メインイベント(第8試合)は“鈴木軍ファイナル”として、鈴木みのる&ランス・アーチャー&エル・デスペラード&TAKAみちのくvsザック・セイバーJr.&タイチ&金丸義信&DOUKIの同門8人タッグマッチが実現。
鈴木は12.14仙台にて、2023年はメンバーそれぞれが新しい旅に出るとし、衝撃の鈴木軍解散を宣言。2011年5月から始動し、幾多の激闘を繰り広げてきた鈴木軍。その11年以上にわたる歴史にピリオドを打つ戦いで、それぞれが思いをぶつけ合う。
鈴木軍はそれぞれ一人ずつ入場。タイチはアイアンフィンガーの入ったサコッシュと共に花道を進む。最後に鈴木がリングに入り、全員のコールが終わると場内は拍手に包まれる。
先発は鈴木とタイチ。鈴木はチョップ合戦を要求。するとタイチは強烈な逆水平チョップ。鈴木もチョップで応戦し、両者は激しい打撃戦を展開。
続いて鈴木がエルボー、タイチがローキックを繰り出していく。そして一旦距離を取ると、鈴木は強烈なエルボー。だが、タイチはソバットからミドルキックをお見舞い。
すると鈴木はエルボーを食らわすが、タイチはフロントキックでダウンを奪う。鈴木はすばやく立ち上がり、同じフロントキックでダウンを奪い返す。ここでダブルダウン状態に。
次はデスペラードと金丸のマッチアップ。デスペラードはショルダータックルで吹っ飛ばすが、金丸は技の読み合いからヘッドロックで捕獲。デスペラードは切り抜けるも、金丸はしつこくヘッドロックで捕らえる。
ヘッドロックを巡る攻防は、金丸がリード。続いて金丸&DOUKIがデスペラードにトレイン攻撃を狙う。しかし、デスペラードは切り抜け、同士打ちを誘うと、金丸を場外に追いやる。
デスペラードはDOUKIを自軍コーナーに運び、TAKAとスイッチ。DOUKIはエルボーを連発するも、TAKAはサミング。DOUKIもティヘラで応戦するが、TAKAは回避。
しかし、技の読み合いから、DOUKIはイタリアンストレッチNo.32。だが、TAKAも切り抜けてジャスト・フェイスロックで捕獲。
DOUKIは丸め込みで返すと、そこからイタリアンストレッチNo.32に連携。だが、TAKAは切り抜けてトランスレイヴをお見舞い。
DOUKIは地獄突きを繰り出すが、TAKAはスーパーK。しかし、DOUKIがラリアットでなぎ倒す。
次はアーチャーとザックのマッチアップ。両者は胸を突き合わせると、ここでザックが力比べを要求。すると、アーチャーは手を高く上げて挑発。
ザックは手四つで組み合うと見せかけ、離れてニヤリ。そしてアーチャーの攻撃をかわしてエルボーをお見舞い。アーチャーが笑みを浮かべると、ザックはエルボーを乱打し、ロープへ。するとアーチャーは強烈なショルダータックル。
そしてアーチャーはサーフボードストレッチを決めるが、ザックは巧みな動きで切り抜けてコブラツイストの体勢に。
だが、アーチャーはヒップトスで切り返し、チョークスラムを狙う。しかし、ザックは三角締めで切り返す。
するとアーチャーはチョークスラムで持ち上げるが、ザックは相手の左腕を捕らえ、そこ目掛けてオーバーヘッドキック。そしてロープに走るも、アーチャーは追走してジャンピングクロスボディ。
スイッチした鈴木は、ザックにストンピングを連発。そして膝蹴りからフロントキックを食らわせ、さらにフライングメイヤーからサッカーボールキック。
ザックはその蹴り足を捕らえて足関節を狙うも、鈴木はすばやく脱出。ここから両者はエルボー合戦に突入。続くロープワークの攻防ではザックがコブラツイストへ。しかし、鈴木は髪をつかんで回避し、逆にコブラツイストで捕獲。
だが、ザックは脱出してオクトパスホールドの体勢に。これを鈴木は切り抜け、アンクルロックで捕らえる。ザックも回避し、技の読み合いからヨーロピアンクラッチ。
鈴木はカウント2ではね返すと、胴締めスリーパーで捕らえる。そして鈴木はスリーパーから一気にゴッチ式パイルドライバーを狙うも、ザックがこらえると、タイチが鈴木にアックスボンバー。
その鈴木にアーチャーがフロントキックをお見舞い。すると金丸がアーチャーに突進。アーチャーはチョークスラムで切り返そうとするが、金丸がアーチャーの顔面にウイスキーミスト。そして膝に低空ドロップキックを食らわせ、顔面に追撃の低空ドロップキック。
