中邑が2代目IWGPベルトを天国の橋本さんへ返還/3月2日ZERO1後楽園大会試合結果(2)
ZERO1-MAX
「真世紀創造 -SEVEN-」
3月2日(日)
東京・後楽園ホール
第6試合
タッグマッチ
30分1本勝負
○田中将斗
日高郁人
(20分26秒 スライディングD→片エビ固め)
×田口隆祐
金本浩二
=試合経過=
試合開始前、この日のメインイベントの立会人として菅林直樹社長、蝶野正洋、大谷晋二郎、故橋本真也さんの長男である橋本大地君が、リングサイドの本部席に座った。
金本が一番最後に入場してきた田中に襲いかかり、場外戦で幕が開ける。そのままリング上に4人が入り乱れると、金本、田口は田中に合体ドロップキック。そして田口が田中を羽交い絞めにし、金本がミドルキック連打。
両チームの意地が激しく交錯する中、掴まる時間が続いた日高はコーナーに控えていた金本にキックを入れ、ステップDDTで田口を突き刺す。
金本対田中となり、金本は出会い頭にソバット、顔面への飛び膝蹴り。すると田中もスピアーで逆襲し、ジャンピングエルボー、ラリアット。立ったままで耐えた金本は、突進してきた田中をフロントスープレックスで投げて顔面ウォッシュ。大ブーイングと大声援が混ざり合う中、田中は2発目のシメを狙ってきた金本にラリアット。
タッチを受けた日高はシュリケン、打撃合戦からイグチボム。金本はカウント2でキックアウトすると、コーナー上の日高を捕らえて雪崩式バックドロップ。そこからアンクルホールドで絞り上げるも、ここは田中がカット。その田中を場外に落とすと、田口がプランチャを発射。リング上では金本が日高にアンクルホールド。日高は何とか自力でロープを掴む。
金本は日高へタイガースープレックスホールド。ここは田中がカット。タッチを受けた田口はミサイルキック、連続ブレーンバスターからオデレータバスター。続くどどんは日高が回避し、ローキックからハイキックへ。これをかわした田口は、ジャーマンスープレックスホールドから再度どどんへ。すると日高はこれを丸め込んで裏膝十字固めへ。ここは金本のカットが間に合う。
タッチを受けた田中は田口に串刺しラリアット、雪崩式ブレーンバスター、垂直落下式ブレーンバスター。田口もスーパーフライを両膝でガードし、クロスアーム式スープレックスホールドで反撃。田中がキックアウトすると今度こそどどん。だが、カバーは日高がカット。
ここで田中がラリアットを叩き込み、日高がハイキックでアシスト。最後はスライディングDが炸裂し、ZERO1が乱打戦を制し、星を2勝2敗の五分に戻した。
試合後も両陣営は大乱闘を繰り広げ、それをセコンド陣が分けると田中、日高は悔しがる金本の眼前で堂々たる勝ち名乗りを上げた。
=試合後コメント=
金本「田口、お疲れさんの握手はいらん。俺とまた何処かで(組んで)やって行こう。今日はZERO1の大会やけど、次、新日本に上がってくるのかアイツら。タッグがらみで俺と田口、邪外(邪道、外道)に次ぐプレミアムや。組まれた方はラッキーやと思って、みんなドンドン来い」
田口「もう1回やって、もう1回勝っただけじゃ、この(負けたという)イメージは拭えないから。次のZERO1のシリーズでもいいから、ZERO1のリングに上げてくれ」
金本「田口と俺を上げてくれ。こっちから行くから上げてくれって。やってて凄く気持ちいいよ、アイツら。口の中切るわ、頭クラクラするわ、心が折れそうになる、アイツ(田中)とやったら。でも、俺は引かない。お互い関西人や、相手がへばるまで引かない。負けたくせにグチャグチャ言うのは、負け犬の遠吠えって言ったけどよ、そんな元気あったらリングでやった方がええよな。次、アイツらがバテるまで追っかけ回してやる。おもろいやんけ、めっちゃおもろいやんけ」
第7試合
