12月7日(土)、都内にある有明コロシアムで開催されたプロスリング・ノアの『GREAT VOYAGE 2013 in Tokyo vol.2 〜田上明引退記念大会〜』に新日本プロレスの永田裕志と獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクが参戦。
永田は、今年のノア『グローバル・リーグ戦2013』を制覇。その勢いに乗ってGHCヘビー級王座にメインイベントで挑戦。一方の王者・KENTAは今年8度の王座防衛に成功しており、9度防衛を達成して、今年を締めくくりたいところだ。
序盤、お互いに蹴りを繰り出すKENTAと永田だが、どちらもヒットせず。緊張感が走る。しかし、その後はリング中央でエルボー合戦を展開。ここでKENTAが張り手からミドルキックを繰り出し、永田をダウンさせる。さらにKENTAはカウンターのバックエルボーからグラウンドに持ち込み、永田のアゴを固めていく。そして、背中にサッカーボールキックだ。続けてKENTAはミドルキックを永田の胸板に連打。エルボードロップを落とし、胴締めで試合をリードしていく。
先手を許した永田だが、エルボー合戦で反撃開始。さらにKENTAと一歩も引かず顔面を張り合う。これでリードした永田はヒザ蹴りでKENTAをダウンさせる。そして、先ほどのお返しとばかりにサッカーボールキックをお見舞いだ。さらに永田はKENTAを場外に落とすとここでもミドルキックを連打。鉄柵にKENTAを叩きつけると、顔面をフロントキックで撃ち抜いた。
攻撃の手を緩めない永田は場外でボディスラムを見舞うと、リングに戻してKENTAのボディに強烈なエルボーを連打。さらにミドルキックで追い打ちをかけてから、キチンシンクを炸裂させる。KENTAがエルボーで反撃してくると真っ向から受けて立ち、捕まえてからコブラツイストで絞り上げる。さらに永田はコブラクラッチに極めながらのバックブリーカーで痛めつけ、なんとレインメーカー式のキチンシンクまで繰り出した。ペースを握った永田はコーナーに追い込まれながらも張り手を見舞ってくるKENTAを、さらに強烈な張り手で黙らせる。
しかし、ここまでやられていたKENTAはフライングニールキックから、ロープに飛んでのジャンピングのラリアットを連発して逆転。コーナーからダイビング式ラリアットを見舞うと、STFで永田を固めていく。これでギブアップを取れないと、ミドルキック、ローリングソバットで攻め込んだKENTA。ところが、コーナーから永田の首を掴んでスイング式のDDTにいこうとしたところを、逆にロープに身体を乗せられ、ネックスクリューの餌食となってしまった。
再び流れを掴んだ永田は串刺し式のフロントキック、フロントスープレックスで畳みかけ、ナガタロック2にKENTAを捕らえる。KENTAに逃げられると場外まで追いかけ、エプロンに乗せて再びネックスクリューを狙った。ところが、KENTAはこれをこらえて、逆に永田を持ち上げると、鉄柵に腹から落下させる。そして場外の硬い床でDDTを敢行だ。
さらにKENTAはリングに戻りコーナー最上段に上ると、鉄柵の向こうで倒れている永田目がけてダイビングフットスタンプ! このKENTAの捨て身の大技にさすがの永田も大ダメージ。リングにフラフラの状態で戻ると、スワンダイブ式のミサイルキック、串刺し式のドロップキックを顔面に立て続けに食らう。さらにダイビングフットスタンプも土手っ腹に被弾。なんとかエルボーで反撃を試みるものの、ロープに飛んだところをカウンターでパワースラムの餌食とされてしまった。
さらにロープ越しのDDTを食らった永田。ここでKENTAがトドメを狙ってgo 2sleepを仕掛けたときだった。永田は上手く体勢を入れ替え、KENTAの腕を取ると素早くグラウンドに持ち込み腕固め! 白目を剥いてじっくり絞り上げる。これで復活した永田はKENTAとエルボー合戦に打ち勝ち、タイナーを叩き込む。さらにKENTAをコーナーの上に持ち上げた。KENTAが頭突きで反撃してきても、踏ん張って、逆に頭突きを叩き込んだ永田は、雪崩式のエクスプロイダーを爆発。そして、得意のバックドロップの体勢に入った。
