中西&タイガーの2大王者が揃い踏み!/5月6日後楽園大会一夜明け会見
5月7日夕刻、前日の後楽園ホール大会でIWGPヘビー級王座初戴冠を果たした中西学選手と、IWGP Jr.ヘビー級王座3度目の防衛に成功したタイガーマスク選手が一夜明け会見に出席した。
まずは、菅林直樹社長が、6月20日大阪大会の対戦カードとして「IWGPヘビー級選手権試合 中西学vs棚橋弘至」と「IWGPタッグ選手権試合 ブラザー・レイ&ブラザー・ディーボンvsジャイアント・バーナード&カール・アンダーソン」の2大タイトルマッチを発表。続いて、タイガー選手、中西選手が昨日の激闘を振り返った。
■タイガー選手のコメント
「昨日の試合は、他の選手、ファンの方から怖かったという声を頂いて。プロレスの試合だから全てを成立させなければいけないというのはあるのですが、1人の人間として怒りが頂点に達してああいう試合になってしまったと思っています。ブラック・タイガーに関しては全く脅威も無かったし、とにかく潰してやると。試合が終わった後も公言していたように顔面を蹴っ飛ばしてやろうと思ったのですが、人がいいと言われればそれまでですが、負けてしまった選手にそこまでやる必要は無いと。結果的に(その直後に)デスバレーボムをやられてしまった。とりあえず、あの人との抗争は終わった訳では無いですが、すぐに『BEST OF THE SUPER Jr.』が始まるので、気持ちを切り換えて。ベルトを持っている以上、優勝という使命感を持ってシリーズに挑んで行きたいと思います。次の挑戦者は誰でも構わない。またブラック・タイガーが来るのであれば、今度は容赦しない」
■中西選手のコメント
「昨日はマスコミの皆さんに色々と質問をされたのですが、ベルトを取ってすぐなので、気の利いた事も言えませんでしたが……。これからも本音で思った事を言っていこうと思っています。昨日の試合を振り返ってみると、やはり棚橋の凄さというか、チャンピオンの栄冠に何度も輝いて、ああいうタイトル戦を何度も繰り広げて、凄く粘り強くなっているところがあって。彼の的確さ、自分の膝にはきたんですけど。何時でもタイトルマッチに挑める体調でいるつもりではいましたが、実際にやってみると試合運びも上手いですし、計算されているものもある。こっちとしては野性的なもので対抗しなきゃというところも出てきた。一番驚いたのは、グラウンドレスリング。最近は派手なスタンドでのぶつかり合いが中心となっていて、序盤にグラウンドをもって行かれて、いくらでもやっていけると思ったのですけど、完全に主導権を握られてしまった。アマチュアレスリング出身で、グラウンドが得意というのが強みだったのですけど、やってないとダメやいうのがあって。チャンピオン棚橋弘至に思い知らされたというか。棚橋とのリターンマッチに向け、残された時間を有効に使って。必ずや大阪ではグラウンドでも棚橋を上回って、必ず防衛したいと思います」
■マスコミとの質疑応答
——同じブロックで警戒する選手は?
タイガー「昨年、(プリンス・)デヴィットとやった時、(デヴィットが)開始早々に怪我をしてしまって。デヴィットも自分にはというのがあると思いますし、今、田口と組んで物凄くいい試合をしていますので、警戒したい。あと、開幕戦で(プロレスリング・)ノアの青木(篤志)選手と当たるのですが、(5月)5日の後楽園の試合を見ましたけど、物凄く闘争本能があって素晴らしい選手。彼に望むのは、自分を切れさせて欲しい。その上でシリーズを通しての闘い方、タイガーマスクの強さを教えたいと思います。Bブロックは、飯伏(幸太)選手。物凄く軽快で蹴りも素晴らしい。大穴というよりは本命として上がってきて欲しい。凄く闘ってみたいですね。とにかく充実しているメンバーなので楽しみです」
——昨年はスーパータイガーのスタイルで闘ったが、今年は?
タイガー「僕は同じ事をするのが好きじゃないので(苦笑)。試合当日、どういう風になっているのかは全く分からない。やはり、チャンピオンが優勝しなければいけないという責任感を持ってますので。気持ちを高めていくので、楽しみにしていて頂ければと思います」
——ノアとの対抗戦については意識するか?
タイガー「別に意識する事は無いですけど、進展する事が無いものに対してどうこう言うつもりは無いです。新日本プロレスのJr.のチャンピオンとしてドンと構えているだけですから。挑戦する人間がいるのであれば来て欲しい。それだけの事です」
——6月20日大阪大会も、グラウンドレスリングで勝負するのか?
中西「まぁ、この体ですから、スタンドで際立つものをお客さんに見せていく。決して、グラウンドでそういうものを見せられないという事でも無いですし。中西学のグラウンドを見せて行きたいと思います。そればっかりではなく、王者らしくないというか、常に挑戦者であるという形で挑んでいきたい。その姿勢は今も、チャンピオンになっていない頃も変わらない」
——タイトルマッチに向け、すぐに練習を始めるのか?
中西「本来なら休むのでしょうけど、気持ちが充実していますから、休む必要も無いかなと。もう1度下半身の方からしっかり鍛えていって、とにかく気持ちが一番大事。棚橋弘至の(試合後)コメントは短かったですけど、『絶対に取り返してやるんだ』という気持ちを感じましたし。こっちは(ベルトを)渡してたまるかという気持ちでいっぱいですから。気持ちが途切れるような事は無いですよ、6月20日まで。それ以降も無いとは思いますけど、この日を目指して調整していく。一番いい形で挑んでいくというのを、これから作り上げていこうと思います」
——ここ最近、棚橋戦の勝率がいいが?
中西「昨日の試合は別にして、(2007年、2008年と)2度『G1 CLIMAX』で勝ってますけど、その時の棚橋と昨日の棚橋は全く違いますから。そういう意味でも過去のデータは関係無いと思います。昨日はお互いを出し合うという中で、俺の方が出し切れたというので勝ったと思う。棚橋自体、俺の力を阻止するような事は全くしてなかったし、もちろん俺もそういう事をしなかった。棚橋は王者として、中西の持っているものを全て受け切って防衛してやるというのがあったと思います。はっきり言って、俺はそこまで余裕が無かった」
——ベルト奪取から一夜明けて理想の王者像は浮かんだか?
中西「昨日はチャンピオンらしくと言いましたけど、チャンピオンらしくないチャンピオンになると思います。常に最前線に立って挑戦者として闘っていきたい。技云々よりも気持ちと体だと思いますので。」
——昨日のフィニッシュは新技?
中西「大☆中西ジャーマンの時にいつもは押さえないんですけど、あまりにも綺麗に投げ切ったから、これはいけるなと。ここは普通のジャーマン(スープレックス)よりも、もうひと捻りと思って。『絶対に返すな』と思いました。とにかく何が何でもいくしかないというので、畳み掛けました」