大森選手が拠点を金沢に移し、“旅館経営をする現役プロレスラー”に転身!!
1月20日、フリーとして新日本で活躍していた大森隆男選手が、菅林直樹社長と新日本事務所で会見を開いた。大森選手は、2月より生活の拠点を金沢に移し、家業の旅館経営を中心にする。しかし「引退ではない」ことを発表した。
大森「本日はお忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございます。大森隆男自身は、フリーという立場ながら、この場所を提供していただきました菅林社長を始めとする新日本の皆様には、大変感謝しています。
本日は、私の今後のプロレス活動についてご報告させていただきます。いままで生活の基盤を首都圏として活動してきましたが、今年の2月より、石川県金沢に完全に移すことになりました。そして、家業である、旅館宿泊業を家内と一緒にがんばっていくことになりました。遠征で日本中のみならず、世界各地を訪れてまいりました。その中でも金沢は心に残る素晴らしい街です。
私の家内は一昨年4月にオープンしました『金沢の宿 由屋るる犀々』という場所で、女将としてがんばっておりまして、自分もゆくゆくは一緒に働くことを覚悟してました。しかし、私自身やり残したことはありますし、おかげさまで体調面は良好です。プロレス活動を引退するつもりではない、そこは強調しておきたいです。ただ、これまでのようにシリーズをとおして参戦する活動は極めて困難になります。
ですが、東国原知事が宮崎から地方活性化を成功させたように自分も金沢からプロレス熱を活性化させることは不可能ではないはず。具体的にそちらに関しても実現に向けて動いてます。まだ途中段階なので言えないのですが、18年間すべてをプロレスに賭けてきました。そこで学んだこと、出会いはすべて自分の財産です。新しいスタートにその財産を活かしたいと思います」
菅林「本来なら今年も新日本のリングに上がってほしかったのですが、先ほどおっしゃられたようにご本人の意思が固かったので、このような結果になりました。またチャンスがあればぜひ新日本に上がってほしいと思っていますので、その説はよろしくお願いいたします」
■以下、報道陣との一問一答
——選手として、北陸エリアの活動がメインになる?
大森「ええ。プロレス活動を引退するわけではないので、そのときの状況で判断して、積極的に試合も続けていきたいと思います」
——このタイミングで金沢に移る理由は?
大森「家業ということで、いずれは自分が継がなくてはいけないことと、昨年40歳になったこと、いろいろ考えるところがありまして、こういう結論に至りました」
——コンディションの維持に関しては?
大森「自分は一昨年から試合を7ヶ月ばかり休業していました。そこから復活するときも申し上げたんですが。金沢でもなんでもできると思うんですね。僕が新しく働く旅館の向かいは、トレーニングするには最高の環境。石川県の犀川という川が流れているんですけど走るのもできるし、芝生が生えてるから受身もできるかもしれない。自分の置かれた状況で、最大限のトレーニングをして最高の状態でリングに上がりたい。いま、本業でリングに上がってる人に尊敬の気持ちを持ってますし、中途半端な覚悟で上がることは一切ありません!」
——パートナー、中西学選手は何か声をかけていただきました?
大森「『ま、がんばれや』と(笑)。非常に男気のある方なんでね。まだ、先はわからないですけど、またタッグを組む機会があれば、暴れたいな、と」
——首都圏の最後の試合の予定は?
大森「とりたてて考えてないですね。僕も身辺整理じゃないですけど、やらなきゃいけないこともありますんで」
——新日本で一番印象に残っている試合と、やり残したことは?
大森「やり残したことは……具体的に言うとさしさわりあるかもしれないんで(笑)。ただ、プロレス界にやり残したことはありますね。一番印象に残ってるのは、去年の『G1 CLIMAX』の初戦の棚橋弘至選手との広島でのシングルマッチです」
——旅館では、どういったお仕事を?
大森「何から何までやらなきゃいけないですね。すでにシリーズオフのあいだには、こっちと石川県と生活を半々にしてましたけど、一から勉強しなくちゃいけない状況ですね」
——今後は、どのくらいの頻度でプロレスをする?
大森「可能なかぎり出たいですが、優先順位が変わってきてしまうので、いまの段階では申し上げれない状況ですね」
——今後は他団体も視野に入れた活動をする?
大森「当然そうですね。ですから、最初に申し上げたとおり、この場所を提供してくれた新日本さんにはホントに感謝してますし、僕ができる限りの関係を保っていきたいです」
このあと、報道陣との雑談で、旅館の詳細を明らかにした大森隆男選手。「将来的には、いつかはという気持ちがあった。ムコには入っていないですけど」と語ったあと、「具体的な役職? あればいいですけど、いまは“ヒラ”です(笑)」と笑顔を見せた。
さらに「プロレスファンにもぜひ来てほしいですね! 僕がお話相手をさせてもらうんで(笑)」「ウチの目玉は“朝食”です! 夕食並みの豪華な朝食を皆さんに用意してますし、犀川を一望できるラウンジもありますんで」と早くも“旅館経営をする現役プロレスラー”としてアピール。
報道陣から「旅館プロレスをしたら?」という提案には、「旅館が凄く上品なイメージで売ってますので……女将の許可次第ですかね(笑)」と語った。だが、「金沢を拠点にプロレスの興行を打つ」アイデアは持っている模様。いずれにしろ、史上初の“旅館経営”に乗り出す現役プロレスラーとして、今後も大森選手の動向に注目だ!
『金沢の宿 由屋るる犀々』
石川県金沢市清川町7-1
TEL:076-280-5333
http://www.yuyarurusaisai.com/p5.html
【写真:山本正二】
- 2010.1.20
- #Topics