10月7日(金)、都内・後楽園ホールで開催された『ミル・マスカラス来日40周年記念試合 仮面貴族FIESTA2011 聖地伝説』に新日本プロレスのプリンス・デヴィットと4代目タイガーマスクが参戦。また、新日本プロレスの10.10両国国技館大会に参戦するウルティモ・ゲレーロも登場した。
デヴィットはダブルメインイベントの第1試合、ハヤブサのプロデュースマッチに登場。佐々木健介&エル・サムライという二人の新日本OBとトリオを結成し、天龍源一郎の双子の兄である大ハヤブサ、そして新崎人生&ザ・グレート・サスケのトリオと対戦した。
先発を買って出たデヴィットはサスケと対戦。回転エビ固め合戦、素速いロープワークを使った攻防からドロップキックを炸裂させた。続いて健介と人生の力強い攻防を経て、大ハヤブサとサムライの異色の対戦。必死にチョップを打ち込むサムライだが、大ハヤブサに効いている様子もなく、果敢に挑んだ力比べでも苦もなく捻られてしまった。
しかし、サムライは大ハヤブサからタッチを受けたサスケの後頭部に数発食らわし形勢逆転。続く健介がチョップ、健介ハンマーとパワフルな打撃技でサスケをいためつける。デヴィットもその勢いに乗って、サスケの左腕にアームロック。さらに健介ばりの強烈な逆水平チョップなどでサスケをいたぶり、試合の主導権を自軍に引き寄せた。
一方的な展開が続くかと思われたが、サムライがサスケにトップロープからのネックブリーカーを食らって、形勢をひっくり返される。続いて大ハヤブサの猛攻にさらされたサムライ。しかし、ここをデヴィットがカットすると、タッチを受けた健介が大ハヤブサとド迫力の逆水平チョップ合戦だ。
白熱する両者は大ハヤブサがグーパンチを叩き込めば、健介もラリアットで応戦と一進一退。健介は隙を突かれて、人生のダイビングショルダーアタックを被弾し、ピンチを迎えたかに思われた。しかし、人生に逆一本背負いで逆転。続くデヴィットが串刺しドロップキックで追撃だ。だが、続けざまに放ったダイビングフットスタンプをすかされ、逆にトラースキックを被弾。続いてサスケが登場し、捕まったデヴィット。
だが、デヴィットはサスケの長いアピール付きのダイビングエルボードロップをあっさりと自爆させる。そして、ドロップキックで場外に追い出すと、ノータッチのトペ・コンヒーロをお見舞いだ。続いて、人生がプランチャ、サムライがトペ・スイシーダ、さらに不恰好なフォームながら健介もプランチャを決めると、なんと大ハヤブサもエプロンからダイビングボディアタックを発射した。
リングに戻るとサムライがリバースDDT、ダイビングヘッドバットでサスケを追い込むが、人生が救出。サスケがその隙にサムライにサスケスペシャルX ver10.2 セグウェイ(物まね禁止)を決める。さらに大ハヤブサからもグーパンチとラリアットで追い詰められるサムライ。デヴィットも救出に向かうが、サスケに場外に追いやられ、先ほどのお返しとばかりにラ・ケプラーダを食らってしまう。その間に大ハヤブサがテキサスクローバーホールドでサムライをガッチリ。たまらずサムライがタップして、大ハヤブサ組が勝利を飾った。
■10月7日(金)『ミル・マスカラス来日40周年記念試合 仮面貴族FIESTA2011 聖地伝説』 東京・後楽園ホール
〔ダブルメインイベント第1試合/ハヤブサ・プロデュースマッチ〕30分1本勝負
◯ 大ハヤブサ&ザ・グレート・サスケ〈みちのくプロレス〉&新崎人生〈みちのくプロレス〉 (19分35秒 テキサスクローバーホールド) 佐々木健介〈健介オフィス〉&プリンス・デヴィット〈新日本プロレス〉&エル・サムライ
■佐々木健介&プリンス・デヴィット&エル・サムライのコメント
健介 「負けた。(サムライを叩きながら)唯一マスクを被っているのに」
サムライ 「絶対いけると思ったんだけど。絶対いけると思った」
健介 「いけると思った? もっとわかりやすく言ってみろ」
サムライ 「勝つと思って、勝てる自信があってやったんだから」
健介 「気持ちを抑えられないか? あのハヤブサっていうお兄ちゃんに」
サムライ 「ちきしょう!」
健介 「(デヴィットを指しながら)チャンピオンがいたのに」
デヴィット 「センキュー!」
