7月28日、新日本プロレス道場に棚橋弘至選手が登場。8月1日に開幕する『G1 CLIMAX 22』に向け、公開練習を行なった。
最初に棚橋選手は、「花より実をとる」と今回の公開練習の趣旨を説明。月からやって来た謎のラビット先生(※なぜかすべてヒソヒソ話)による指導を受け、自身があまり得意でないという空中技を反復練習した。
次に棚橋選手は、自身の必殺技であるハイフライフローの練習を開始。空中姿勢や着地のインパクトなどをもう1度見直し、より技の精度を上げるためである。体操の経験が豊富だというラビット先生より、「前後バランスよく着地するようにする」「1回小さく畳んだ体をより大きく伸ばす」などのポイントを“ヒソヒソ話”で教わり、何度もセーフティーマットめがけてダイブした。
棚橋選手は、「ハイフライフローがより強烈になれば、警戒心も強まってくる。ということは、ほかの技への警戒心が薄れてくる。だから、ほかの技でもバンバンとフィニッシュを獲っていける」と、この練習の利点を説明。効率よく勝ち星を稼ぎ、長く過酷なリーグ戦を乗り切る構えを見せた。
そして棚橋選手は、マスコミとの質疑応答のあと、新たなる必殺技ハイフライフロー2012の開発に着手。“よけられてしまうことも多いハイフライフローからアジャストする”というコンセプトのもと、セーフティーマットをよりコーナーへ近い位置へ移動。その後は、マスコミシャットアウトで極秘練習を開始した。
■棚橋選手のコメントと質疑応答
——ラビット先生は、どちらの方なんですか?
棚橋「ラビット先生の経歴はいっさい不明。僕の友人です」
——あのキラーラビット選手とは別人なんですか?
棚橋「ええ。ラビット一族の(別人)。中・高と体操をやっていたらしいです」
——ロンドンオリンピックの体操競技に触発されたんですか?
棚橋「昔、アメリカで“ハイフライングスター”って言われましたけど、『俺、そんなに飛んでねぇな』っていう自覚があったんで。一つでも二つでも飛び技を増やせるように」
——ハイフライフローを反復練習した狙いは?
棚橋「やっぱり前からつんのめり過ぎるとダメだし、かといって飛び急いで屈伸が小さくなってもダイナミックさに欠ける。逆に、屈伸することによって、一瞬、空中で止まった感覚があるので、そこで相手の位置を確認して落ちていく。そうすれば、仮によけられたとしても、空中で1回覚悟を決められるんで。(技が)決まれば(相手に)大ダメージ。よけられたら、こっちが大ダメージですけど、半か? 丁か? 吉と出るか? 凶と出るか?まあ、そのへんも含めてプロレスの醍醐味なんで」
——今日の成果はいかがでした?
棚橋「田中(将斗)選手との(IWGPヘビー)タイトルマッチ(7月22日山形)の体の痛みが、ようやく昨日、消えたんで。ダメージが抜けるまでに5日間、6日間かかったというのは初めてなんですけど、これで体が楽になったんで、『G1』にもいいコンディションで進めます」
——ハイフライフロー2012は、ラビット選手のアドバイスによるもの?
棚橋「ラビット先生には色々聞いてるんですけどね。よりド派手な技を(と無言で手をグルグル激しく回す)」
——ラビット先生の力があれば、それぐらい回ることも可能だと?
棚橋「そうですね(キッパリ)。月から来たんで。無重力の世界なんで」
——永田裕志選手のアナウンス特訓や、中邑真輔選手のドラム特訓を見て、どう感じますか?
棚橋「アナウンス特訓で発声練習、ドラム特訓でドラムができたら、ヴォーカル・ギター・ドラムが揃ってしまう。スリーピースバンドが結成できるんじゃないかと(笑)。まあ、それは冗談ですけど。『G1』の公開練習というのは、それぞれの選手のモチベーションの上げ方の一つなんでね。普段はチャラけてますけど、今回は真剣にやらせていただきました」
——プロレスリング・ノアから参戦する丸藤正道選手のことを意識しますか?
棚橋「そうですね。スピード、素早い動き、空中殺法には空中殺法じゃないけど、すべてにおいて越えたいんで。そういう体勢にもなったと思います」
——ハイフライフロー2012とは、どんな技ですか?
棚橋「(ハイフライフローは)相手が近すぎた場合、飛べないという欠点があるんで。近距離でも発射できる技。もうコーナーにのぼったら、だいたい半分ぐらいはカバーできる。どこでも飛べる。夢の技です。(※ラビットに)ですよね?」
ラビット「……(※無言でうなずく)」
——ラビット先生に苦手な空中技の指導を受けた感想は?
棚橋「わりと苦手なんですけど、『自分をよりレベルアップさせるためには、まず苦手なことから練習しろ』っていう格言がありますよね。苦手なことからやってみて、『ああ、やっぱり苦手だな』ってわかったんで」
——では、今後もラビット先生の指導を受ける予定ですか?
棚橋「そうですね。ラビット先生とは、これから呑みにいきます。より親交を深めて。ラビット先生、わりといけるクチなんで」
ラビット「……(※無言でうなずく)」
G1 CLIMAX 22 〜The One And Only〜』
8月3日(金)18:30 東京・後楽園ホール:サムライTV
8月4日(土)18:00 愛知・愛知県体育館:J-SPORTS
8月5日(日)17:00 大阪・大阪府立体育会館〜BODY MAKER コロシアム〜:TV朝日