10月11日、新日本プロレス事務所にて、10月10日『DESTRUCTION’11』の一夜明け会見が開かれ、IWGPヘビー級王者・棚橋弘至選手、菅林直樹社長が出席。
10月22日開幕の『G1 TAG LEAGUE 2011』、11月12日に大阪で開催される『POWER STRUGGLE』の対戦カードが発表され、棚橋vs矢野通のIWGP戦が正式決定した。
棚橋選手は、『DESTRUCTION’11』で内藤哲也選手との激闘を制し、同王座の防衛記録を8に伸ばした。しかし、その直後、矢野選手の襲撃を受けて大切なベルトを持ち逃げされてしまい、怒りが爆発!矢野通への報復とベルト奪回を誓った。
しかし、この日の棚橋選手は、「ムリに取り戻さなくてもいいと伝えました。リング上でしっかりと決着をつけて、しっかり取り戻したいと思います」など、敢えて感情を抑えた冷静なコメントに終始。
その一方で、「『G1(CLIMAX)』(8月13日)でカチ割られた額の傷の借りもあるんで、全部まとめて返します」と宣言し、「キチッとしたプロレスの闘いの中で勝つことが、(矢野にとって)一番悔しいことだと思う」と、完勝を約束した。
だが、その傍らに“私物”とまで言っていいほど愛着を持つベルトはなく、記者の要望に応えた“エアベルト”のポーズも、どこかむなしい印象となった……。
■菅林社長のコメント
菅林「IWGPインターコンチネンタル王座、Jr.タッグ王座が流出するなど、波乱が続いた昨日の両国大会でしたが、最後はしっかりと棚橋弘至選手と内藤哲也選手が締めてくれました。10月22日後楽園ホール大会から開幕する『G1 TAG LEAGUE』のブロック分け、ならびに全カードが決定いたしました。開幕戦から棚橋組と中邑組、天山組と真壁組、バッドインテンションズと鈴木軍が公式戦で激突いたします。どうぞご期待下さい。また、10月15日に岩手県宮古市で行なうチャリティー大会、翌16日に行う山形大会の全カードも決定しました。そして、11月12日大阪府立体育会館で行われる次回ビッグマッチ『POWER STRUGGLE』の一部カードも決定いたしました。田中将斗と後藤洋央紀のIC選手権、プリンス・デヴィットとTAKAみちのくのJr.(ヘビー)選手権、リチャーズ・ロメロ組とタイガーマスク・KUSHIDA組のJr.タッグ選手権を決定といたします。そして、IWGPヘビー級選手権に関してですが、こちらに関しては王者・棚橋弘至選手のほうからコメントをいただこうと思います(※ここで棚橋が登場)」
■棚橋選手のコメント
棚橋「昨日、内藤戦を終えて、8回目の防衛に成功して、そういう余韻、一番充実感にひたれる時間に、矢野通にベルトを奪われて、心底腹が立ちましたけど、会場に来てくれたお客さんに笑顔になってもらって帰すということで、エアギターもやりましたし、『愛してます』と言いました。ホントに、昨日はリング上で様々なことを思っていたんですけど、IWGP実行委員会には『ベルトはムリに取りも戻さなくていい』と伝えました。ベルトの持つ重み、俺は十分わかってるし、ムリに取り返しても矢野は何回でもやる男だから。リング上でしっかり決着をつけて、ベルトはしっかり俺が取り戻します(キッパリ)。そして、昨日、リング上に永田(裕志)選手も上がってきて、握手までしたんで。矢野の闘いの先には、(IWGP防衛)記録保持者・永田裕志との闘いは見据えています」
——10日の試合後は、かなり興奮していましたが、いまは落ち着いた?
棚橋「ウン(と大きく息をついて)。一晩たって、『あんなマヌケな状況はなかったな』と思って。内藤と限界まで闘って、ようやく戻ってきたベルトを奪われて、ベルトがないまま会場を締めないという状況の中で、ホントに『どうしたらいいんだ!? どうしたらいいんだ!?』と思いながらマイク掴んでしゃべってましたけど、どういう状況であっても、事態を収束に向かわせるのが、エース・チャンピオンの役目なんで。しっかり矢野にはわからせてやります」
——では、試合ではそれなりの手段を考えている?
棚橋「う〜〜ん、“ラフにはラフで”という考えもあるんですけど、矢野の心を折って、一番矢野の悔しい形で俺が勝ちたいと思います。それは彼の得意分野でももちろんそうなんですけど、やっぱりキチッとしたプロレスの闘いの中で俺が勝つことが、一番悔しいことだと思うんで。この『G1』でカチ割られた額の傷の借りもあるんでね(と前髪をあげて額の傷を見せる)。全部まとめて返します」
——矢野選手の無法行為に対する警戒は?
