因縁の一戦! 永田が船木の“新兵器”に散る!! 金本は『JUNIOR HYPER LEAGUE』ベスト4!!
金本コールと大和コールが交錯する中、ゴング。まずはロックアップでロープに押し込み、ブレイク際にビンタをかました金本。さらにローリングソバットで一撃食らわせてから、グラウンドの攻防を仕掛けていく。
大和のドロップキックで場外に落とされた金本だったが、トペ・スイシーダに来たところをキックで迎撃。一気に流れを掴む。そして、得意の打撃で攻め立ててから、コブラツイストだ。強引に外されても、すぐに足をとって裏アキレス腱固め。主導権を譲らない。コーナーに追い詰めて座らせると、ランニングニーから顔面ウォッシュだ。
大和のエルボーによる反撃も拳を叩き込んで遮断。リバースのインディアンデスロックで再び足にダメージを与えていく。ゼロ戦キックを食らいながらも、すぐさまローリングソバットでお返ししてからアンクルホールドだ。場外に戦場を移すとキックでいたぶり、ファルコンアロー。そして、10カウントギリギリで戻ってきた大和に再び顔面ウォッシュ!
しかし、ここはかわされてしまった金本。大和によってコーナーの最上段に座らされる。それでもコーナー上でアンクルを仕掛けてこの体勢から脱出。左足にダメージを負う大和にローキックを食らわし、そして今度はリング上でファルコンアローで串刺しだ。
なんとか立ち上がってきた大和にタイガースープレックスで追撃。しかし、ここも大和にロープに足を引っ掛けられ、3カウントを奪えない。それでも金本は攻撃の手を緩めない。ならばと、ムーンサルトを投下。大和がカウント2で返しても、すぐさまアンクルホールドを仕掛けて、試合を決めにいく。
これが逃げられると、突っ込んできた大和にニーリフトから顔面キック。さらにローキックで体勢を崩し、顔面キックを再び放つ。金本の勝利は時間の問題と思われた。しかし、蹴り足を取られて、キャプチュードを食らった金本。大和のダイビングセントーン、スパイダージャーマン、ミサイルキックを頭部に食らい、徐々に失速していく。
さらにノーザンライトスープレックスを食らった金本。しかし、クロスアームスープレックスを足を踏んで逃れると、丸め込みに来た大和をアンクルホールドで捕獲する。ところが、足を掴んだまま、大和に強引にぶっこ抜かれてスープレックスを被弾。それでも譲らない金本はビンタ合戦を仕掛けていく。ところが、ここで大和の強烈な頭突きが炸裂。さすがにこれには悶絶した金本。続けて、ラリアットを食らい万事休す。最後はクロスアームスープレックスで遂に3カウント負けを喫してしまった。
決勝トーナメント進出を逃した金本だったが、試合後はマイクで大和に、「クロスアームは全然効かへんけど、ヘッドバットは効いたわ。あれなきゃ負けてへんぞ。でも、大和、ありがとう!」とエール。大和と握手をかわし、健闘をたたえ合った。
■金本浩二のコメント
金本「俺がさんざん痛めてやったから、近藤かKAIの勝ったやつか? これで勝った奴勝たれへんかったら、情けないぞ。これだけ足痛めてやったんだから。まあ、でも俺も去年勝ったけど、若さがあるから大和は伸びるのが早いんでしょうね。でも、確実に徐々にではあるけど、負けてるから、絶対に。45だろう、俺は。ドンドンドンドン。でも、なんかね、今こそ全日本、ほとんどレギュラーで出てますけど、ここでジュニアを一気に盛り上げないと。俺やっぱり新日本の選手だから、聞いてますよね、ジュニアがどうか。やっぱり、生え抜きがいないし、ヘビー級のほうがいますから。大和、KAI、抜かすんなら今しかないぞ! なんぼでも協力したるわ。大和とやって、凄い気持ち良かった。やっぱり、実力伸ばしているな、あいつ」
──新日本のジュニアリーグで優勝して全日本のジュニアリーグで優勝するというのが達成できませんでしたが?
金本「まあ、そうですね。まあ、新日本のリーグで何回も優勝していますよね。準優勝も何回もあるし。でも、ここで簡単にこっちで優勝してしまったら、面白くないじゃないですか? 俺の中では変な意味、負けて、ラッキーじゃないけど、負けたらさらに『次やったろう』って思うし、達成してないからそれだけ期待が自分の中で出てくるんで。良かったかもわかんないし、全日本のジュニア、大和とか絶対に新日本のジュニアの選手には負けないっちゅう、やってもやっても、耐えて耐えてやり返してきましたよね。ホンマ、あいつどんだけ石頭やねん(笑)。でも、やりがいのある相手ですよ。KAIもやりましたけど、KAIも凄い。近藤もやったのか? カズはシングルはないですかね。やってみたいですね、カズも」
──まだまだやり残したことがある、と。
金本「俺の中では世界ジュニア、あの格好いいベルトを獲ってやろうという気があるんで。それと俺の出ているところは絶対にジュニアを盛り上げますから。全日本ジュニア、今しかないぞ、今しか。俺や稔が全部引っ張っていって、一気に追い抜いてやるから」
──試合後にもおっしゃっていましたけど、試合中にお客さんの歓声を受けて数合気持ちが良かったという。
金本「ああ、そうですよね。後楽園がどんな感じやなっていうのは自分の中でわかっていたんで、いいですよね。気持ち的に喜ぶかなと思っていたんで。大和コール起きましたよね? あれ、成功じゃないですかね? 成功っていうか。あれだけ大和コールが起きるっていうことは、俺があいつ以上に攻めているっちゅうことやから。やっぱり日本の国民的なあれで、弱い者を応援するっていうのがある。あれで完璧に試合中に立場的に俺のほうが上やなと思ったし。まあ、あれはあれで正解だと思いますよ。まあ、悔しい気持ちは凄くありますけども、悔しいっていうよりはやっぱり俺はリングの上に立ってなんぼの男やから、それが一番。とりあえず今は新日本の選手やけど、頑張りたいけど、試合がないんですよね(笑)。まあ、いろいろ聞いたら新日本のジュニアがおかしくなったとか、生え抜きがいなくなってきて。でもよ、そんなの己等が蒔いた種やろうが。知ったこっちゃないわ。勝手に己等が頑張れって。とりあえず全日本のジュニアを盛り上げる。それだけ」
〔2012 JUNIOR HYPER LEAGUE 準決勝〕時間無制限1本勝負
◯ 大和ヒロシ 〈全日本プロレス/Bブロック2位〉 (19分18秒 クロスアームスープレックスホールド) 金本浩二 〈新日本プロレス/Aブロック1位〉 ×