今度はデスペラードが金丸にバックドロップ。そしてDOUKIに突進するも、DOUKIはキックで迎撃し、エプロンからデスペラードにデイブレイクを炸裂。
そのDOUKIにTAKAがフロントキック。すると、ザックがTAKAにザックドライバーを狙う。こらえたTAKAはサミングからみちのくドライバーIIの体勢に。
ザックは切り抜け、TAKAにフライングメイヤーからネックツイストをお見舞い。ここでリング上は8人がダウン状態に。
鈴木は立ち上がると、ザック、タイチにストンピング。さらに敵味方関係なくアーチャー、デスペラード、DOUKI、金丸にもストンピング。
これをTAKAが止めようとするも、鈴木ははねのけ、さらにストンピングを続行。またもTAKAが止めに入ると、鈴木は顔面に張り手。するとTAKAがスーパーKをヒット。
続いて鈴木はフラフラしながらも、DOUKIに張り手。するとDOUKIはエルボーの連発から、ラリアットをお見舞い。
鈴木はダウンをこらえると、今度はデスペラードをにらむ。デスペラードはロコ・モノを叩き込むが、鈴木は気力を振り絞り、膝はつかない。
今度は金丸がフロントキックを連発。さらにドロップキックで吹っ飛ばすが、鈴木はまだ持ちこたえる。
だが、アーチャーが豪快なタックルで鈴木を吹っ飛ばす。すると鈴木は笑いながら立ち上がり、タイチに「来てみろよ、オラ! 小汚ねえツラしやがって!」と挑発。
タイチはこみ上げるものがあるのか、攻撃を躊躇。だが、意を決するようにアイアンフィンガーを装着する。レフェリーが止めに入るも、鈴木は引き離し、「来い、タイチ!」と叫ぶ。するとタイチはアイアンフィンガーフロムヘルを炸裂。これで鈴木は前のめりに倒れる。場内は手拍子で「鈴木」コール。
すると、ザックは鈴木を引きずり起こし、「サンキュー、スズキ!」と叫んでからザックドライバーを炸裂。この一撃で鈴木から3カウントを奪取した。
金丸「まあこれで一区切りだ。次はどうするかな? このいい酒を飲める所に行きてえよな」
タイチ「酒ばっかだな」
金丸「酒しかねえよ」
タイチ「知ってるよ(笑)。クリスマスも酒か?」
金丸「クリスマスも酒だよ。酒しかねえもん。一人でな。あっ、一人じゃねえよ」
タイチ「ああそうそう、25日。YouTubeの宣伝だ」
金丸「タイチとYouTubeをクリスマスにするから」
タイチ「ラストノブおじと飲み会だよ」
金丸「楽しいか?(笑)。どうなんだ?」
タイチ「オヤジ二人でな、視聴者のエピソードを電話で聞いて答えるっていう」
金丸「そうなの? 聞いてねえよ、それ」
タイチ「適当にやってくれよ。ラスト飲み会だよ、俺らの」
金丸「そうだな。最後か。ビシッと決めるか」
タイチ「来年どうする?」
金丸「来年?」
タイチ「さっきアイアンフィンガー獲られたんだよ、また飯塚に。持ってかれた」
金丸「聖帝ツアーあるんだろ? それに俺を呼んでくれよ」
タイチ「いやメンバー入ってないから」
金丸「入れてくれよ(笑)」
タイチ「だって、来年から違う所に行くかもしれねえじゃん(笑)」
金丸「とりあえずそこは入れてくれよ(笑)」
タイチ「ちょっとローソンさんと話するし(笑)」
金丸「いや、ローソンさんもいいって言うだろ」
タイチ「だって来年も一緒か分かんねえじゃん」
金丸「そうだけど、とりあえずやろうぜ、そこは」
タイチ「保留しとく(笑)」
金丸「なんでだよ! 前向きに考えておいてくれよ。オイ、分かったな?」
タイチ「まあとりあえず25日」
金丸「オオ、25日な。(帰り際に)肝臓準備しておくから」
タイチ「(金丸を見送ると)いやあ、今日終わったね。どんな気持ちになるかなと思ったけど、なんか分かんない。悲しいでもないし、嬉しいでもないし、なんかこの感情は……。まあ11年間ビッシリ一緒にいたのは俺だけだったし、本当にいろんなことがあったなって。今はすぐに思い出せないけど、またYouTubeの方でゆっくり振り返りをやろうかなと思っている。まあ今日の夜もこれからやるけどな、感想。今のところは何とも言えねえな。まあとにかく11年間楽しかったし、ありがとうしかないよ」
──タイチ選手にとって鈴木軍というのはどういったものだったんですか?
