11月7日(月)、新日本プロレス事務所にて記者会見が行なわれ、2017年1月4日(水)に開催される『戦国炎舞-KIZNA- Presents Road to TOKYO DOME』の第2弾対戦カードが発表された。
新しく加わったカードは、IWGPインターコンチネンタル選手権試合・内藤哲也vs棚橋弘至、IWGP Jr.ヘビー級選手権試合KUSHIDAvs高橋ヒロム、IWGP Jr.タッグ選手権試合マット・ジャクソン&ニック・ジャクソンvsロッキー・ロメロ&バレッタの3試合。
会見にはIC王者・内藤と挑戦者・棚橋が出席。いきなりNEVER無差別級王者になったEVILが現れる制御不能な展開の中、タイトル戦へ懸ける意気込みと現在の心境を語った。
【司会】清野茂樹アナウンサー
■内藤哲也のコメント
内藤「さあ、今日は・・・EVILの会見だっけ!? (※清野アナに)EVILの会見!?」
清野「いえ。あの、内藤選手の・・・」
内藤「(※さえぎって)EVIL、ちゃんと連れて来てるから。新(NEVER)チャンピオンになったEVIL、連れて来てるから。EVILの話を聞いて下さいよ」
清野「EVIL選手、お越しなんですか!?」
内藤「si〜(ニヤリ)」
※EVILがNEVERベルトを携えて登場。
清野「それでは(11・5)大阪大会で柴田(勝頼)選手を破りまして、NEVER無差別級チャンピオンとなりましたEVIL選手に急きょお越しいただきました。(※内藤に)じゃあ、EVIL選手にコメントをいただいてもよろしいですか? じゃあ、EVIL選手、お願いします」
EVIL「大阪で“ザ・レスラー”柴田勝頼を暗闇の世界へ、そして、地獄のドン底へ葬り去ってやったよ。“ザ・レスラー”が負けた言い訳してんのか!? フン。どうてもいいが、ベルトはここだ。そう。すべては・・・EVIL。そういうことだ」
※ここでEVILが退室すると、内藤もあとを追いかけようとして、清野アナが引き止める。
清野「い、いや。内藤選手は・・・」
内藤「え!? EVILの会見でしょ!?」
清野「皆さん、期待してますんで・・・」
内藤「何を!? 俺の(大阪)二夜明け会見ですか!?」
清野「そうですね。あと、東京ドームで防衛戦が決まりましたので」
内藤「え!? (※渋々着席して)いや〜、もう俺はお腹いっぱいだよ。EVILの言葉を聞いて・・・」
※このあと内藤が清野アナをいじり、ようやく棚橋が登場。改めてIWGP IC戦の会見がスタート。
■棚橋弘至のコメント
棚橋「思い返せば、ちょうど1年ぐらい前の10月(12日)の両国(国技館)で、EVILが登場した両国、僕が(IWGPヘビー)挑戦権利証を持ってて、それに内藤が挑戦するような図式だったんですね。それが1年経って、闘わずして世代交代をされたというか。たとえばオカダ(・カズチカ)だったら、こう何年も闘って、今年のドームで負けましたけども。こんなケースは初めてかな?と。
闘ってないのに、いつの間にか立場が逆転しているという。昔ね、まだ内藤がヤングライオンだったときに、『早く俺の所まで上がって来いよ』って、どっかの控室で言ったことがあったんですね。それが、棚橋vs内藤が、東京ドームで実現するっていう。『来たか』と。ただ、今回は内藤の力を、勢いを借りての実現というところが不本意ですけども・・・。
もう1コ言いたいのが、ベルトを投げたり、踏んだりするのだけは、ちょっと俺的には無理ですね。プロレス界の先人たちが積み上げて来た象徴なわけなんで。ウチの婆ちゃんも『物を投げるっていう行為は運気を下げるよ』って言っていたんで。
