プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!
「いったいどうなる?“18年越しの因縁関係”SANADAvs内藤の行方!? 1.4東京ドーム決戦をコラムで徹底展望!」
■『ベルク Presents WRESTLE KINGDOM 18 in 東京ドーム』
2024年1月4日(木) 14:45開場 16:30試合開始 ※第0試合は15:30開始
東京・東京ドーム
★チケット情報 ★対戦カード情報
※「ロイヤルシート」「アリーナA」「アリーナB」「バルコニースタンド」「車椅子席」は完売となっております。
※チケットはプレイガイド各社WEBサイト・コンビニ店頭端末で大会当日17:30まで販売いたします。
・ローソンチケット https://l-tike.com/njpw ローソン・ミニストップ店頭Loppi
・イープラス https://eplus.jp/njpw/ ファミリーマート店舗
・チケットぴあ https://w.pia.jp/t/njpw/ セブンイレブン店舗
※会場の当日券売場では11:00より発売いたします。
■率直にいって、令和闘魂三銃士プラス上村の4選手のなかで、いま頭ひとつ飛びぬけた存在は辻だと思う
プロレス界1年の計は、東京ドームにあり。2024年、1・4東京ドーム大会の全カード10戦(プラス第0試合)が正式発表された。
今回は1・4大会の見どころとして、6試合に絞って展望を占ってみたい。まず、第3試合に組まれた辻陽太vs上村優也のZ世代ライバル対決。
同期の2人は、2018年4月10日、新宿FACE大会で同日デビュー。2021年8月に海外修行へ旅立った時期もほぼ同じ。
それまでの3年余、ヤングライオンとしてシノギを削り、また時にはタッグを組んで先輩たちの分厚い壁へと挑んでいった。
凱旋したのは辻が先だった。今年5月に帰国すると、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンに加入。6・4大阪城ホールの帰国第1戦でいきなりSANADAの保持するIWGP世界ヘビー級王座に挑戦した。
その一戦でドギモを抜くような高度な空中戦を披露した辻は、みごとな変貌を遂げていた。初エントリーした『G1 CLIMAX2023』では令和闘魂三銃士がそろったAブロックに参戦。
決勝トーナメント進出こそ果たせなかったものの、海野翔太から勝ち星を奪い、成田蓮とは引分け。ブロック3位の成績を残している。その後、9・24神戸ワールド記念ホールで、ウィル・オスプレイのIWGP US(UK)ヘビー級王座に挑戦し、鬼気迫る闘いぶりを披露し、さらに株を上げた。
一方の上村は、10・9両国大会にJust5Guysの新メンバーとして凱旋。こちらも驚くほどの変貌ぶり、ヤングライオン時代とは180度違うスタイルを披露している。
もともと大学レスリングの実力者であり、ヤングライオン時代にはユニットの壁を超えて鈴木みのるに弟子入りしていたこともある上村。最初の海外修行先も、ストロングスタイルを地でいく柴田勝頼がヘッドコーチを務めていた米国LA道場だった。
ところが、もともと1970~1980年代の古き良きアメリカンプロレスに憧れをもっていたという上村は、米国マットでその路線を追求してきた。その結果が、80年代のスーパースターであるリッキー・スティムボートを現代風にインスパイアしたようなスタイル。
古き良きアメプロスタイルが、逆に新鮮に映るところことを立証してみせた感もある。
当然のようにリングで対峙すれば、感情を剥き出して互いを意識する両雄。11・4大阪のタッグマッチで辻が直接ピンファールを奪えば、先だっての12・22後楽園ホールでの6人タッグマッチでは、電光石火の回転十字固めで上村が雪辱。
タッグながら直接対決のスコアを五分としている。ちなみに、試合を決めた回転十字固めを日本マットで最初に披露した男は、あのデイビーボーイ・スミスである。それも1980年代の出来事。そういう面にも上村のこだわりが見て取れるのだ。
率直にいって、令和闘魂三銃士プラス上村の4選手のなかで、いま頭ひとつ飛びぬけた存在は辻だと思う。抜群のセンスを感じさせる試合内容と確率されたキャラ。そこの部分で一歩リードしている。
ただし、上村は凱旋以来、シングルの大舞台にはまだ一度も立っていない。ということは、この1・4ドームが上村にとって本当の意味での凱旋マッチ。この同期対決で上村のポテンシャルが100%発揮されたとき、どんな闘いが生まれるのか?
