7.20後楽園ではプロレスリング・ノアの原田大輔と、1回戦屈指の好勝負を展開した田口隆祐。2回戦の相手は現GHCジュニアヘビー級王者の金丸義信。ベテランの実力者を相手に、8.20有明でも“田口ワールド”が炸裂するか?
■原田選手は“硬い、太い、黒い”の三拍子。2回、3回とやりたくなる
——7.20後楽園での1回戦は、田口選手の独特なファイトスタイルと原田選手の武骨なファイトが融合した、大会屈指の好勝負となりました。
田口 自分もやっていて、とても気持ちがよかったです。なんなら2回、3回とやりたくなるくらい。じつは大会前に札幌(7.18『G1 CLIMAX』開幕戦)で飲みすぎてしまい、試合前はまだ身体が重かったんですけど、試合後は非常にスッキリしたというか。なんなら、試合後のほうが元気でしたね。これは原田選手にデトックス作用があったんじゃないか、と。
——なるほど(笑)。試合に関して、新日本vsノアの対抗戦という意識はありましたか?
田口 いや、それはあまりというか、全然なかったです。原田選手が1回戦について語っていたインタビューに、「ノアが一番だと証明する」と書いてあったので、「じゃあ、自分は新日本は背負わずにいこう」と(笑)。いつもどおりの自分をさらけ出す、個人の戦いでした。
——たしかに“田口ワールド”全開で、そんな田口選手を原田選手は戦前から“クセ者”と警戒していました。
田口 なので、あえて入場ではスカしたというか、まじめに登場しまして。そうしたら、実況で「入場は意外とふつうだ〜!」と言われるという(笑)。いったい、どんな格好で出てくると思われていたのか、と。
——対する原田選手はゴング前の握手も拒否するなど、対抗意識メラメラで。
田口 そこは「そう来なきゃ」って思いました。実際、原田選手は強敵でしたね。最初に巻投げを食らった時点で、「これは気を引き締めないとヤバいな」と。小柄なんですけどパワーがあって、基礎も凄くしっかりしていると感じました。
——原田選手は田口選手の脱力ポーズや「オヤァイ!」ポーズを阻止するなど、“田口ワールド”を断固拒否していましたね。
田口 はい、ことごとく定番のヤツを潰されまして。でも、だからこそお客さんにも興奮してもらえたのかなと思います。ただ、ああいった一直線に真っ向から来るファイトスタイルは個人的には好きなので、なんとか攻略できたかな、と。
——勝因としては、原田選手の得意技である片山ジャーマンをしのいだのは大きいのでは?
田口 そうですね、それだけは食らわないようにして。ただ、ニーアッパーですか? あのヒザは強烈でした。まあ、試合後に思わずひさびさにタグダンスをやったのも、ギリギリ勝てた爽快感ゆえというか。本当、原田選手は“硬い、太い、黒い”の三拍子が揃った、いい選手だと思いましたね。2回、3回とやりたくなるくらい、フフフ。
——とにかく充実した一戦だった、と(笑)。試合後には原田選手が立てた人差し指を、自分の手をオーマイポーズのかたちにして、そこに入れさせる場面も見られました。最後の最後で田口ワールドに引き込んだというか(笑)。
田口 はい、ズッポシ入れていただいて。きっと、熱く交わうことでわかりあえたんだと思います。“ズッポシオーマイ”をしてくれたということは(笑)。
■決勝で一番やってみたいのはあべみほさん
——田口選手は今回、『SUPER J-CUP』は09年に続いて2回目の出場ですが、大会自体にはどんな印象をお持ちですか?