棚橋「額割られて流血しても、イスでブン殴られても、ベルトへの思いというのは負けないし。それさえあれば、どんな状況でも心は折れないんで。どんな闘い方で来ても、必ず上回って勝ちます」
——棚橋選手の中では、『G1』のときと今回、どちらが重たいですか?
棚橋「昨日のほうが断然重たいですね。試合後というのは、俺も含めて会場のみんなが余韻にひたってほしいときなんですよね。そういうレスラーにとって一番大切な時間を壊されたし、何よりあそこの状況で(リングに)上がって来てくれた永田選手も、非常に気の毒だったし。(矢野は)ホントに“100年に1人の悪党”ですね」
——最悪の場合、11月12日大阪のタイトルマッチまで、ベルトを巻けないという可能性もありますが?
棚橋「まあ、どうなるかわかんないですけど……『TAG LEAGUE』中に取り返すのか……?どうなりますかね、社長?」
菅林「うーん……。まあ、任せます。チャンピオンに」
棚橋「まあ、矢野も“ベルトを持つことの意味”っちゅうか、持っている時点でベルトの重みに潰されないように。ひょっとしたら、『TAG LEAGUE』に『ムリでした』って返上しに来るかもしれないですからね。ただホントに、わかりやすい形で、しっかり試合で認めさせて取り戻したほうが、俺がスッキリするんでね。それまでは、様々な状況を溜めて、怒りに変えて、エネルギーに変えて、闘っていきます」
——内藤戦はファンも満足する内容でしたが、自身で振り返っての感想は?
棚橋「現時点で、試合内容は凄く満足していますね。僕が想定していた内藤哲也というものを、遥かに超えてきたんで、闘いながら『コイツは底が知れんな』というふうに思ってましたし。初挑戦であそこまでやられたら、『俺以外の選手もウカウカしてられないな』って、ホントに思ったし。ただ、エースとして、チャンピオンとして責任を感じるのは、もっと多くの人にこの試合を見てほしかったし、それが悔しいです。ただ、そういうときこそ、選手はがんばって、よりいい試合を見せて、次に繋がる大会・試合を見せていかないといけないという思いがあったし。昨日は、ホントに、新日本プロレスが一歩前に進んだ大会だったと言い切れます」
■『POWER STRUGGLE』
●11月12日(土)18:00〜
大阪・大阪府立体育会館
★チケット情報/★カード情報
【決定済み対戦カード】
60分1本勝負
IWGPヘビー級選手権試合
(第56代王者)棚橋弘至vs(挑戦者)矢野通
※9度目の防衛戦
60分1本勝負
IWGPインターコンチネンタル選手権試合
(第2代王者)田中将斗vs(挑戦者)後藤洋央紀
※初防衛戦
60分1本勝負
IWGP Jr.ヘビー級選手権試合
(第62代王者)プリンス・デヴィットvs (挑戦者)TAKAみちのく
※初防衛戦
60分1本勝負
IWGP Jr.タッグ選手権試合
(第29代王者組)デイビー・リチャーズ&ロッキー・ロメロ
vs
(挑戦者組)タイガーマスク&KUSHIDA
※初防衛戦
30分1本勝負
スペシャルシングルマッチ
天山広吉vs小島聡
■『NEW JAPAN LIVE in YAMAGATA』
10月16日(日)16:00〜
山形・山形市総合スポーツセンター・第二体育館
★チケット情報/★カード情報
■『G1 TAG LEAGUE 2011』
●10月22日(土)18:30〜
東京・後楽園ホール(※開幕戦)
★チケット情報/★カード情報
●10月23日(日)16:00〜
埼玉・久喜市総合体育館
★チケット情報/★カード情報
●10月24日(月)19:00〜
栃木・ニューサンピア栃木
★チケット情報/★カード情報
●10月26日(水)19:00〜
千葉・千葉ポートアリーナ・ブアリーナ
★チケット情報/★カード情報
●10月30日(日)16:00〜
愛知・西尾市中央体育館
★チケット情報/★カード情報
●11月3日(木)16:00〜
群馬・ニューサンピア
★チケット情報/★カード情報
●11月4日(金)19:00〜
東京・ディファ有明
★チケット情報/★カード情報
●11月6日(日)18:30〜
東京・後楽園ホール(※最終戦)
★チケット情報/★カード情報
【写真:山本正二】