健介 「今日は直接当たってないけど、ミル・マスカラス、ドスカラスは少年の頃から試合見ていて、燃え上がっていたから、そういう人たちと同じリングに立てたっていうのは凄く嬉しいなと思いますね。そして、今日の相手だけど、サスケと人生、あと大ハヤブサ。なんか天龍さんのお兄ちゃんらしいけど、あのチョップでメッセージを伝えられたかなって。11月の天龍さんの35周年記念興行への俺のメッセージを伝えられたような気がします。久々に良かったです。でも、面白いチームだよね。なあ、チャンピオン?」
デヴィット 「ストレンジ・チーム!」
健介 「ハハ! こうやって違う刺激を与えられるのは俺にとっても大きいことだと思うし、俺も25周年を迎えてこうやって新しい力、(サムライを指しながら)こっちはマスク被らない顔も知っているけどさ、言いたいことは『老ける歳じゃねえよ』ってことなんだろうけど、そういうキャリアの人間たちと盛り上がって、プロレス界をもっともっと熱くしていけたらいいなと思います。いつまで痛がってんだよ!(笑)。元気出せ!」
続いて、4代目タイガーはダブルメインイベントの第2試合、ミル・マスカラス来日40周年記念試合に登場。ドラゴンゲートのCIMA&ウルティモ・ゲレーロとのトリオで、マスカラス&ドスカラス&初代タイガーマスクと対戦した。
先発の4代目は因縁のドスカラスと対戦。かつて4代目はみちのくプロレス在籍時代に、『ふく面ワールドリーグ戦』の決勝戦でドスカラスを破り優勝したことがある。そのドスカラスの年齢を感じさせないテクニックに翻弄された4代目は、いきなりボーアンドアローに捕まってしまう。さらにコブラツイストに捕らえられた4代目。そこをCIMAがカットで救出するが、これにドスカラスが激怒! 場外にまで追いかけ、CIMAを叩きのめす暴れっぷりを見せた。その後、リングに戻ってきたドスカラスに対して、4代目はローキックを連打し、CIMAとタッチした。
しかし、ドスカラスの勢いは衰えない。反則殺法を使うCIMAをロープに振ると、すかさずフライングクロスチョップをお見舞いだ。続く初代タイガーも鋭いキック攻撃でCIMAを追い詰める。だが、爆弾となっている左足をCIMAに攻撃されて悶絶。その後、それぞれゲレーロとマスカラスにタッチ。マスカラスも頭で倒立してのヘッドシザースでゲレーロを翻弄。フルネルソンからボディシザースでいためつけてから、華麗なアームホイップを連発したのだった。
ここで再び4代目とドスカラスのマッチアップ。ゲレーロを呼び寄せ二人がかりで攻撃するが、ドスカラスの華麗なテクニックの前にまたもや翻弄されてしまう。4代目は風車式バックブリーカー、そしてフライングクロスチョップも被弾。勢いに乗ったドスカラスは場外に逃げたゲレーロにトペ・スイシーダをお見舞いした。
さらに初代タイガーもキック攻撃でCIMAを食らわすと、今度はマスカラスのフライングクロスチョップが炸裂! さらにマスカラスブラザーズのダブルのフライングクロスチョップがゲレーロ、4代目と連続で炸裂だ。
押せ押せのマスカラスはゲレーロ、CIMAの二人がかりのアームロックもブリッジワークで外すなど、神がかった強さを見せる。なんとかCIMAが捕まえたドスカラスにドロップキックを食らわし一矢報いた4代目。続いて、初代タイガーを迎えてのタイガーマスク対決! 師匠である初代が得意のグラウンドテクニックで4代目を攻め立てる。
さらにタッチを受けたマスカラスのアトミックドロップ、ブレーンバスターを食らい、メキシカンストレッチで固められてしまった4代目。なんとかCIMAの救出によって逃れると、マスカラスをようやく捕獲。タッチを受けたゲレーロがマスカラスをメキシカンストレッチに捕らえるが、すかさずドスカラスが救出。ドスカラスがピンチになると今度は初代タイガーが救出と、チームプレーが冴えている。
さらにパワーボムで初代タイガーを追い詰めたゲレーロを、マスカラスがフライングクロスチョップを食らわす。マスカラスは一旦はピンチに陥るがダブルラリアットで4代目とゲレーロを一蹴。ここでドスカラスがメキシカンストレッチでCIMAを捕獲。それを見た4代目がカットに入るも、すかさず初代タイガーのキック攻撃を食らい、卍字固めに捕らえられてしまう。そして、最後はゲレーロにマスカラスがダイビングボディアタック! 見事に3カウントを奪い、レジェンドマスクマントリオが勝利を飾った。