タイチ「俺にとって鈴木軍? 俺にとって鈴木軍の11年……そうだな? 俺にとって11年間、鈴木軍としての11年間は愛を捨てた11年間だったかもしんねえな」
──ということは、これからその愛を取り戻すために……?
タイチ「愛って何だろうな? じゃあ、俺は来年から愛を取り戻す旅にでも出ようか? 真実の愛を見つけに。11年間、愛を忘れた旅、ありがとうございました。じゃあな鈴木軍、またどっこで会おう! またそのへんの道端で飲むかもしれねえし。来年から一緒にやるヤツ、バラバラにやるヤツ知らねえけど、俺たちは俺たちだ。ずっと鈴木軍だったってことは変わんねえから。誰も喧嘩したわけじゃないしね、来年もリング上かどこかで会おう。この後YouTubeやるぞ! じゃあな!」
ザック「6年前、俺は一大決心をした……。多くの外国人レスラーにとって彼らの夢はWWEに上がること。俺にとっては常にニュージャパンだった。6年前、俺はWWEかニュージャパンのどちらかを選ぶ決断を迫られた。俺はミノル・スズキがスズキグンに招いてくれたからニュージャパンを選んだ……。それ以外にも理由はあったが……。プロレスリング・ノア時代の1年間はスズキグンが俺にとって目障りだった。物事は変わるものだな。俺がスズキグンに入ったのは俺のプロレス人生でもっともベストな選択だった。さっきリングでも言ったけど、単なるチームじゃない、家族なんだ。
特にこの3年間は……メンバーのみんなが毎日俺が無事にやってるかチェックしてくれたよ。みんなは家に帰ってもいいって言ってくれたけど、俺はここにいたくて居たんだ。だって俺はずっとニュージャパンに上がりたかったんだから。今日は2倍の意味で感情的な日だ……。内に秘めておくことはできない……。今日はスズキグンの解散だけではなく、デンジャラステッカーズ解散の日でもある。タイチは誰にとっても最高のタッグパートナーだ。タイチはいつも自分が俺の足手まといになってるなんて言ってたけど、違うよ。俺がタイチにとって足手まといになってたんだ。
俺はデンジャラステッカーズとしてどうしても証明したいことがあった。それはファンのためではなく、タイチのため……。タイチが世界の最高のレスラーの1人であるということだ。特に今年はKOPWを通してタイチの凄さがよくあらわれていた。タイチ、お前は俺のようにIWGPのシングルに挑戦するべきだよ。それぞれ別に、でも一緒に。タイチ、サンキュー。アリガトウ。デンジャラステッカーズ、サンキュー。スズキ・ミノル……俺をスズキグンに入れてくれてありがとう。それからほかのメンバーみんなも、アリガトウ。でも、俺は6年もやってきたのにまだ1度もシングルのベルトを巻いたことがない。だから、それはこれから変えていかないといけない……。2023年は新たな幕開けだ。いま俺の頭にあるのはシングルの王座だけだ」
DOUKI「リング上でも言った通り、俺は鈴木軍としてのキャリアが一番浅い。でも、たった3年半かもしんねえけど、俺にとっては凄く濃い3年半だったよ。ザックさんが言ってた通り、鈴木軍はチームじゃない、家族だって。なんか分かる気がするよ。俺はメキシコで一人でずっとフリーでやってきて、だからなんて言うのかな?
