セミファイナル(第5試合)ではL・I・Jの内藤哲也と鷹木信悟がドラディションの長井満也とトリオを結成し、鈴木軍のザック・セイバーJr.に“元・新日本プロレス”で現在はプロレスリング・ノアを主戦場とする船木誠勝、そして全日本プロレスのジェイク・リーが加わったトリオと対決。
異色の6人タッグはどの顔合わせも刺激的。とくに新日本生え抜きの内藤と、レジェンドOBである船木や、ジェイクとの初遭遇に注目が集まる。
まずは船木、ザック、ジェイクの順で花道を進む。続いて内藤のテーマ曲が流れる中、長井が先に入場し、そのあとに鷹木と内藤が入場ゲートで並んでからリングに向かって突き進む。ゴング前、ザックはジェイクと握手を交わす。すると内藤と鷹木はグータッチをかわし、長井を見やる。長井も戸惑いつつも加わろうとするが、その瞬間に内藤と鷹木は腕を下ろし、長井は憤りを見せる。
先発はザックと長井。両者はグラウンドでバックの取り合いから、一旦距離を取る。続いて長井は足首を取るが、ザックは巧みに切り抜けて変形のリバースダブルアームバー。これは長井がロープエスケープ。
続いて長井が膝蹴りから変形のフロントネックロック。ザックはすばやくロープに逃れる。長井は後頭部にエルボーを落とすが、スキをついてザックは長井を自軍コーナーに持ち込み、ジェイクとスイッチ。
すると内藤が長井と交代。ジェイクはロックアップで組み合おうとするが、内藤はこれをすかして鷹木とスイッチ。
ジェイクはスキをついて内藤にエルボー。だが、内藤は場外に下りて回避。すかさず鷹木がジェイクに襲いかかり、串刺しのショートレンジラリアット。
ここから鷹木とジェイクはエルボー合戦に突入。そしてショルダータックルの応酬となり、鷹木が競り勝つ。続いて鷹木は内藤とスイッチ。
内藤と鷹木は交互にジェイクの左腕にチョップを落としていく。そして内藤はジェイクにコーナーミサイルをヒットし、右上を突き上げる。だが、カバーはカウント2。
すると内藤はジェイクの右腕に集中攻撃。ジェイクは内藤を振り払うも、内藤はキックを見舞い、コーナー上に座る。するとジェイクはフロントキックで場外に落とす。場外ではザックが長いの膝を痛めつける。
ジェイクは場外で鷹木を鉄柵にハンマースルー。さらに内藤をリングに投げ入れ、なんとパラダイスロックを完成。そしてジェイクは内藤の臀部にサッカーボールキックを見舞い、高笑いを見せる。
スイッチした船木は、内藤に強烈なキックを連発。そしてフライングメイヤーから、さらに追撃のキックを見舞いカバー。内藤が返すと、船木はチキンウイングフェイスロック。これは内藤が足をロープにかけてエスケープ。
すると船木は打撃のコンビネーション。内藤もチョップを返し、チョップ合戦に突入。そして内藤はエルボーを連発するが、船木はキックの波状攻撃。
スイッチしたザックは内藤の左腕を何度もねじり曲げ、ストンピングをお見舞い。鷹木がリングに入ると、ザックはネックツイストをお見舞いする。
次はジェイクが登場するが、内藤はエルボーを連発。しかし、ジェイクは内藤の腕に膝蹴りを食らわせ、さらにキチンシンクを連発。しかし、内藤もキックからのネックブリーカードロップを反撃。
次は鷹木とザックのマッチアップ。ザックはコブラツイストで捕獲するが、鷹木は切り抜けてバックエルボー、ナックル、龍魂ラリアット。これをザックはフロントネックロックで切り返すも、鷹木はブレーンバスターを炸裂。さらにセントーンを食らわす。
鷹木は気合いを入れ、ここからザックとエルボーの応酬に突入。そして鷹木は熨斗紙を狙うも、ザックはうまくスリーパーで切り返し、オクトパスホールドに連携。
鷹木がこらえると、ザックはスリーパー。だが、鷹木は裏熨斗紙で叩きつける。続くスライディングラリアットはザックがかわし、アームツイストをお見舞い。
スイッチした船木は鷹木にキックを連発。だが、鷹木はナックルから龍魂ラリアットでなぎ倒す。
