メイン（第7試合）はマスター・ワト&田口隆祐vsエル・デスペラード&金丸義信。2.11仙台でIWGPジュニアヘビー級王座戦を行なう挑戦者ワトと王者デスペラードにとっては前哨戦となる。

　入場前、タイチが姿を現す。その両手には豆の入ったペッドボトル。そしてリズミカルに振りながら、放送席にゲスト解説として着席。
　田口は入場すると、尾崎リングアナとグータッチ。ワトも尾崎リングアナに声をかける。デスペラードはIWGPジュニアヘビーのベルト、金丸はウイスキーの角瓶を携えて入場。デスペラードは持参した豆を放送席のタイチにアピール。そして、デスペラードは尾崎リングアナに豆を渡す。

　先発はワトとデスペラード。まずはバックの取り合いから、デスペラードがフライングメイヤー。そしてスリーパーで捕らえるも、ワトはすばやく腕を取る。
　ワトはフライングメイヤーからヘッドロック。デスペラードはハンマースルーを狙うも、ワトはヘッドロックを外さない。デスペラードは足をロープにかけてエスケープ。
　次はロープワークの攻防となり、デスペラードがショルダータックル。さらにワトの顔面に強烈な張り手をお見舞いし、先ほどのお返しとばかりにヘッドロックで執拗に締め上げる。
　ワトは脱出すると、すばやいロープワークの攻防からティヘラをお見舞い。さらにドロップキックをヒット。
　続いて田口&ワトがデスペラードにダブルのローリングソバットを炸裂。そして田口はデスペラードにヒップバット、さらに独特な掌底を連発する。
　次はワトがデスペラードをオーバー・ザ・トップロープで場外に追いやり、空中技の体勢に。だが、金丸が低空ドロップキックで妨害。ここから鈴木軍タッグは場外戦に持ち込む。
　デスペラードはワトを鉄柵にハンマースルー。さらに転んだと見せかけてワトの左足を痛めつける。続いてデスペラードはワトを場外マットにボディスラムで叩きつけてからリングへ。
　ワトがリングに戻ると、金丸はショルダースルー。さらにブレーンバスターからカバー。だが、ワトはカウント2でキックアウト。
　ならばと金丸は逆エビ固めを決めるが、ワトはロープエスケープ。すると鈴木軍タッグはワトにストンピングを乱打。
　ワトも応戦するが、デスペラードはボディスラムで担ぎ上げ、そのままパワースラムのようにスタンプ。ここから鈴木軍タッグは足をワトの顔面に押しつける。
　続いて金丸はロープを用いて、ワトに逆エビ固めを仕掛ける。そして金丸はワトをボディスラムで叩きつけ、挑発するようにキック。劣勢のワトだったが、ゼロ戦キックで反撃。
　スイッチした田口は金丸、デスペラードの順でヒップアタック。そして両者にロープを往復するかたちでランニングヒップ。さらに金丸には場外からのヒップアタック、ミサイルヒップとたたみかける。
　優勢の田口は金丸にスリーアミーゴス。そしてどどんを狙うも、金丸は回避。さらに田口のヒップアタックをアトミックドロップで迎撃し、延髄斬りをヒット。
　だが、田口も延髄斬りで応戦。すると、金丸は低空ドロップキックをお見舞い。交代したデスペラードは、田口にニークラッシャーを狙う。田口はこらえると、カウンターのヒップアタックを炸裂。
　スイッチしたワトはデスペラードにスワンダイブのカチ上げエルボー。さらに串刺しエルボーからミサイルキックをヒットしてカバー。だが、これはカウント2。
　ならばとワトはトラースキック。しかし、デスペラードは切り抜けてバックドロップの体勢に。ワトも回避し、キックを連発。デスペラードも逆水平チョップを返すが、最後はワトがトラースキックでダウンを奪う。
　ここでワトはレシエントメンテを決めるが、カウントは2。続いてワトはTTDの体勢に入るが、デスペラードは回避。そしてカウンターのスピアーからバックドロップ。
　デスペラードは雄叫びを上げ、ワトにギターラ・デ・アンヘルを炸裂。ワトはカウント2でなんとかキックアウト。ならばとピンチェ・ロコを狙うも、ワトは切り抜ける。そして技の読み合いから、デスペラードはもう一度ピンチェ・ロコへ。だが、これもワトは回避し、ルチャ流の前方回転エビ固め。デスペラードが返すタイミングで、ワトはベンダバールで捕獲。しかし、金丸がカット。田口は金丸を場外に分断する。
　ワトはRPPを狙ってコーナー最上段に上るが、金丸が妨害。するとデスペラードが張り手からデッドリードライブ。デスペラードは雄叫びを上げるが、ワトはソバット。そして突進するも、デスペラードはカウンターのスパインバスター。
　次は田口と金丸のマッチアップ。田口はヒップアタックを決めると、オヤァイポーズからケツイェへ。だが、金丸はヒザに低空ドロップキック。そして4の字固めを決めるも、田口は必死にロープエスケープ。
　金丸は田口をボディスラムで叩きつけ、ムーンサルトプレスを炸裂。だが、カウントは2。ならばと金丸はタッチアウトの体勢に入るも、田口は着地。するとここでワトが金丸に旋風脚。そして場外のデスペラードにスライディングキックをヒット。
　田口は金丸にケツイェを炸裂させカバー。金丸が返すと、すかさずオーマイアンドガーアンクルを決める。しかし、金丸はなんとかロープに手をかける。
　そして、田口が近づいてきたところをサムソンクラッチで丸め込むも、これはカウント2。田口はヒップバットを金丸に決め、ワトを呼び込む。続いて田口が金丸にどどんをお見舞いし、すかさずワトがRPPを炸裂。田口がカバーするも、デスペラードがカウント3寸前でカット。
　ワトはデスペラードを場外に排除しようとするが、デスペラードはエプロンで踏みとどまる。すると田口がヒップアタック。
　そして田口&ワトは金丸にNo.9（変形のブラックホールバケーション）を決め、最後は田口がカバーし3カウントを奪取した。

