6勝2敗同士の対決となった棚橋vsAJのAブロック公式戦最終試合。この一戦に勝利した者がAブロック1位となり、8・16両国の優勝決定戦に進む。
　
　序盤、コーナーでクリーンブレイクしたAJがヘッドロックを極める。棚橋も懸命に抵抗するものの、AJはなかなかロックを解かない。その後、棚橋がAJのドロップキックをかわし、フロントハイキックを浴びせる。
　さらに棚橋は、AJを張り手で挑発し、アームホイップからアームロック。念入りに腕へダメージを与えたのち、ショルダースルーで大きく投げ飛ばす。
　棚橋の攻撃は続き、AJをニュートラルコーナーに叩きつける。そして、自ら場外へ飛び出し、AJの膝を鉄柱にぶつける。
　リングへ戻った棚橋は、AJの膝に狙いを絞り、ストンピング、ボディプレスなどを集中させる。そして、場外に落とされそうになってもトップロープを掴み、逆上がりで戻ろうとする。ところが、AJが途中で捕まえ、場外へ突き飛ばす。
　場外乱闘となり、AJが棚橋の首を鉄柵へ打ちつける。そこからリングへ戻り、AJが串刺しジャンピングラリアット、ジャンピングニードロップ、ドロップキックなどで追撃。さらに、ショルダーアームブリーカーの形で棚橋の膝を叩きつける。
　苦しい時間の続いた棚橋は、串刺しジャンピングラリアットを回避し、バックエルボー2連発、カウンターフライングフォーアームで逆転。そして、ジャンピングエルボードロップ、サンセットフリップへ繋ぐ。
　次に棚橋はボディスラムでAJを投げ、コーナー2段目からダイビングサンセットフリップ。これをAJがかわしてスワンダイブ攻撃に行くが、棚橋が突き飛ばして場外に落とす。そして、コーナー最上段からボディアタック式ハイフライフローをお見舞い。
　だが、リングに戻ったAJは、フェノメノンDDTで逆襲。そこからコーナーへのぼるが、棚橋が捕まえ、ダルマ式ジャーマンスープレックスホールドで逆転。さらに、ミドルキックをキャッチしてドラゴンスクリューを見舞う。
　続いて棚橋は串刺しフライングボディアタックに行くが、AJがレッドシューズ海野レフェリーを巻き込んで防御。そして、背後から棚橋の急所を殴ると、スタイルズクラッシュの体勢に入る。しかし、棚橋が脱出し、正面から急所攻撃をお返し。
　ダブルダウンを挟み、両者がエルボー合戦を展開。そこからAJが強烈なローキックを2連発で膝に見舞うが、棚橋はひざまずいた状態からAJの膝へハンマーブロー2連発。
　再びエルボー合戦を挟み、AJが打撃ラッシュ。だが、棚橋が張り手で報復し、ダブルダウンとなる。その後、AJがカーフキラーを極めてギリギリと絞り、棚橋をギブアップ寸前まで追い詰める。
　大「棚橋」コールの中、AJがなおも脚を持つが、棚橋がロープを掴んで抵抗。するとAJは、チェックに入った海野レフェリーを突き飛ばし、棚橋に延髄斬り。だが、次のブラディサンデーは、棚橋がネック＆ツイストに切り返す。
　ここで棚橋はロープへ走るが、AJがカウンターでスタイルズバスターをお見舞い。そして、スワンダイブフライングフォーアームで追撃するも、棚橋がフォールを返す。
　するとAJはスタイルズクラッシュを仕掛け、抵抗する棚橋にニーリフト。しかし棚橋は、スリングブレイドで逆転。そして、スタイルズクラッシュを狙うも、AJが下から脚を取ってアンクルホールドに行く。だが、棚橋が脚力で吹き飛ばし、AJを赤コーナーに激突させる。
　ここで棚橋が突っ込むと、AJが両脚キックを繰り出す。しかし、棚橋はその脚をキャッチし、今度こそスタイルズクラッシュをお見舞い。そして、コーナー最上段からハイフライフローを敢行するが、AJが両膝で撃墜。
　その直後、今度はAJがコーナー最上段からハイフライフローを食らわせるが、フォールは棚橋がギリギリでキックアウト。するとAJは、ブラディサンデーで追撃し、ピストルサインからスタイルズクラッシュの体勢に入る。しかし、棚橋が脚を払って倒し、グラウンドドラゴンスクリューで逆襲。
　両者への大声援で場内が騒然となる中、棚橋の張り手に対し、AJがオーバーヘッドキックを発射。しかし、棚橋が脚を取り、リバースグラウンドドラゴンスクリュー。さらに、ボディアタック式ハイフライフローで追撃すると、最後は（正調）ハイフライフローで激闘を制した。

——優勝決定戦かというほどのもの凄い試合でしたが?
棚橋「AJはほんと凄いね。でもそのAJを倒したことで、また俺一歩上にいけたし。なんだろう……なんかプロレスファン全員で『G1』走ってますっていう気がしますね」
——ROHの関係者が、試合後驚きの声をあげるほどの試合となりましたが?
棚橋「犠牲はあるよね。でもその日全力で闘わなかったら、絶対悔いが残るから。『もっと力だしとけばよかった』とか、そういうのって生活の中でもいろいろあるしね。俺はいつの間にか飛び続けるしか能がない男になったから。それでここまで来たんだったら、飛び続けるしかないから」
——今日は試合前に何度もこの通路を往復してましたが?
棚橋「なんかテレビ見てたら、物事を集中する時はちょっと体を動かした方が良いって聞いて、早速実践しました。暮らしの中に修行ありです」
——これで『G1』制覇まであと1勝ですが?
棚橋「過去ね、準優勝には何回もきてますんで、そん時の悔しい気持ちも忘れてないから。2年前も去年も、俺が夢見た両国が今目の前にあるから。そん中でもう一度優勝します」
——反対ブロックからはオカダ選手か、中邑選手が上がってきますが?
棚橋「とりあえず今はAJに勝った気持ちを整理したいっすね」
——最後、リング上でAJと言葉を交わすようなシーンが見られましたが、どのような言葉を交わしたんですか?
棚橋「いや、もう『I got 3count．3つ獲ったぜ』って言っただけです。ハァ、ヤバい。みんな欲しがるね。あの状態で(エアギター)3つもね。いや、俺も欲しがりだからよくわるよ、気持ちは」
 
※AJはノーコメント