「橋本真也メモリアル」 シングルマッチ
60分1本勝負
○中邑真輔
(17分8秒 腕ひしぎ逆十字固め)
×佐藤耕平
=試合経過=
中邑は2代目IWGPヘビー級ベルトを腰に巻き、佐藤は故橋本真也さんのテーマ曲である「爆勝宣言」の前奏部分をミックスさせた曲で、それぞれ入場。
大「耕平」コールが起きる中、序盤は静かな立ち上がり。佐藤が脚を取れば、中邑も腕を取り返して極めていく。佐藤の重いキックが中邑を捉えると、気迫のこもったエルボー合戦は両者ともなかなか引かず。そこから中邑はミドルキック、カウンターのラリアット。続くエルニーニョを2発目で迎撃した佐藤は、ミドルキック3連打から裏投げ。
ここで中邑は佐藤のミドルキックをキャッチし、スリーパーホールドで捕獲。落ちる寸前まで絞り上げるも、佐藤は何とかロープエスケープ。
勝機と見た中邑はリバースパワースラムからランドスライド。だが、佐藤はこれをクリア。中邑はダブルアーム式パイルドライバーを狙うも、佐藤はリバーススープレックスで切り返し、ランニングニーリフト、サッカーボールキックからジャーマンスープレックスホールド。中邑はカウント2でキックアウトする。
さらに佐藤は中邑のバックを取る。だが、中邑はこれを回避し、ハイキックから電光石火の飛びつき腕ひしぎ逆十字固め。佐藤の腕を完全に伸ばし、ギブアップを奪った。
試合後、中邑はマイクを握り「このベルトは橋本真也に返そうと思います」と宣言。本部席にいた大地君に2代目ベルトを手渡して握手すると、そのまま引き上げて行った。
そして、大谷、蝶野、大地君がリングに上がり、大「橋本」コールの中、マイクを手渡された大地君は「返してもらったのにあれなんですけど、これは俺が大きくなって、力で奪い返したいと思います。応援よろしくお願いします」とコメント。場内からは「大地」コールが起こる。
続いて、蝶野がマイクを取り、「ZERO1、7周年おめでとうございます。大谷、ホントにこのリングは橋本の魂を受け継ぐのか? オイ、こんなもんでいいのか。橋本が泣いてるぞ、大谷。お前が本気でこのリングに橋本の魂を引き継ぐのなら、やるのかやらねぇのか言ってみろ、オラ!」とアピール。そして「俺からの挨拶だ」と、大谷の顔面に強烈な張り手を入れてリングを後にした。
=試合後コメント=
中邑「今日、このリングに来た理由。やっぱり2代目の(IWGP)ベルトをあるべき所に返すって約束したんで。ZERO1に返しに来たんじゃない。橋本真也に返しに来たんです。大地君、プロレスラーを目指しているらしいですけど、今はいろんなプロレスがある。選ぶのも他人じゃない。すべて自分で決めること。強くなろうが、なるまいが、自分で決めること。夢も一緒。夢をかなえようが、かなえまいが、自分で決めること。その思いを持って、プロレスラーになって欲しいです。まぁ、直接の繋がりはないんで、自分が言うのは非常におこがましいですが、この対抗戦の中でメモリアルの名にふさわしい、故人に捧げる試合ができたんじゃないかと思っているというか、思いたいですね」
佐藤「橋本真也に教わってきたモノを出しただけで、別にZERO1を背負っているとかは(ない)。今はフリーでやっているんで。今、自分ができることをやっただけですね。1回負けたぐらいで負けを認めてるようじゃ、橋本さんにも怒られちゃうんで。これからまた自分の思うように、好きなようにやって行きます」
大谷「(対抗戦について)みんな頑張った。いい試合した。それは事実。しかしながら、それで終わらせちゃいけないんですよ。僕はウソはつかない。中途半端で終わらせないと言った以上、トコトンやりたいと思います。そして、これだけは言わせてもらう。負け戦は絶対にしない。新日本のことは俺が一番よく知っている。新日本に飲み込まれたらおしまいだ」