田口「よっしゃい！　金丸、デスペラード組に完勝、完勝！　これは大きいでしょ。ジュニアタッグ挑戦、6or9が挑戦だ。もう決定でしょう。ファンタズモ＆石森？　そんなの関係ない。決まりでしょう。これで文句なし。ジュニアタッグ挑戦、IWGP実行委員会も……」

ワト「（田口が喋っているところに駆けつけてきて）ちょ、ちょっと待ってください！　ちょっと、ちょっと待ってください。ちょっと、ちょっと下がってください。すいません」
田口「ああいいよ」

ワト「俺は今、IWGPジュニアヘビー級王座に夢中だ」
田口「ああ素晴らしい」
ワト「今、そのことしか考えられない」
田口「考えられないよ、そりゃ」
ワト「俺は2月の11日、仙台でIWGPジュニアヘビー級王者になる。そのことだけを今は考えたいんだ」
田口「それでジュニアタッグ！　ジュニアタッグ獲りに行くんだ！」
ワト「ちょっと……」
田口「ジュニアタッグが一番だよ！　大事だよ！」
ワト「俺はちょっと今……」
田口「正直な気持ちで言ってるんだよ」
ワト「分かります。分かってますけど、ちょっと待ってください」
田口「ちょっと待ってちょっと待ってって。ちょっと待ってちょっと待って……」

ワト「（堪忍袋の緒が切れたのか、突然関西弁になって）もうええて！」
田口「何を？」
ワト「ちょっと待てって言うてるやん！　待てって！」
田口「何を？」

　

　
ワト「俺は今、IWGPジュニアヘビー級のシングルに集中したいんや！　夢中になってるんや！　ちょっと待てって言うとるやん！（と吐き捨て、怒りの表情で先に控室へ）」
　

　
田口「（ワトがいなくなり、一人取り残されると）怒ってるの？　怒ってるの？　怒ってるんですか？　あんなのあります？　みんなの前で年下に怒られることってあります？　めちゃくちゃ怒られた。いや、凄いことだよ、これ。後輩に怒られることってあります？　世界でも稀ですよ。69例目ですよ、世界でも。あります？　年下に怒られるとは思わなかったな。ちょっと、ちょっと待つか。あれだけ言われたら、ちょっとだけ待つか。ちょっとだけ待ちましょうね。ちょっとだけ待ってみますよ」

デスペラード「（アゴを押さえながら）痛え、クソッ！　いったーッ！　まさかの一点集中が偶然とは言え、お前出来るんだな。ちょっと見直したぜ。昨日、お前が俺のアゴをよ、思いっきり蹴飛ばしたろ？　本当に殺してやろうかと思ったけどよ、そっから今日のヘッドロックに繋がってくるとは思いもよらなかったよ。いやあ、参った、参った。ビックリした。ご飯を食べさせないで戦うっていう、そういう作戦ですか？　デバフ？　思ったよりやるな。（リング上で行なわれている尾崎リングアナのセレモニーの音が聞こえてくると）うるせえな。尾崎リングアナ、お疲れさん。19年半？　約20年か。凄いな。生まれたての人間がほぼ成人だぞ？　しかも前半はほぼ一人でやってただろう。凄えよ。次は何するか知らねえけど頑張ってくれよ。

でだ！　ワト、さっき場外でもちょろっと言ったけどよ、いつまでカッコつけてんだ、お前は。普段から考えてることしかリング上では喋れねえんだよ。お前、普段カッコつけて喋んの？　普段考えてないから、リング上で喋る時はカッコつけなきゃいけないと思って、ああいうことしか出てこないのか？　違うだろ。お前の上っ面なんか興味ねえんだよ。本当にベルトが欲しいんだよな？　そのためには何をする？　考えろ！　考えろ！　考えて喋れ。そうじゃないと、俺の中に熱が生まれない。いいか、俺がお前とシングルマッチでタイトルマッチをなぜやるか？　ケジメだ。チャンピオンが防衛した翌日にギブアップしたんだぞ？　誰がチャンピオンって言うよ、そんなの。ギブアップ獲ってやる」
※金丸はノーコメント