また全試合終了後には、ダブルメインイベントの第1試合をプロデュースしたハヤブサが、自らの足で階段を登ってリングイン。出場選手と記念撮影のあと、「このリングには夢がいっぱい詰まってます。お楽しみは、これからだーっ!」とマイクして、大会を締めた。
〔ダブルメインイベント第2試合/ミル・マスカラス来日40周年記念試合〕30分1本勝負
◯ ミル・マスカラス&ドスカラス&初代タイガーマスク〈リアルジャパンプロレス〉 (17分13秒 ダイビングボディアタック→片エビ固め) タイガーマスク〈新日本プロレス〉&CIMA〈ドラゴンゲート〉&ウルティモ・ゲレーロ〈CMLL〉
■タイガーマスク&CIMA&ウルティモ・ゲレーロのコメント
ゲレーロ 「3人の偉大なレスラーとやれたのは嬉しい。負けたのは残念だけど、またやってやるよ。今日は二人と組めたし、もう一回やる」
──CIMAさん、師匠のドスカラスとやりましたけど。
CIMA 「自分は試合前に挨拶に行かしてもらった時点で感無量でしたね。16歳の時にメキシコに行って、今WWEにいるアルベルト・デル・リオと一緒に一月半ぐらいトレーニングさせてもらったんですけど、その時のことをリング上で思い出して、タイムマシーンに乗って未来に来たような印象でした。あとは初代タイガーマスクさんと、マスカラスさんも2回目ですし、全然踏み込めない何かがありましたね。これがプロレスの聖域かもしれないですけど、そこまで俺は行きたいなというのがありましたね。全然見えない何かがありましたね、踏み込めない。でも、ウルティモ・ゲレーロとかメキシコのトップ中のトップが来てくれて、あとは新日本からタイガーさんに来てもらって、自分は単純に刺激になりましたね。これは日本じゃなくてもメキシコでも行きますし」
──タイガー選手、師匠とそして因縁のドスカラス選手と闘いました。いろんなモノが詰まっていたと思うんですけど。
タイガー 「フフン。今のボクの立場からしたら、情けないな、と。自分たちが正直、平均年齢何歳なのかわからないけど、その人たちに負けてしまったのがもの凄く悔しい。だけど、マスクを脱いだ一人の自分としてはもの凄く光栄なことですね。ボクは初めてドスカラスを見て初めてプロレスを見て、そのドスカラスとみちのくの頃にシングルでやって勝ったことがあって。ゴングが鳴った瞬間にドスカラスが『出てこい!』って(笑)。覚えてんのかよって(笑)。しつこいなと思いましたけど、あの人たちが築いてきたモノは相当なモノですし、今CIMAくんが言った通り、踏み込めない何かが当然あるんですよね。だって、現役のCMLLのバリバリのゲレーロがタジタジだったんだから。今度、マスカラス、ドスカラス、初代タイガーマスクっていうトリオが今度はいつやるのかはわからないし、あといつ日本に来てくれるのかわからないけど、もう一回やりたいね」
CIMA 「やりたいね」
タイガー 「悔しい。一人の人間としては悔しい。もう一回」
■ミル・マスカラス&ドスカラス&初代タイガーマスクのコメント
初代タイガー 「今日のマスカラスさんは凄かったです。ドスカラスさんも凄かったですし。ファンの一人でありましたから」
マスカラス 「今日の試合はどうでしたか? 皆さん、喜んでましたか? タイガーマスクさんのおかげでいい試合ができました」
ドスカラス 「素晴らしいレスラーなんで、我々は何でもできます。兄のマスカラスと佐山さんと一緒にできたことを大変喜んでいます」
──来日して40年でしたけど、40年経ってこうしてまたできることをどう思いますか?
マスカラス 「あと40年頑張るよ(笑)。いつもと変わらないよ」
ドスカラス 「節制してきたからこそ、今こうやっていられるんです。今ここにいられることを嬉しく思います」
──ドスカラスさん、弟子のCIMA選手と闘ってみていかがでしたか?
ドスカラス 「顔もいいし、レスリングもちゃんとしています。これからは彼が背負っていってくれるでしょう」
★撮影/写真協力:大川昇、DEPOMART
- 2011.10.8
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