新日本プロレスの未来を照らすような試合に期待したい。
■新世代ヒーローvs最悪最凶ユニットの対決。これもまた、プロレスの醍醐味を存分に見せてくれそうだ
第4試合では、新日本マット、ノアマットで、HOUSE OF TORTUREの無法攻撃に蹂躙され怒りを爆発させた海野と清宮海斗(ノア)が、電撃タッグを結成。
それぞれが標的としているEVIL&成田とタッグで激突する。新日本の未来である海野とノアの未来である清宮。ともにイケメンにして超ベビ―フェイス。まさに、絵に描いたようなヒーロータッグである。
新世代ヒーローvs最悪最凶ユニットの対決。これもまた、プロレスの醍醐味を存分に見せてくれそうだ。
■新日本プロレスの枠を超えてきた者同士が、そのイデオロギーの部分でも勝負するのではないだろうか?
第7試合のIWGPジュニアヘビー級選手権では、高橋ヒロムvsエル・デスぺラードの永遠のライバル対決が実現。昨年の1・4東京ドームでベルトを奪取して以来、1年間ベルトを守り通してきたヒロムが、満を持してデスペラードを挑戦者に指名した。
今年の1・4同タイトル戦は王者・石森太二、挑戦者がヒロム、デスぺラード。マスター・ワトの4WAYマッチで争われ、ヒロムがワトをフォールしてベルト奪取。
王者から直接フォールを奪っていないヒロムは、その後、5度目の防衛戦でワト、7度目の防衛戦で石森をくだした。残るは。デスペラードのみ。
「今年の1・4の4WAYから1年かけてやってきた物語が、デスペラードとやって完結するんです」ヒロムはそう言いきる。ただし、もちろん別の感情もある。ことIWGPジュニア戦に関していうなら、2年前の1・4東京ドームでデスペラードに挑戦したヒロムが敗れているからだ。
現状では、目の手術を受けてから復帰したばかりでまだ万全といかないデスペラードであるが、ヒロムと対峙すればもうコンディション云々の問題ではないだろう。
バチバチに打ち合うジュニア名勝負数え唄がドームで再現されるはず。この1年、ともに他団体のリングに上がったり、ふだん交わることのない相手と勝負してきた両雄。
新日本プロレスの枠を超えてきた者同士が、そのイデオロギーの部分でも勝負するのではないだろうか?
■過去の実績からいくとはるか格上のモクスリー、オスプレイに、“空気を読まない男”フィンレーがどう挑んでいくのか?
第8試合では、新設されたIWGP GLOBALヘビー王座の初代王者決定戦として、因縁のウィル・オスプレイ、ジョン・モクスリー、デビッド・フィンレーが3WAYで相まみえる。
無論、再注目はオスプレイの存在。12月18日(日本時間)、米国AEWのPPV大会に登場し、来年2月のAEWとの契約を発表したオスプレイ。
過去の外国人エースが事前にこういったパフォ―マンスを行なったのは初めてのこと。遡れば、AJスタイルズ、ケニー・オメガ、ジェイ・ホワイトと契約切れの選手たちは、何かしら追放マッチのような試合形式を行なって、新日本マットから離れていった。
今回のオスプレイの行動をどう捉えたらいいのか? これは私なりの解釈でいくと、1・4東京ドームの先もあるし、AEWをホームとしても新日本マットに上がる可能性は充分あると見ている。
実際に、モクスリー、クリス・ジェリコ、ケニー・オメガとAEWの猛者たちは単発ながら新日本マットに堂々と上がって来ているではないか?
