24日、棚橋弘至選手が京都・相楽郡の「MEGAドン・キホーテ」UNY精華台店で行われたイベントに参加した。前日の「ファッションセンターしまむら」さいたま新都心店で行われたイベントに続いて、3月22日に緊急事態宣言・まん延防止重点措置が全国的に解除された直後のタイミング。これまでも会場内ではサイン会など感染防止対策を行ったうえで少しずつ解禁されてきたが、試合会場以外で選手が参加するイベントは約2年ぶりとなった。
好天に恵まれたこともあって、同店屋外特設イベント会場には約200人の熱心なファンが集まり“逸材”を笑顔で迎えた。棚橋も久しぶりに会場以外でファンに接する喜びにあふれ、マスク越しながら笑顔を振りまいた。
今回のイベントは「新春黄金シリーズ」で冠スポンサーとなったLecの販売促進の一環。棚橋を販促キャラクターに起用し、2018年にはL.A.DOJOが中心となって開催されたアメリカ大会を支援、海外のドン・キホーテグループの日系スーパーで記者会見を行う際にサポート。「日用品にちょっとプロレスが入ってると、全然知らない人にプロレスを広めることになるし、プロレスを知ってる人にはうれしいこと」(棚橋)から、現在まで協力体制が続いている。
話題がリング上に移ると、3.26大阪城で第1試合に出場してG.o.Dとチームを組むことに関して、「(3.17静岡で)田口とマスター・ワトが(G.o.Dの)助けに入ったのがあって、(3.21長岡で)タマちゃんとタンガ・ロア、邪道がやられてて、田口とワトもやられてた。ここで助けに入ったらおいしいなってのがあったんで。今度、邪道は入ってないですけどタマちゃんとティー(タンガ)と組むことになって。ただ、ティーが“なんで俺は棚橋に助けられてしまったのか?”って悩んでて、状況が理解できない、受け入れられないって感じですけど、組んで闘っていくなかで初めて理解し合えると思うんで。第1試合はBULLET CLUBとの闘いも注目なんですけど、こっちのチームがどう機能していくかも見ていただきたいなと。僕が潤滑油のようにチームを動かしていきます」と見どころを伝えた。
また、4月9日の両国国技大会を経て、5月1日には21年ぶりとなる福岡ドーム(PayPayドーム)大会が控えている。
21年前の前回は第1試合のタッグマッチに出場、カウント3を聞いている棚橋だけに、「メイン出てぇなぁ~」と漏らし、「いま丸腰なんでね。ベルト戦線に絡まないとビッグマッチのメインに出れない。メインに出れないってことは、専門紙の表紙になる機会も減る。そして勝って『愛してま~す!』もできない。ストレスが溜まるしかないんでね」と、メインロード帰還への思いを口にした。
「新日本プロレスとしてもしっかり感染対策をしながら皆さんにプロレスを楽しんでいただいて、近い将来、声を出して応援できるようになるのを心待ちにしながら、一歩ずつ日常の風景に戻るように頑張っていきますし、皆さんが声が出せるタイミングぐらいで俺がIWGP(世界ヘビー級王座)を獲ったらいいんじゃないかと思ってます。その時に大きな『棚橋』コールが起これば泣いちゃいます」とファンに誓い、最後は「愛してま~す!」でイベントを締めくくった。
イベント後には「まん延防止措置の日本全国的な解除を待ってという形になりましたけど、社会の情勢と足並みを合わせることが大切。そこには安心感もありますし、新日本プロレスとして今までやってきた感染対策だったり、そのノウハウだったりという蓄積がありますんで。小さいイベントから少しずつ成功を積み重ねていくことによって、それがさらなる安心感につながりますし、そしてまたビッグマッチ、もっと大きいイベント、声を出して応援できるようになるまで段階的に進めていきましょう。その第一歩は俺が踏み出しました」と感想を述べた。
「会場だと試合に集中してる部分があるんですけど、イベントだとじっくり顔が見れたり、笑ってくれてる、喜んでくれてる空気感を共有できるんで。ここからは不安な部分をどれだけ減らしていけるかなんで。しっかり対策もやったうえで、なおかつ楽しいとこっろに向かっていきましょう」
2000年代の暗黒時代からの脱出も第一歩を踏み出している。その意味では、明るい道を切り開いてきた棚橋。最後は「一歩目は任せろ。一歩目の“一”は、逸材の“逸”で。“ミスター第逸歩”になりますよ」と笑った。