僕は物は投げないようにしてるんで。そういうプロレスのベルトに対してのリスペクトっていう部分、つまりはベルトへの愛っていう部分が、今回の大きな2人の(闘いの)図式になるんじゃないかな?と。ベルトに対しての姿勢。うん。ね? 今年、オカダに負けて、来年、内藤に負けるわけにはいかないんでね。インターコンチ(戦)、東京ドームで勝ったな・ら・ば、2017年は“棚橋の年”になります」
■内藤哲也のコメント
内藤「僕は、いまさら隠す必要もないかなと。それは、俺が棚橋弘至を目標にしていたこと。まあ、ファン時代ですけどね。棚橋選手の姿を見て、『俺も新日本のリングに立ちたいんだ』と、『絶対に入ってやるんだ』と、思いましたよ。新日本に入って、棚橋選手の背中を、僕はしっかり見て来ましたよ。僕は、デビュー当時から『棚橋弘至を引きずり下ろすのは俺の役目だ』と、言い続けて来ましたけどね。
ま、今年の1月4日東京ドームでオカダに敗れ、『もうトップ選手ではなくなってしまったのかな〜!?』という印象を僕は持ってます。『棚橋弘至をトップから引きずり下ろしたのは、オカダだったのかな?』という印象があります。まあ、そんな棚橋が、なぜ大阪大会のあと、俺の目の前に来たか? まあ、僕の理想の相手は棚橋弘至ではなかったけど、僕の中で『おそらく棚橋が来るんじゃないか?』という予想はしてたんでね。
予想はしてたんでね。予想という意味では当たりましたよ。なんで棚橋が来たか!? その答えは・・・俺と絡めば、“7年連続・東京ドーム大会メインイベント”が見えて来るから。ま、そんなね、棚橋ファンと棚橋本人しかこだわってない、非常にくだらない記録のために、俺の前に出て来たんだなと。僕は思いましたよ。まあ、まさにあのときと一緒ですよ。覚えてますか!? ファン投票をしたあのときですよ(※2014年1月4日東京ドームのメインイベントをファン投票によって決定)。
あのときも彼はインターコンチネンタル王座戦(※VS中邑真輔)だったはずなのに、まあ彼の意思か、誰の意思か知らないですけどね。新日本プロレスの意思だったのかもしれないけど。ファン投票という意味のわからない制度をいきなり持ち出して、インターコンチネンタル王座戦をメインイベントにしたと。僕はあのとき思いましたよ。『なんで新日本プロレスはIWGPヘビー級王座に誇りを持たないんだ!?』と。
ま、たしかに『棚橋を連続でメインイベントに出したい』というのはあったのかもしれない。『内藤をメインイベントにしたら不安だった』。それもあったのかもしれない。でも、IWGPヘビー級王座戦だよ!? 『たとえどんなカードでも、IWGPヘビー級王座戦をメインにするべきだった』と、俺はいまでも思いますよ。まあ・・・僕のIWGPへのこだわり、ずっとIWGPを目指して来ましたから。
まあ、いまとなってはね、IWGPヘビー級王座も、そして、ここにあるインターコンチネンタル王座をも、超えてしまったのが内藤哲也っていう存在ではあるんですけども。まあまあ、でも『東京ドームのメインイベントはIWGPヘビー級王座戦であるべきだ』と。やっぱりこの考えは変わらない。なので、皆様は僕がここで『ファン投票しましょう』と言うと思うでしょう? 僕の答えは逆ですよ。ファン投票は、僕は望みません。
『メインイベントはIWGPヘビー級選手権試合。セミファイナルでインターコンチネンタル王座戦をやるべきだ』と。ダブルメインイベント!? そんな名前もいらない。セミファイナル、もしくは第1試合、第2試合、第3試合・・・ちゃんとその“場所”で試合をさせてくれと。ダブルメインイベントなんていうね、そんな“お飾り”みたいなものはいらないから。でも! でもですよ、皆様。思い出して下さい、1年前の僕のコメントを。覚えてますか!?
