ついに目前に迫った7月1日(日)新日本&全日本40周年記念大会。そのトリプルメインイベントの最後を飾るのは、“IWGPヘビー王者”棚橋弘至に真壁刀義が挑む一戦。長いあいだチャンピオンシップから遠ざかっていた荒ぶる挑戦者・真壁にいまの心境を直撃インタビュー!!
■ エアギターは「ファンサービス」という言葉を免罪符にしてるだけ
——さて、真壁さん。7月1日の両国大会で、ついに待望のIWGP王座挑戦が決まりました。いまのご感想は?
真壁 まぁ、「とうとう、とうとう来たな!」って感じだよな?ま、俺がアイツのデビュー戦の相手をやって、またたく間にアノヤローはスターダムに駆け上がっただろ?いま、ようやくこの舞台で、アノヤローを引きずり下して、俺が追い抜く番だよな(ニヤリ)。
——真壁さんにとって、今回はIWGP挑戦が大きいのか、それとも棚橋弘至と大舞台で闘えることが大きいのか?
真壁 俺は棚橋だな!(キッパリ)。棚橋というチャンピオンから俺が獲らなきゃいけねーと思ってるし、獲るってことが「新日本を変える」ことだと思ってるから。
——そのへん、最近の「棚橋からは生き様を感じない」という発言にも関わってきますか?
真壁 あるな。……これは、俺のイチ個人としての意見だぜ?ヤツの試合は、水準は高いと思う。ただ、試合後のエアギター?ああいうのには、ナンセンスを感じるよな。あれは「ファンサービス」という言葉を免罪符にしてるだけだろ?だってよ、試合で完全燃焼してる人間がなぜエアギターができるんだよ?
——そこは疑問に思われていた、と。
真壁 だったら、もっと早く試合を決めちまえって!そこにヤツのポイントがあるのなら、「おまえのプロレスは間違ってる!」と言いたいし、俺のファンサービスは「試合で完全燃焼すること」だからさ。だから、生き様が違いすぎる。
■ 棚橋がやってきたチャンピオンシップ……俺はなんとも思わなかった
——2年前の真壁政権のあと、小島選手を挟んで、去年から長く続いた棚橋政権はどう見てました?
真壁 なんだろな?俺はその時期、対小島聡、対鈴木みのると“外敵”を中心に闘ってたよな?その抗争に退屈はしなかったよ。ただ、早く決着を付けてIWGPに行きたかったけど、手こずっちまった。そこにイライラはあったよな?ただ、そのとき、棚橋がやっていたチャンピオンシップ……俺はなんとも思わなかったな。
——なんとも思わなかった?
真壁 なんつーか……色が全部、同じに見えるんだよ。試合の水準はたしかに高いぜ?でも、ヤツの試合から、魂の部分……“狂気”とか“欲望”とかさ、そういうモノを感じねーんだ。そこは疑問に思ったよ。「もっと、コイツらスゲーもん持ってるのにな」って。響かなかった、俺には。だから、似てるもん同士なら、響かねーのかなって。逆に、響く相手がいるなら、それは俺なんじゃねーのかなって。
——長く挑戦できなかったイラダチはありました?
真壁 そりゃあ、あったよ!たしかに目前の試合には集中してたし、熱くなってたけどよ。「なんでコイツらがスポット浴びてるんだ?」という試合も中にはあったよな?
——一方、いま新日本が好調をキープしていることに関しては?
真壁 まぁ、悪くねーよ、悪くはねぇ……。ただ、うすっぺらいチャンピオンが一番上に座って、「何を訴えられるんだコノヤロー」という気はするぜ。俺がガキの頃シビれたのは、あんなチャンピオンじゃねーんだ。俺のモノサシはそこなんだよ。だからこそ、俺は棚橋を全否定する!
■ここで俺が勝ちゃあ、俺のプロレスが正しい
——今回は、それを証明する絶好の舞台ですね。
真壁 だから、ここで俺が勝ちゃあ、俺のプロレスが正しいし。向こうが勝てば、向こうのプロレスが正しい。引けない闘いだよな?俺が第三者として見てると、いまの観客はたしかに棚橋たちの試合に、ワーキャー言ってる。それを見ると「ああ、コイツら、求められているのかもな?」とは思うよ。かと言って、俺たちの試合も「また鈴木たちとやってんのかよ!」と思ってるかもしんねーけど、ワーキャー言われてるんだ。「どっちなんだよ、おまえら?」って気持ちはあるよ。
——なるほど。
真壁 どっちが古い・新しい、と言われたら、俺たちのほうが年代的にも古いよ。コッチは昔ながらのハートの試合やってるからさ。でも、アイツらの主流はスピーディーで動きのある試合だろ?それが俺には“軽く”見える。べつにいいぜ?どんなスタイルがあったって?観客が求めるんなら正しいよ。でも、俺が思うのは、「まぁ、シッカリがんばれよ、ライトヘビー級さんよ?」ってことだ。
——なるほど。今回の闘いが新日本&全日本40周年記念興行の最後にラインナップされたことに関しては?
真壁 俺は、場所はどこでもいいよ。ただ、新日本だけの興行のほうがやりやすかったかもしんねーな。気が散漫にならねーからさ。新日本のリングなら、レスラーに見せ付ける試合ができるんだよ。ただ、ほかの団体が入ってくると、他団体の選手の目に気をとられたら、散漫になっちまう気もする。ちょっとばかしだけどな?
——たしかに今回は特別な大会ですからね。
真壁 ウン、特殊だな。ただ、俺の試合は、いつもどおり変わらねーよ。俺がやるのはいつも(胸を叩いて)コッチの試合だよ。小手先のテクニカルな試合なんかどうだっていい。だから、今回はリングに上がる全員が敵だと思ってる。棚橋も、新日本の選手、他団体の選手だってそう。最後に、観客のヤローども……ヤツら全員をネジ伏せる試合をやってやるよ。
■三冠ヘビー級選手権?意識なんかしねーよ!
——ちなみに一つ前には、全日本の至宝・三冠ヘビー級のタイトルマッチもありますが、意識します?
真壁 意識?しねーよ。俺はしねぇ!いつもどおりだよ。俺は人の試合は観ないしさ。俺は俺のやり方でやるだけ。ほかの選手権を見ても自分にプラスのイメージは沸かないし。自分の試合にフォーカスするだけだ。
——いずれにしても、真壁選手のキャリアの中でも非常に大きな試合になりそうですね。
真壁 そうだな。まぁ、複雑な部分も正直あるよ。けして五体満足な状態ではないしさ。……でもよ、俺はアノヤローの生き様には絶対に負けねぇ。おたがいの歴史も知ってるよ。ただ、今回は、アイツが見せてるプロレスが本物かどうか?俺のプロレスが本物かどうか?その思想のぶつかり合いだろ。正直、俺が正しいかどうかはわからねーよ。時代によってプロレスは変わるからさ。でも、「俺が心底うなったプロレスはこういうもんだ!」ってのは自然に身についているだろ?そのプロレスで、俺がアイツを粉砕してやるからよ!シッカリ見ておけよ、それだけだ!
開場16:00/開始17:00