しかし、今度はKENTAが永田の腕を取って、GAME OVERに捕獲。永田はナガタロック2と同型のような技で流れを変えられてしまう。さらにKENTAのタイガースープレックスも食らった永田。だが、KENTAがロープに飛んでぶさいくへのヒザ蹴りを狙ったところをカウンターで捕まえてスープレックス。さらに飛び込んできたところにヒザ蹴りを叩き込み、ダウンさせることに成功した。
KENTAが起き上がってくると、永田はサンダーデスドライバー。続けてバックドロップで投げ捨てた。それでもキックアウトしてくるKENTAに永田はバックドロップホールドを狙う。しかし、KENTAも踏ん張って決めさせない。ならばとエルボーを連打して、KENTAを追い込む永田。そして、力を込めてミドルキックを放とうとしたそのときだった。KENTAに蹴り足を掴まれると、そのまま持ち上げられて、go 2 sleepを被弾。ダメージで両者ダウンという状況となってしまった。
ここから起き上がってきた両者だが凄まじい張りて合戦を展開。KENTAが張り手で押し込んだかのように見えたが、永田は意地の延髄斬りを叩き込んで、再び両者ダウンだ。起き上がれば、またも張りて合戦を展開する二人。しかし、ここで先にヒザをついたのは永田だった。この永田にKENTAは容赦なく首筋に左右からキックを連発。3発叩き込んで倒れた永田を持ち上げると、最後は必殺のgo 2 sleep! さすがの永田も返せず、GHCヘビー王座の奪取はならなかった。
■12月7日(土) プロレスリング・ノア『GREAT VOYAGE 2013 in Tokyo vol.2 〜田上明引退記念大会〜』 東京・有明コロシアム
[GHCヘビー級選手権試合]60分1本勝負
〈第19代王者〉◯KENTA (28分46秒 go 2 sleep→片エビ固め)永田裕志×〈挑戦者〉
※KENTAが9度目の防衛に成功。
■永田裕志のコメント
── ベルト奪取はなりませんでしたが、今のお気持ち聞かせてください。
永田 「いやぁ、『グローバル・リーグ戦』闘って、ノアの全部の選手にガッツリ爪あと残したはずなんだけどな。最後の最後でベルト取れなかった」
── KENTA選手の強さ感じましたか?
永田 「ヘヘヘ。久しく感じなかったストロングスタイルを感じた」
── ありがとうございました。
永田 「今日で最後だろ、これ? 俺、今年、ガッツリ爪あと残したからな。その爪あとがどう来年作用するか……」
ライガー&タイガーはGHCジュニアタッグ王者として、小川良成&ザック・セイバーJrを相手に5度目の防衛戦を行なった。
休憩明けの第6試合にライガー&タイガーが登場。ノア・ジュニアの重鎮・小川とセイバーを迎え撃った。先発のライガーとセイバーがグラウンドの攻防を繰り広げると、続いてタイガーと小川がマッチアップ。そして、試合前から挑発していたライガーがいよいよ小川と対峙することになった。小川が蹴り足を掴ませての延髄斬りを見舞えば、ライガーも負けじと掌底を炸裂させる。さらに小川を場外に追いやると、ライガーのスライディングキックからタイガーの鉄柵攻撃で小川をいたぶっていく。
リングに戻ってもライガーは小川の足をロック。左足に照準を絞ると、続くタイガーも逆エビ固めで小川の左足を攻め立てる。さらにライガーは小川の左足を鉄柱にぶつけていためつけ、ニークラッシャーから足4の字固めで追撃だ。続くタイガーも足4の字固め。小川をジワリジワリと追い込んでいく。
しかし、小川はなんとかタイガーにチンクラッシャーからDDTをかまして、ローンバトルから脱出。タッチを受けたセイバーはこれまでの鬱憤を晴らそうと、ライガーとタイガーをそれぞれ場外に追いやり、それぞれに連続でトペ・スイシーダを炸裂させた。勢いに乗るセイバーはタイガーの風車式バックブリーカーもかわして、飛びつき式の腕ひしぎ逆十字固め。一転して新日本の王者コンビを追い込んでいく。