『この新日本プロレスは棚橋が言ったことがすべて。棚橋の言いなりである』と。覚えてますか!? ってことはね、いま棚橋が『ファン投票をやりたい』と言えば、きっとこの会社、動きますよ。『インターコンチネンタル王座戦をメインでやらしてくれ』と棚橋が言ったら、この会社はすぐ変わりますから。あのときの発言が、正しかったのか、どうだったのか!? いまハッキリわかりますよ。7年連続メインイベント、出たいんだろ!? じゃあ、お前の口から『ファン投票やろう』って言ってみろよ。・・・まあ、僕から言いたのはそれだけです」
■質疑応答
——11.5大阪大会の試合後、棚橋選手のマイクの中で、「棚橋になれなかった男」というフレーズに関していかがですか?
内藤「そうですね。ボクは、確かに棚橋を目指してましたから。あぁ姿に憧れて、ボクは棚橋の背中を見て、棚橋を追いかけてきたつもりでしたからね。まぁ、棚橋になれなかった?それは確かに正解でしょ。でも、俺はむしろ今、『棚橋にならなくて良かった』と。棚橋になってたら、こんだけのムーヴメント起こせないよ。実際、彼が起こしてますか?何を起こしたんだと。僕は、棚橋になれなかったもしれない。でも、それによって、新しい道が見えてきたんでね。そして今、こんだけ新日本プロレスを応援してくださる皆様を、喜ばせてるわけですからね。ボクは、棚橋程度にならなくて良かったですよ」
——先ほどの棚橋選手の発言で、「闘わずして、世代交代をした」というようなコメントがありましたが、これについてはいかがですか?
内藤「まぁインゴベルナブレを持ち帰ってきてから、1年ちょっと。間違いなく今、新日本プロレスの中心であり、話題の中心は我々、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンだというのはね、俺も感じてるし、皆様も感じてるでしょ?だから、棚橋をどうの?とかさ、そんなくだらないレベルで、俺は考えてないから。棚橋を越えた?じゃあ、越えたら何になるの?そんな低レベルなものを俺は求めてないから。そもそも、この方は、今年1月4日東京ドーム、オカダに敗れた時点で、もう終わってるんですよ。
だって、今年一年、彼が何したの?何かリング上で活躍しましたか?何か話題を作りましたか?何もしてないんだよ。確かに今まで、この新日本プロレスを引っ張ってきた。それは知ってるよ。俺は見てきたからね。背中を見てきたから。今までの活躍も知ってるし、今までの貢献を知ってるよ。だけど、今年何をしたの?俺が上がったっていう表現も確かにできるけど、むしろ彼が自然と下がってしまったんだろうね。なんか、俺はそういう印象っすね。(※天井を見上げ)いつの間にか、ここにいたはずの棚橋弘至が、見えないぐらい下に落っこっちゃったと、そういう印象ですね」
——棚橋選手、今の内藤選手のコメント、大阪大会で内藤選手からの「最後舞台だと思って頑張ってくれ」というコメントについていかがですか?
棚橋「それだけのリスクはあると思いますね。『負けたら、終わるかな』っていう気はします。ただそれでも、毎年ドーム直前に、勢いを取り戻すのが、棚橋流なんで。今年も通年通り、美味しいニオイがする方にいったまでで、それが今年は、たまたま内藤であって。で、いろんなストーリーがつながって、『棚橋vs内藤、きたか』っていう思いが、ボクにはあります」
——今年、インターコンチのベルトを巡って、ケニー選手との対戦があったりしましたが、今、このインターコンチというベルトについてはいかがですか?