こうやって鈴木軍のメンバーと一緒にいて、今までにない感覚があった。正直言えば、これで鈴木軍が解散って現実的な感じがしないんだよな。不思議な感じだよ。でも、これから俺は俺で自分の道を進んでいくよ。鈴木軍最後のメンバーとして誇りを持って進んでいくよ。ありがとう」
デスペラード「ハッハッハッハ! (帰ろうとするTAKAを見て)あれ、TAKAさん、喋らないんすか? 最後っすよ? (TAKAに向かって)リング上で普通に泣いてましたからね」
TAKA「いやあ、泣いてたね。まあリングで言った通り、ボスが、鈴木みのるがいたから俺はここまでやれたと思うし、いろいろあったけどこのリングで生きてこれたと思う。他にもデスペやランス、ザック、タイチ、DOUKI、ノブさん、こんなチームは俺のレスラー人生でもこの先ないかもしれないけど、次会う時はどうなってるか分かんねえけど、味方なのかもしんねえし、敵なのかもしんねえけど、まあレスラーはどっかで出会うだろうから、その時は全員ぶっ倒すつもりでやってやりますよ。(ランスに向かって)サンキュー・ランス!(と言って、ランスとデスペと拳を合わせてから、先に控室へ)」
デスペラード「息合わねえなあ。湿っぽいの大嫌い。最後飯塚が来てくれて、ぶっ壊してくれたんだよな。あの空気だぜ。あれが鈴木軍だ。なくなったってよ、どこのリングでも会えんだからよ。次、何しよっかな~?」
アーチャー「スズキグンは俺のプロレス人生の中で大きな存在だった…。だが、ここ数年あることが俺をイラつかせていた…。俺はこの世界で然るべき形で働いた。俺は誰にも媚びず、暴れてきただけだ。バックステージで(上層部に気に入られようと)駆け引きしたりなんかもしてねぇ。それで俺が何を得たって言うんだ!? 何もだ! こんなのウンザリだ! 俺の実力や可能性は、みんな知ってるだろ! だから俺がアメリカに、AEWに帰ったときに、俺を弄ぶのはやめてくれ!
俺というモンスターを鎖から放してくれ! 俺がこの世界でできることをやらせてくれ! 誰かがこのツケを払わなけりゃいけないんだ。こんなのウンザリだ。こんなときに悪態をついて、怒り狂ってしまってすまない。俺はずっと、多くの戯言に耐えてきたんだ! 俺はこの世界でトップに立たなければいけない! 長年俺は、脇役でいた! それは新日本でもAEWでも同じ、脇役だ! だが、それももう終わりだ! 俺はすべてを変えて、お前らにぶつけてやる! これは俺の時間だ。お前ら(上層部)の決断を待つのはもうゴメンだ。モンスターを解き放たせてくれ」
鈴木「とりあえず年内一杯と言ったけど、(鈴木軍の旗を折って自分のタイツの中に入れながら)今日で鈴木軍は営業停止だな。これからそれぞれがそれぞれの道を行く。あっちへ行くヤツ、こっちへ行くヤツ、俺自身あっちだこっちだって行くかもしれない。だけどな、これだけは決まってんだよ。これだけはハッキリしてんだよ。
俺はな、後にも先にも、鈴木軍作った時も、なんなら俺がプロレスラーになった時も、いやいやいやいや俺が生まれた時から、IWGP! そのベルトを俺は手にするまでプロレス辞められんねえだよ。だからよ、プロレスにこの腕、この足、俺の命捧げてやらあ。くれてやるよ。オイ! IWGP、俺と勝負だ。オイ、まだまだ続くぞ! まだまだ続くぞ! オイ、ジジイだ? 年取ってる? だからどうした! 年取ってるその分、強えんだよ! 見たら分かるだろ? その分、(指で頭を突きながら)ここも冴えてんだよ。どこぞの動けなくなったベテランと一緒にするな。
オイ、オマエら、俺がどんな生活してるか知ってるか? どんなふうに生きてるか知ってるか? 何のために飯食ってるか知ってるか? 全てプロレスのためだぞ! オイ、プロレスで生きて生きて生きて生き続けて、その途中にIWGPがある。俺は必ずあれを獲るぞ! 言ったろ? 俺が予約済みのベルトだ。あのベルトができた時から俺の名前が刻まれてる……。終わり」