サイモン社長に“白旗”?!/蝶野正洋選手一夜明け会見
1月4日に開催された「レッスルキングダム IN 東京ドーム」で、全日本プロレスの武藤敬司選手とドリームタッグを結成し、天山広吉&小島聡に快勝。試合後には故橋本真也さんとの奇跡の3ショットを実現させた蝶野正洋選手。
熱狂のドーム大会から一夜明けた5日、目黒区の新日本プロレス本社で記者会見を開き、記者団の質問に答えた。
–ドーム大会を終えた感想は?
蝶野「(最近は)興行的に苦しい中で、昨日の東京ドーム大会はいい結果が出たという事を聞いた。去年はさんざんサイモン(・ケリー猪木社長)の事を攻撃していたが、それ(ドームの成功)に対してはよくやったなと言いたい。今の体制でここまでの観客動員であったり、興行内容を作り上げたことに関しては、素直に白旗を揚げたいという気持ち」
–試合についての感想は?
蝶野「自分に関しては、今までのドーム大会の中でワースト1に近い、非常に厳しいコンディションだったので、悔しい思いをした。ヒザが悪かったり、風邪をひいていたりという最悪の状態を乗り切った事には満足しているが、自分自身に対して不満が残っている所はある」
–今年の目標は?
蝶野「自分のキャリアを活かして、表舞台だけではなく、裏舞台というか、興行をサポートしていく裏方的なモノも少し勉強して行きたい。昨日のドーム大会にも若い人たちが出ていたが、彼らが本当の業界のトップになれるように、俺ができる事。リングの上だけじゃない事を少し考えている」
–リング上の闘いはどうなる?
蝶野「棚橋(弘至)、中邑(真輔)が突っ走っているのは分かる。その選手たちと、俺たちの間にいる天山(広吉)たち第三世代が本気なのか? もし、本気でやれるんだったら、この先は第三世代との闘いになると思う。順当に行ったら、第三世代が業界というか、新日本プロレスを引っ張って行かなければならないのだから『ホントにハラを決めてやる気があるのか?』と聞いてみたい」
–ドーム大会の別の試合は観た?
蝶野「みんな、ドームレベルの選手じゃない。後楽園ホールレベルから、両国国技館を目指す選手のレベル。ちょっと時間はかかると思うが、ドームクラスのスターを作っていかなければならないと思う。棚橋弘至vs太陽ケアはいい試合だとは思った。2人ともいい選手で、プロレスの良さを十分に引き出せる。ただし、今の棚橋をよく見せるんだったら、ドームじゃなくて両国でメインをやって締めた方がいい。やっぱり、それは選手によってそれぞれ違う個性があるから」
–大歓声は耳に届きましたか?
蝶野「実はよく分からなかった。でも、今までのドーム大会は、プロレスと格闘技が入り混じって、テーマを一つに絞り切れない部分があった。それが、今回は純粋なプロレスという事でファンの評判もよかったようだ。俺の所にも、知り合いから何件か電話がかかって来たが、『凄く楽しかった』『よかった』という声が多かった」
——これまででワースト1のコンディションだったという蝶野選手は、試合後のインタビューの後、「30分間も身動きが取れなかった」と話す。その事もあってか、マスコミの「棚橋選手のIWGPタイトルに挑戦しますか?」という問いに対し、「今はそこまで考えられない」と答えるに止まった。
しかし、コンディションが回復すれば、必ず何らかのアクションを起こしてくるはず。あるいはこの消極的な発言や、サイモン社長への賛辞そのものが、フェイクという可能性すらある。果たして、蝶野選手の次なる標的は何なのだろうか……?