棚橋「インターコンチがね、ボクの場合、IWGP(ヘビー級ベルト)を巻いてる期間が長かったんで、インターコンチの縁というかね、そういうのが凄く今のとこ薄いんですけど、これから深まる可能性があると。投げたりしないし、踏んだりしないし。また、新しい色をつけるっていうね、課題。もしかしたら、2017年“インターコンチ旋風”吹き荒れるかもしれないし。何が、一瞬でどう変わるのかっていうのは、わからないものですから」
——内藤選手、コメントの中で、「トドメをさす」という発言もありましたが、最後はご自身でという思いからですか?
内藤「まぁ先ほども言いましたが、ボクは“棚橋弘至を引きづりおろす役目”をやりたかったですよ、元々ね。でも、ボクの頭の中では、それは2016年1月4日の舞台だったかなと。要するに、オカダがやったと。なのでね、ハッキリ言って、何のモチベーションも上がらないよ。もう落っこった棚橋ですからね。何の美味しさもないよ。まぁでもさ、唯一、やる気の出るポイントを見出すとしたら、引きづりおろす役目ができなかったけど、最後のトドメをさしてやろうかなと。まぁ今のとこ、モチベーションが上がるのは、その一点だけですね。まぁ彼も望んでるんじゃないですか?ボクにトドメをさされることを」
——あえて聞きますが、棚橋選手は、トドメをさされることを望んでますか?
棚橋「うーん、ボクまだ、新日本のリングでやりたいこと、いっぱいあるし。で、もっと新日本を面白くしたないっていう野望もあるんで。トドメをさされるんだったら、そこまでかなと思います、俺の夢も。でも、もし生き延びたなら、来年は棚橋の年になりますよ」
——ファン投票の保留に関して、ご自身の中で、何か考えていらっしゃるということですか?
棚橋「いや、その空気感ですね。あのファン投票が動いたのは、棚橋vs中邑だったからだと思うんですよ。そのカードに神通力があったところで、ファンの投票も動いたと。2コ1の問題だったので。棚橋が1人で騒いでどうなる問題でもないかなと。それだったら、7年連続、東京ドームメインイベントっていうのは、実現したら凄い誇れる記録ですけども、それ以上に大切なモノがあるんじゃないかって、今気付きかけてますね」
——内藤選手は、もし棚橋選手がファン投票を望んで、実施されても問題ないですか?
内藤「うーん、そうですね。ファン投票をやるって言った時点で、結果は受け入れるしかないですから。そんなファン投票でどっち勝つか?うんぬんよりも、ボクが一番注目してるのは、やっぱり『棚橋が言ったら、新日本プロレスは動くのか?』と。『棚橋が言ったら、新日本プロレスは動くのか、どうか?』ボクはそこを一番注目してますよ。やっぱり『あの時、俺が思っていたことは、間違いじゃなかったんだ』と、確認できるチャンスなんでね。
是非、ボクは棚橋選手に、“ファン投票”の開催を口にしてほしいですね。それによって、動くのかどうか。まぁでもさ、先ほども言いましたけども、ダブルメインイベントとか、トリプルメインイベントとか、そういうくだらないネーミングは、もうなしにしようよ。だってさ、『東京ドーム全カード、メインイベントのつもりです』って言ったら、全部メインイベントになっちゃうよ。それに、ファン投票を開催した時、ボクはダブルメインイベントでしたからね。ってことは、俺、東京ドームのメインイベント経験してるの?
オカダもあの時、メインイベンターだったの?ということは、すでにオカダってさ、もう何年も連続でメインイベントやってることになっちゃうよ。もう7年連続とか、オカダもかなり迫ってるよ。ってことになっちゃうからね。だから、そういう理解に苦しむ表現方法はやめてさ、ダブルメインイベントとかいらないから。ちゃんと、第何試合、第何試合っていうのを、ちゃんと決めてほしいですね。ファン投票で勝ったなら、ちゃんとメインイベントで、ボクはやりますよ。もしやるんならね、ファン投票を」
——棚橋選手が言っても、会社が反対する場合もあると思いますが?
内藤「ボクはないと思いますよ。この新日本プロレスは、棚橋の言ったことが、すべてですよ」