棚橋が武藤との“夢の競演”で王道コンビに快勝! そして“春の祭典”への出撃を宣言!!/3月1日全日本両国大会試合結果
全日本プロレス
「2008 プロレスLOVE in 両国 Vol.4」
3月1日(土)
東京・両国国技館
スペシャルタッグマッチ
60分1本勝負
○武藤敬司
棚橋弘至
(21分06秒 シャイニングウィザード→体固め)
×太陽ケア
川田利明
=試合経過=
かつて武藤の付き人を務めていた棚橋。それから数年が経ち、IWGPヘビー級王座を2度戴冠するなど、文字通り新日本プロレスのトップとして、武藤の横に立った。対峙するのは元世界タッグ王者チームの“王道コンビ”川田とケア。
試合序盤、棚橋は川田を挑発し、執拗に食ってかかる。武藤とケアの攻防中に棚橋がリングインすると、これに川田も呼応。棚橋にニーリフト連打から場外に落として鉄柵攻撃、フロントハイキック。棚橋もエルボー連打で応戦するが、川田はこれを一蹴。
棚橋対ケアの場面、棚橋はフライングフォーアーム、フラッシングエルボー、サンセットフリップ、セカンドロープからのローリングセントーンと躍動感溢れるムーブでラッシュ。ケアは突進してきた棚橋をショルダースルーで場外に落とすと、棚橋は両腕でトップロープを掴んで逆上がりの要領でリングイン。すると、ケアは棚橋のバックを取って波乗りスープレックス。
タッチを受けた川田は棚橋の顔面にステップキック連打。そして串刺しフロントハイキックからストレッチプラムへ。これは武藤がカットすると、エルボー合戦から川田はミドルキック連打。そしてロープワークとなり、川田がカウンターのフロントハイキックを見舞えば、棚橋も逆襲のスリングブレイド。
スイッチした武藤は川田に低空ドロップキック、ドラゴンスクリューから足4の字固め。カットにきたケアに棚橋がドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールド。川田は自力でロープエスケープすると、バックの取り合いから武藤にオーバーヘッドキック。
武藤対ケアとなり、ケアは串刺しジャンピングエルボー、サンケアキックから変型のコブラクラッチ。カットにきた棚橋に、川田がストレッチプラムを極める。
武藤がロープに逃れると、ケアはバックドロップ。そして、川田も棚橋にバックドロップ。ここで武藤にトレイン攻撃からケアがTKO。これはカウント2。すると、ケアは肩で武藤を担ぎ、回避されると間髪入れずにタイガースクリュー。
劣勢の武藤だったがケアにシャイニングウィザード一閃。そして、棚橋が川田にロープ越しのドラゴンスクリュー、ケアをフルネルソンバスターから肩車する。そこへ、コーナー最上段から武藤がシャイニングウィザードを発射する合体殺法“シャイニングインパクト”が炸裂。
フォールは川田がカットすると、乱戦の中、武藤が川田に串刺しシャイニングウィザード、棚橋がケアにミサイルキック。そして、武藤がシャイニングウィザードからカバーするも、ケアはカウント1でキックアウト。
続くシャイニングウィザードをブロックしたケアに、武藤は延髄へのシャイニングウィザード。ダウンするケアへ棚橋がハイフライフローでダイブし、武藤がLOVEポーズからのシャイニングウィザード。大の字となったケアをピンフォールし、“夢の競演”を見事白星で飾った。
試合後、武藤はLOVEポーズを、棚橋は「愛してまーす」ポーズを競うように披露。最後は一緒にポーズを決めると、ガッチリと握手し引き上げて行った。
=試合後コメント=
武藤「隣に棚橋がいて、相手には百戦錬磨のケアと川田選手がいて、ちょっと自分が置いてきぼりにされているかななんて思ったけど、ここでくじけるか、もう一個前があるから目標に向けて頑張るか、言っている以上に紙一重でね。そんな中、今日はタナの肉体、動きにジェラシーを感じましたよ。ありがとうという事だな。次は『チャンピオン・カーニバル』もはじまる事だし、それに向けて気合い入れていくからよ。次は敵であるかも知れないけどな。とりあえず今日はありがとう!(ここで棚橋とガッチリ握手)」
棚橋「まぁ、色んな縁があって今日、このタッグになったんですけど。(武藤に向かって)どうですかね、俺は出来の良い付き人ですか? 出来の悪い付き人ですか?」
武藤「えっ……お客盛り上がってたじゃん。もう少し軽いヒールかと思ってたら、お客がホントに嫌いなヒールだな(苦笑)。いいんじゃないの。ただ、『愛してます』なんて言っても、周りは男ばかりで半分オカマに見えちゃうぞ(苦笑)」
棚橋「無差別の愛ですから。でも今回、武藤さんに迷惑をかけたなと。片や人気者で、片やブーイング、見てる人も難しいシチュエーションの中で、この後全日本にもし継続参戦するなら、俺にとってアウェイというのはアドバンテージですよ。まぁ、この先どうなるか分からないですけど、今日は全日本に“棚橋弘至の爪跡”をガッチリ残しました」
武藤「ある意味、今日のシチュエーションの中にタナが入って、波紋を投げかけてるからね。そういう風に言ったら、この波紋をいかに生かすかってのが俺らの使命だよ。もっともっと波紋を起こそうぜ。以上、(棚橋に向かって)サンキュウ!」
棚橋「川田選手、もっさりしてると思ったけど、動きはもっさりしてないな。ちょっと怒っているみたいだから。俺そういうの苦手だから。今年の目標は全ての頂点に立つ事、俺は全ての頂点に立つ男なんで、その全てには全日本プロレスも入ってます」
そして全試合終了後、小島聡を相手に三冠ヘビー級王座を防衛した佐々木健介と鈴木みのる、さらには川田、諏訪魔らが“春の祭典”「GAORA SPECIAL 2008 チャンピオン・カーニバル」(4月5日〜9日 後楽園ホール5連戦)へ向けてマイクで舌戦を展開。すると、スーツ姿の棚橋が颯爽と登場し、マイクで「チャンピオン・カーニバル」参戦を高らかに宣言。
歓声とブーイングが入り混じる中、バックステージへと引き上げてきた棚橋は次のようにコメントした。
棚橋「まぁ、やった事無い選手がいっぱいいて興味あったし、新日本に限らず全日本プロレスを支配するのも面白いかなと。なんか最後、諏訪魔選手がガチャガチャ言っててよく聞き取れなかったけど、俺(諏訪魔に向かって)なんて言ったと思う? 『俺のスーツが汚れるからそこをどいてくれませんか』。まぁ、今日はしっかりと手応えを掴んだし。(『ブーイングを浴びていたが?』)えっ、ブーイングですか? 僕には歓声にしか聞こえなかったですけど。可愛いオネェちゃんに耳ほってもらわないと。(『全日本の中で気になる選手は?』)あえて、そう言われるとなんかちょっと言いたくなくなる。あんまり俺以外に興味無いんで。俺は自己愛しかないんで。まぁ、歴史があるんだったらあるんでいいんですけど、その上に棚橋弘至という名前が刻まれるというのは気持ちいいなと」