ミラノ選手の引退会見後の囲みコメント
　
　1月18日、記者会見で引退する事を発表したミラノコレクションA.T.選手。会見終了後、記者団の囲み取材に応じた——。
　

　
–最後の試合になったコンプリート・プレイヤーズとの試合(外道選手がミラノ選手の目を竹刀で攻撃)で、一部から外道選手を責めるような論調もありますけど。
ミラノ「いや、もしかしたら、吉橋(伸雄)のなにげないパンチでもこうなる可能性はありましたし……いつ、そうなってもおかしくない状況だったんで。ロクにロープにも走れないような状況でもあったし。09年は最後のスーパーキックが、相手がよけてないのになかなか当たらなかったり……そういうこともあって、シンドイ状況ではありましたから」
　
–この先は、プロレスに関係する仕事?　それとも関係ない仕事?
ミラノ「非常に自分は勉強が好きで。とりあえず、不動産の勉強(宅地建物取引主任者試験)をしてたんですけど、その国家試験が昨年10月にあって合格発表が12月にあったんです。合格率15パーセントの試験だったんですが、IQ220の頭脳を活かして合格できたんです(笑)。そこで、不動産関係の方からの誘いが一つ。……その試験のあと、『またなんか勉強したいな』と思って、東洋医学の勉強もずっとしてたんです。身体のしくみから、血液、インド〜スリランカ〜古代ギリシャから経由する東洋医学。その先生に身体のいろんなところを直してもらって、その人についていろいろ勉強してたのが一つ。そして、もう一つは、ユークスの谷口(行規)社長と新日本プロレスの菅林(直樹)社長から、『どうにかエージェント、あるいは営業本部長なり、フロント的な方向でできないか?』という話をいただいてまして。その三つの中で考えている状況です」
　
–その結論が、2月14日両国国技館大会までには出てる?
ミラノ「そうですね。最終的な結論が。1月まで契約はあるんですけど、そこからは無収入状態になるんで。……もっとリーグ戦とかで優勝して、その賞金とかを貯めておけばよかったな、と(笑)」
　
–ミラノ選手といえば、国立大学出身というのが有名ですけど。
ミラノ「そうですね。頭を打って、脳細胞は何個か失われたと思うんですけど、そこは大丈夫でしたね」
　

　
–両国大会ではセレモニーのみ?　引退試合はやらない?
ミラノ「医者には『技を受けてはいけない』と言われてるので、『じゃあ、技を受けなきゃいいじゃん』と。それで、1試合で20回くらいマトリックスやってもいいから、技をよけまくるような試合を社長にも提案したんですけど。やっぱり去年、リングでプロレスの大きな事故もあったので……そういう状態でリングに上がるのは業界的によくないだろう、と。引退試合はしないですね。というかできないですね」
　
–ミラノ選手のスタイルは業界でも唯一無二でしたけど、伝えていきたい気持ちは?
ミラノ「プロレスは、やっぱり自己プロデュースだと思うんですよね。人から、『これをやれ』と言われてそのとおりにやってる人間は成功しづらいというか。自分の確固たる信念を持って貫いてれば、それが成功の近道だと思うんで。僕がとやかく言うことはないかな、と。タイチに『ブリッジしてよけろ』と言ってもできるわけないですし(笑)」
　
–目はリハビリが必要な状態?
ミラノ「いや、普段の生活をしてて、近くのものや遠くのほうに焦点を合わせたり、軽い感じですね。検査をするときは、細かく数値チェックをやってますけど」