田口 自分、ファン時代にみちのくプロレスさんが主催した第3回大会を、仙台市体育館まで観にいったことがありまして。1回戦で真壁(刀義)さんvsグラン浜田さん、ライガーさんvsタイガーさんというカードが並んでいたのを覚えています。まあ、そのときは怨霊さんが目当てだったんですが。
——それもまた意外というか(笑)。
田口 いや、自分は新日本しか観ていなかったので、ちょっと気になって。怨霊選手が激しく動くたび、身体から白い粉が舞っていたんですけど、『SUPER J-CUP』といえばそのイメージが強いですね(笑)。
——では、田口選手の心境として、前回出場した09年と今回を比べて、何か違いはありますか?
田口 前回は若さゆえの「やってやる!」っていう気合が空回りしたんですけど、いまはキャリアを重ねてそういう気持ちもなく。
——よくいえば余裕が出てきた、と?
田口 そうですね、初めての選手との戦いを楽しめるというか。なので、2回戦も期待したいですね。金丸選手はタッグだと『ALL TOGETHER』(2011年8月27日開催、新日本&全日本プロレス&ノアによる復興支援チャリティー興行)で当たってはいるんですけど、ほんの少し触った程度なので。
——戦前、田口選手は金丸選手のことを“極上のマットさばき”と表現されていましたね。
田口 はい、極上のテクニシャンという印象です。自分がどんなふうに転がされてしまうのか、と。「オウッ、オウッ、どうなってるのコレ? ウワッ、ウワッ、こうなってるんだコレ!」みたいな(笑)。
——とにかく凄いぞ、と(笑)。相手は現GHCジュニアへビ−級王者でもあります。
田口 それはもう、ノアジュニアのトップということですから。今回はチャンピオンのマットさばきを堪能する旅だと思って臨みたいな、と。
——マットさばき堪能の旅(笑)。金丸選手は、田口選手にとっては「オーマイ&ガーファンクル」が登場するきっかけになった鈴木軍ジュニア所属なんですよね。
田口 はい、1回戦も(エル・)デスペラードがちょっかいを出していて。ちょっと、“3P対策”を考えないといけないですね。あとは勝てば一日3試合ということで、そこも心したいな、と。でもまあ、自分は一日3回くらい軽いというか、5回、6回はできるので(ニヤリ)。でもまずは一発目ですよね、一発目をどういくか、これは大切です。
——勝った場合、準決勝はマット・サイダルvsウィル・オスプレイの勝者と対戦することになります。
田口 この試合も読めないですけど、オスプレイだったら今年の『BEST OF THE SUPER Jr.』の決勝の再現なのでリベンジしたいな、と。でも、どっちが上がって来ても準決勝は厳しい戦いになりそうですね。
——では、対抗ブロックから優勝決定戦に上がってくるのは誰だと思いますか?
田口 そうですねえ……。個人的に上がってきたら一番イヤなファイトスタイルは拳王選手ですかね。あの蹴りはきつそうなので。まあ、決勝で一番やってみたいのはあべみほさんですか。
——それはタイチ選手ということですよね(笑)。
田口 はい、タイチが上がってくるのが、個人的には一番具合もよろしいか、と。6月の鈴木軍興行で当たったときに因縁も生まれたので、ぜひ“セイシ”を賭けるような戦いをしたいなと思っています。あべみほさんの色仕掛けに対抗して、ぜひ“セイシ”を賭けるような戦いをやります。まあ、この夏は“一人『G1』”もありますけど、一人のあとは二人、三人を楽しみたいですね。デスペラードは願い下げですけど、あべみほさんとならば。
——とにかく、あべみほさんだ、と(笑)。では、最後にファンへのメッセージをお願いします。
田口 そうですね、自分は特別に何も背負わず、団体はクッシーに背負ってもらって(笑)。いつもの田口隆祐らしく、“69%”の力でがんばりたいと思います。
■『SUPER J-CUP 2016』<SUPER J-CUP 2016決勝トーナメント>
8月21日(日)13:30開場 15:00試合開始
東京・有明コロシアム
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※当日券は11:00より発売!
※「ロイヤルシート」「アリーナA」「アリーナB」が完売となりました。
※「スタンドA」が残り僅かとなりました。