次は長井が登場し、船木と打撃戦を展開。船木はキックを連発するも、長井は蹴り足を捕らえてキャプチュードを炸裂。そして、長井と鷹木が長井にトレイン攻撃。そして内藤がマンハッタン・ドロップから延髄斬り。
続いて鷹木が船木にパンピングボンバーを決め、さらに長井がサッカーボールキックからカバー。だが、ザックが鷹木を突き飛ばしてカット。
すると、長井は鷹木に「オマエ、何ジャマしてんだ!」と抗議。そこにザックが突進するも、鷹木がバックを取る。ここで長井は「鷹木、よく押さえとけ!」とロープに走り、ザックにフロントキック。だが、ザックがかわし、鷹木に誤爆してしまう。
今度は長井がザックを押さえ、鷹木がロープへ。だが、ザックが鷹木をフロントキックで迎撃。ひるまず鷹木はパンピングボンバーを繰り出すも、長井に誤爆してしまう。
ザックは鷹木をエルボーでなぎ倒すし、さらに内藤にも技の読み合いからエルボー。すかさずジェイクがハイキックで内藤からダウンを奪う。
そして船木が長井に打撃のコンビネーションからサッカーボールキック。そしてジェイクがランニングニーを決めると、ザックも長井の左腕を捕らえ、そこ目掛けてオーバーヘッドキック。最後は船木がハイブリッド・ブラスターを長井に炸裂し、3カウントを奪取した。
試合後、ザックは船木、ジェイクと握手をかわす。ジェイクは内藤に挑発するように礼。すると内藤はリングに入ると見せかけて、ニヤリと笑い鷹木と共に退場した。
内藤「長井! アレなんだ? 何で、我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンと同じコーナーに立ってるの? 何様のつもりでさ、グータッチしたいのはわかるよ。その気持はわかるけどさ、場をわきまえてくれよ。最後……」
鷹木「オイ!」
内藤「鷹木も……、ねえ、要求したのに……、ちゃんとやってくれよ」
鷹木「失敗ちゃんと活かせよ、先輩よ。ああ、ダメ先輩、オレ今日コスチューム被ってた癖にちゃんとやってくれよー、オイ。今日、長井先輩とコスチューム被ってるじゃねーかほとんど(苦笑)、黒赤で」
内藤「リスペクト?」
鷹木「ええ?」
内藤「リスペクト?」
鷹木「ハハッ!」
内藤「まあでも、今、ワールドタッグリーグ中だけど、いい刺激を貰いましたよ。今日、ここ代々木に来て、良かったかな。オレ! 藤波辰爾選手とはちょっとだけ縁があってね」
鷹木「オオ!?」
内藤「2015年12月に、新日本プロレスに入門する時、道場に行く前に一瞬事務所に寄るんだけど、その時エレベーターの前で会ったのが藤波辰爾選手でしたよ。胸を触られて、“オイ、君。いい胸してるね、頑張ってよ”って」
鷹木「オオー!(といいながら内藤の胸を叩く)」
内藤「言われたこと、昨日いきなり思い出したよ。こういう縁があって今日があるのかなって。まあ別におめでとうなんて気持ちは、正直オレの中にはないけどね」
鷹木「ないんか!」
内藤「ないよ。ないけど。でも、またいつかどこかでお会いできるその日を楽しみにしてますよ。まあ明日オレは大阪でワールドタッグリーグ、公式戦、メインイベントで組まれてるんでね、もうそのことで頭がいっぱいなんでね、オレは悪いけど先に帰るよ」
鷹木「ところでオレの胸はどうだ? いい胸してっか?」
※内藤が鷹木の胸を叩くも「まだまだだな」の表情。
鷹木「まああまあ、てか座らせろよ」
内藤「じゃあオレ帰るから、アディオス」
鷹木「内藤と同じく、いい刺激貰ったよ。何だ、ジェイクだかザックだか、ジャックだか知らねーけどよ。あの背の高いやつ。スカしやがって! テメー顔じゃねーんだこのヤロー! ノー・フェイスだ、コラッ! ジャック・リーか? 何だ?」
ーージェイク・リー
