビングエルボードロップをお見舞い。そしてアイザックスがシェリーの上に、セイビンをデスバレーボムで叩きつける。
　ネルソンのカバーはセイビンがカウント2ではね返す。ならばとWCWCはMCMGに同時にジャーマン。そしてアイザックスはエプロンのセイビンを捕らえ、フルネルソンで持ち上げてからジャーマンを炸裂。
　間髪入れずにネルソンがセカンドロープからセイビンにカッターを食らわせ、カバーへ。しかし、シェリーがなんとかカット。
　優勢のWCWCはシェリーに合体技を狙うも、シェリーは脱出し、MCMGがすばやい動きでアイザックスに連携の低空ドロップキックを連発。
　そしてシェリーがネルソンとバックの取り合いを繰り広げる中、スキをついてセイビンがネルソンにカッターを炸裂。
　続いてMCMGはダブルのスーパーキックをネルソンに決めると、一気にザ・ダートボムを炸裂。ネルソンは返すことができず、MCMGが3度目の防衛に成功した。

　試合後、MCMGは二本のベルトを掲げながら花道を引き上げた。

セイビン「Woo! ダブル王者って最高の気分だぜ！WCWC、お前らも良かったぜ。過去対戦してきたタッグチームの中でも最高のタッグチームの一つだったぜ。だけど俺らがまだ少し、優れていたな」
アレックス「そうかな、俺らの方がずっと優れてたと思ったけど？」

　
クリス「そうかい？」
アレックス「ああ。なぜなら俺らは“伝説”を作ったから。なんか文句があるって？黙ってろ。俺たちは史上最強のタッグチームだ。IMPACT Wrestlingタッグ王座とSTRONG無差別級タッグ王座のダブルチャンピオンだ。俺たちはこれからも貪欲にやっていくぜ。そしていずれ新日本プロレスのリングに戻って、俺たちがなぜ史上最強のタッグチームであるかを証明させてやるよ」
　

ジョレル「何度目だ？」
ロイス「数えきれない。残念ながら、これは映画のようにめでたしめでたしで終わるものではなかった。やるべきことを全身全霊でやっても、叶わないことはあるんだ

とあるタッグチームがSTRONGに来た話をしよう。観客のいない、カメラクルーとプロレスラーしかいない会場でこのブランドを築き上げてきた。チーム・フィルシーの一員になり、チーム・フィルシーがSTRONGの中心的存在になって、俺たちはタッグチーム部門を作り上げてきた。王座が奪われた、あの日まで。あの日から、俺たちは坂道を転げ落ち続けているようだ。（指をならして）こんな感じに一瞬でもっと強くなれたらいいけれど、WCWCの行く末がどうなるのか、分からない。チーム・フィルシーの行く末も分からない。それが怖いんだ。
ただ一つ確かなのは、ここにいる、こいつの存在だ。俺はこいつを信じている。辛いことが多い一年だったけど、この男の揺るがない存在に助けられてきた」

ジョレル「ロイスが娘のように可愛がっていた犬が亡くなった日の話だ。プロレスは休んで、一緒にいてあげるべきだと言ったんだ。でもこの男はプロレスを愛していて、だからそんな日の夜もプロレスをしてたんだ。そんな奴なんだ。だから俺たちも互いを信用しているんだ

ロイスは数年前、別の大きな団体と契約するチャンスがあって、その時俺にやるべきかって聞いたんだ。そんなの当たり前だ、大きなチャンスがあるのなら、やるべきだと言った。俺がそのチャンスを奪う訳にはいかないと。そして契約をしたロイスだけど、その団体で良いことはなかった。そして再度タッグを組みたいと言ってきた。お金や露出できる機会を捨てて、しかもパンデミックの始まったタイミングで何故そんな馬鹿げたことを、と思ったけど、それで入ったのがNJPWのSTRONGだ

史上最高のタッグチーム、MCMGを見て育ってきた俺らにとって、ここNJPW STRONGでのタイトル戦は光栄だったし、最大のチャンスだった。けれどそのチャンスを逃してしまった。辛い、辛いよ。何故ならロイスが言ったように、この次があるのかどうか、俺たちがどうなるのか、分からないだ。俺たちはNJPWが好きだ。だからここにい続けたいと思っている。だけど今の状況だと、この先どうなるのかが全くわからない」

　
ロイス「今日のこの満員御礼のサンノゼ大会で負けたことはどの負けよりも辛い。でも、俺たちはいつもやっているように、めげないよ。WCWCは前進あるのみだ、やってやるよ。ロイス、ブラザー、愛してるよ」
ジョレル「俺もだ、ブラザー、愛してる」