セイバーの速い動きとしつこい腕攻めに苦しんだタイガーだったが、起死回生のタイガードライバーを見舞って脱出。続いてライガーが掌底から雪崩式フランケンシュタイナーをセイバーに敢行した。これを回転エビ固めに切り返したセイバーだったが、すぐさまタイガーがキックで追撃。ライガーがライガーボムでセイバーを叩きつけると、それを目掛けてタイガーがダイビングヘッドバットだ。
しかし、小川のカットで3カウントをまぬがれたセイバーはすぐさまコーナーに上って、ダイビングのエルボースマッシュをライガーにぶち込んでから、小川にタッチ。その小川にライガーは垂直落下式のブレーンバスターを2発連続で見舞う。それでもキックアウトする小川をライガーはコーナーの最上段に乗せるが、小川はライガーを蹴り落として粘りを見せる。ならばとタイガーが雪崩式のダブルアームスープレックス。そして、ライガーは掌底を構えて、小川が立ち上がったところに突っ込んでいった。ところが、小川はこれを払い腰のようにかわして、そのままエビ固めで丸め込み! まさかの3カウントが入り、遂にライガー&タイガー組は逆転負けで王座から陥落した。
[GHCジュニアヘビー級タッグ選手権試合]60分1本勝負
〈挑戦者組〉◯小川良成&ザック・セイバーJr (13分43秒 回転エビ固め)
タイガーマスク&獣神サンダー・ライガー×〈第18代王者組〉
※ライガー&タイガー組が5度目の王座防衛に失敗。小川&セイバー組が第19代王者組となる。
■獣神サンダー・ライガー&タイガーマスクのコメント
ライガー 「タイガー、すまん」
タイガー 「試合の中身を観てくれ。負け惜しみに聞こえんのかもしれないけど、どっちが強さが出てたんだ? 新日本vsノア、どっちが強さが出てたんだ? どっちだ? 教えてくれ、記者の人? どっちだ! 誰が観たって、俺らが押してたよ。小川、ザック? おいしいところだけ出てきて、おいしい会場で満足だろうよ。でもな、俺とライガーはノアをもう制圧してたんだよ。やっと重い腰上げて出てきた重鎮。勝ったの向こうだよ? でも、魂のある試合をしてたのはどっちなんだよ? どっちだ! この借りは必ず返させてもらう。ベルト云々じゃねえ。小川、ザック、あいつらに俺らの魂をもう一回ぶつけてやる」
ライガー 「もうベルトはいいよ。小川と俺、ザックとタイガー、シングル組めよ。負けは負けで認めるさ。ベルトはもういい。持ち歩くのは面倒臭え。重いだけだ。タイガーとザック・セイバー、そして俺と小川、このシングルマッチを早急に組め。必ず俺は小川を倒すし、タイガーはザック・セイバーを倒す。そのときは石森、次の試合どっちが勝つかわからんが、GHCシングルのジュニアに挑戦させろ。もう一回俺たちがノアのジュニア、制圧してやる」
タイガー 「あと一つは俺たち新日本はシリーズがあるんだよ。それを休んで、タイトルマッチをやったんだ。感謝してくれ」
なお、第4試合には新日本プロレスにも参戦中の柴田勝頼も参戦。マイバッハ谷口との異色のシングルマッチに臨んだが、マイバッハがサスマタ攻撃で暴走したため、反則勝ちとなった。
しかし、これに怒りが収まらない柴田は再試合を要求。すると、バックステージに戻ったマイバッハを盟友のKENTAがリング上に連行。柴田の要求通り、再試合となった。
柴田は得意のキック攻撃でマイバッハを蹴り飛ばすと、マスクまで剥ぐ暴れっぷり。最後はPKで蹴り飛ばしてから、無理やり起こしてスリーパーで絞め落として、勝利を収めた。
[暴走鉄仮面vsザ・レスラースペシャルシングルマッチ]60分1本勝負
◯柴田勝頼(4分44秒 サスマタ攻撃→反則)マイバッハ谷口×
[再試合]
◯柴田勝頼(4分13秒 スリーパーホールド→レフェリーストップ)マイバッハ谷口×
撮影/山本正二
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