仮にAEWへベルト流出となれば、由々しき事態なのかもしれない。ただし、そうなったらそうなったで、新日本勢がAEWに乗り込んで行くことは可能なわけだから、まさにGLOBAL(グローバル)という見方もできる。
こと、この3WAY戦に関しては、内容よりも結果に注目したい。過去の実績からいくとはるか格上のモクスリー、オスプレイに、“空気を読まない男”フィンレーがどう挑んでいくのか、それも大きなテーマとなるだろう。
■ブライアン・ダニエルソンのベースにあるのは新日本スタイル。今回は、古巣への凱旋マッチという見かたもできる。
セミファイナルでは、AEWで生まれた因縁カードが新日本マットに上陸。オカダ・カズチカとブライアン・ダニエルソンが2度目の一騎打ちを行なう。
6月25日(現地時間)、カナダ・トロントで開催されたAEW×新日本の合同興行『禁断の扉』で行なわれ、変型YESロックでブライアンが勝利。ただし、試合中にブライアンは右腕を骨折するアクシデントに見舞われていた。
2度目は、10月25日(現地時間)、『AEW DYNAMITE』のタッグマッチ(オカダ&オレンジ・キャシディvsブライアン&クラウディオ・カスタニョーリ)で対戦。結果はカスタニョーリがキャシディから3カウントを奪ったものの、終盤、オカダのレインメーカーを食らったブライアンはKO状態に追い込まれた。
この一撃で、なんとブライアンは左眼窩底骨折を負ったという。シングル、タッグとブライアンが連勝したものの。大ダメージを被ったのはブライアンだった。
そのリベンジを誓って対戦を迫ったのはブライアンのほうからなのである。
周知の通り、ブライアンは新日本の旧ロス道場の出身で、ロス道場では中邑真輔とともにトレーニングに励んだ間柄。その後、アメリカン・ドラゴンとして新日本ジュニア戦線で活躍し、ノアマットを経てWWEへ。
体格はジュニアながら、WWEの頂点にまで上り詰めている。しかも単なるWWEスーパースターではなく、WWEのエースを張っていた超大物なのである。
ただし、彼のベースにあるのは新日本スタイル。今回は、古巣への凱旋マッチという見かたもできる。
日本のスーパースターと米国スーパースターによるストロングスタイルの闘い。ホンモノを見せつけてくれることだろう。
■“あの日”からはじまった2人の関係。18年越しの因縁関係をもつ両者が、1・4東京ドームのファイナルステージで頂点を争う。
そして、メインイベントはIWGP世界ヘビー級選手権。SANADAvs内藤哲也の元ロス・インゴ対決。過去のシングル戦績はSANADAの2勝1敗。今回が4度目の一騎打ちとなる。
戦前の前哨戦……というより、舌戦においては内藤の圧勝。口下手なSANADAが何か発言しようものなら、完璧な論陣を張った内藤がそれをすべて否定し、覆してしまう。
発信力にかけては、とうてい王者は敵わない。ファンの支持率に関しても内藤推しが圧倒している空気感につつまれている。
発信力までふくめたものが現代プロレス。それが今の風潮であり、支持率へとつながる。
その端的な例が、今年のプロレス大賞の結果だろう。
MVPの投票結果は、内藤=11票、ヒロム=6票、SANADA=2票となり、内藤の圧勝受賞となった。
ただし、前哨戦(舌戦)はあくまで前哨戦だろう。東京ドームのメインイベントは、その試合内容と結果がすべてである。
試合後、「デ・ハ・ポン!」の大合唱を聞くことになるのか、ギフトの光景を見ることになるのか、それは二次的要素であり、ボーナストラックなのである。
2005年11月、後楽園ホールで行なわれた新日本プロレス公開入門テスト。唯一合格したのが内藤で、真田聖也は不合格。
あの日からはじまった2人の関係。18年越しの因縁関係をもつ両者が、1・4東京ドームのファイナルステージで頂点を争う。
壮大なドラマ。内容は保証付き。これぞ、新日本プロレスという大熱戦を披露してくれることだろう。
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※以下の有料部分では「”GK”金沢克彦が選出する 2023新日本プロレス大賞」も発表!
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■『ベルク Presents WRESTLE KINGDOM 18 in 東京ドーム』
2024年1月4日(木) 14:45開場 16:30試合開始 ※第0試合は15:30開始
東京・東京ドーム
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※「ロイヤルシート」「アリーナA」「アリーナB」「バルコニースタンド」「車椅子席」は完売となっております。
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