鷹木「あ、ジェイク・リーか! ザックとジェイクがいたら、ややこしいわオマエ。ジャックかと思ったと思ったじぇねーか、まとめて。まあでもオレもいい刺激貰ったよ。なあ。レジェンドの船木誠勝。船木さんのいい張り手貰ったー。思わずリング上で言っちまったよ、次やる時は1対1もいいんじゃないかって。ラスト・サムライと言われた男だ、凄い肝が座ってるよね。ほんとリング上でもリスペクトだよ。まあオレは藤波さんとは試合したこともあるし、タッグ組んだこともあるけど、そうだな、ドラゴン繋がりといえば、まあオレは龍魂って言ってるから天龍さんもあるけど、それ以外にも色々あるからな、ウン。それからここの会場! 素晴らしい会場じゃねーか! 代々木第二、次は19日、タカタイチ! メインで来るんだ。その時は、タイチの面倒くさいルールじゃねー、鷹木式ラスト・スタンディング・ランバージャック・デスマッチで決着付けてやる。オーシッ! 19日までまった無しだ!」
※長井選手はノーコメント
ザック「特別な試合だったな。そうだろ? (試合に出れて)とてもラッキーだと思う。タツミ・フジナミは、このプロレスというスポーツの歴史の中でも最も大事な人物の1人だ。(キャリア)50周年なんて信じられないよ。現代のプロレスを形作ったのは彼だ。ヨカッタデス。この大会に出た唯一の外国人選手が俺だ。その事実が俺にとってはとても大事なんだ。これまで12年間日本で闘ってきた。成人してからのほとんどの時間を日本で過ごしてきた。だから、ウレシイ。しかし、ムカつくことにシンゴとナイトーと対戦しなければいけなかった! いつもと同じ、クソだ! めでたい大会だっていうのに! 日本の最高のレスラーたちが集結した中で、俺はまたあのバカ2人と試合をさせられることになるとはな!
でも相手にはレジェンドもいた! バトラーツのレジェンドだ! 俺はUWFの大ファンなんだぞ。バチバチ! 忘れるなよ、俺はイギリスのストロングスタイルなんだ。今日のはほんの味見程度だ。ナガイはまだ現役だ。あの年寄りまだまだピンピンしてる! 来年もドラディションに出てやるから、次はシングルでどうだ? (日本語で)シングル、シアイ。(英語に戻し)ベスト・テッカーズを持つのはどっちかハッキリさせようぜ。まぁ……(日本語で)オメデトウ、フジナミさん。(英語に戻し)50周年おめでとう。素晴らしいよ! (今日は俺)ヤサシイネ? メズラシイ。キョウダケ。キョウダケ! もう金輪際優しくなんてしないぞ! ヘドが出る!」
ーー初対戦の選手がいましたが
船木「あのー、やっぱり、あの初めての選手とやるのは楽しい。予想と違うんで」
ーー新日本との対戦でしたが
船木「今の新日本の、やっぱり選手なんだなと思いますけど。でも、ちゃんと真正面でやってくれましたよ。あの、ちゃんと真正面で。あの、パフォーマンスありますけども、中身はちゃんとあるなと思いました」
ーー鷹木選手は次シングルマッチでと言っていましたが
船木「ああ、そうですか。あの、どっかで機会があれば、どっかで、味わう事があるかもしれないですね。それはそれで、やっぱり面白い、面白い試合になるかもですね。今もバリバリなんで、二人ともやっぱり、強いと思いますね。蹴ってもぜんぜん、身体の方が跳ね返してくるんで。その辺はやっぱり現役バリバリの相手でしたね」
ーー藤波選手の50周年記念のファイナルですが
船木「あの、藤波さんが今68歳で、ずっと控室一緒だったんですけども、どこまでやるのかなと、藤波さんが、例えば藤波さんが70までやるのであれば、自分もやんなきゃいけないのかな、そういう感じで、やっぱりもともと付き人なんで、思っちゃいますね。未だにその、あの年代で身体が、身体が凄いんで、聞いたら100Kgある。そんな68歳いないと思いますから。ちょっとその辺は負けてんなーって」
ーー50年やることというのは本当に大変なことだと
船木「いやいやいや、大変ですよ。大変です。自分だってまだ、まだ、まだ30何年しかしてないですから。今からあと15年ぐらい……。ちょっと気が遠いですよね。まあできるところまでは頑張ろうと思ってますけど。まあそのうち恐らく使われなくなるかと思います(苦笑)」
※ジェイク・リー選手はノーコメント