プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!
今回は「オカダがいたから内藤は生まれ変われた。内藤がいたからオカダはさらに強さを求めた」北海きたえーる2連戦をコラムで大総括!
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※以下、コラムの序盤を無料公開!
■スターダムの選ばれし選手たちは、闘いを知っている。身を削って闘いに挑むプロレスラーに男子も女子も関係ない。
2月の大勝負となった札幌・北海きたえーる2連戦(2月23日&24日)はてんこ盛りの興行となったが、今回はその中から注目カードを総括してみたい。
まず初日の23日、第5試合で組まれたIWGP女子選手権から。新日本プロレスのリングでIWGP女子選手権が行なわれるのは今回が4度目。最初は2022年の11・20有明アリーナ(新日本&スターダム合同興行)のメインで初代王座決定戦が組まれ、岩谷麻優を破ったKAIRI(現WWE)が初代王者に輝いた。
2度目は、2023年の1.4東京ドーム。KAIRIが中野たむの挑戦を退けている。3度目は、同年の4.8両国国技館。第2代王者となったメルセデス・モネが、AZM、葉月と3WAYで闘い防衛に成功。そのモネをスターダムの4.23横浜アリーナで破った岩谷が待望の王座獲得。以降、3度の防衛に成功している。
スターダム1期生にしてキャリア13年を誇る岩谷には、強い願望があった。スターダムにおける主要ベルトはすべて巻いてきた。だからこそIWGPという冠に特別な感情、執着心が沸いてきたし、是非とも新日本のリングでタイトル戦をやってみたい、という思い。
その野望が叶ってのタイトルマッチ。挑戦者として名乗りをあげたのは白川未奈。天才肌の岩谷に対して、白川はまさに努力ひと筋のオンナ。小柄の体をどうカバーして結果を残すか? そこで確立したスタイルが、足攻めを中心とする一点集中攻撃。
それが功を奏して、この1年で劇的な成長を遂げた。昨年4月には、ワンダー・オブ・スターダム王座を初戴冠。8月には、岩谷と並ぶエース格である現STRONG王者のジュリアからも初勝利。一気にトップ戦線に食い込んできたのである。
白川が執拗な足殺しでペースを握る。二度にわたる足4の字固めで岩谷を追い込んだ。スターダムでは足4の字固めをフィニッシャーに使うこともある白川。このクラシカルな戦法を駆使とするところが白川の真骨頂である。
だが、最後は岩谷が大爆発した。ダイビング・フットスタンプ、ムーンサルトプレスから、オリジナルの二段式ドラゴンスープレックスと畳み込んで決着。スターダムのアイコンたる実力を存分に見せつけたⅤ4戦となった。
当初、IWGP女子王座が新設されるとき、賛否両論が渦巻いた。しかし、今となれば否定的な声は鳴りを潜めている。
スターダムの選ばれし選手たちは、闘いを知っている。身を削って闘いに挑むプロレスラーに男子も女子も関係ない。それを彼女たちが身をもって証明しているからだ。
■あの好青年(SHO)がここまで化けた。やはりプロレスラーにとって大切なものは、実力の次に個性でありキャラの確立であることを立証してみせた
IWGPジュニアヘビー級選手権は、SHOがエル・デスペラードからベルトを強奪。
NEVER無差別級選手権では、同期の成田蓮を破り勢いに乗る海野翔太がEVILに挑んだものの敗れ去った。
とにかく、H.O.Tはありとあらゆる手段、戦法を使って相手から3カウントを奪ってみせる。汚いといえば汚いし、本来なら乱入・介入などタイトルマッチでは許されるべきではない。
ただし、ここまで徹底して悪の方向に振り切っていると、むしろ感心してしまうのも事実。客席からはSHO、EVILを応援する声も少なからず聞こえてきた。
善があるから悪がある。ベビーフェイスがいて、ヒールがいる。テクニコがいるからルードが存在する。
プロレスというジャンルにおける世界共通の図式であり、ある意味ベースともいえるのだ。
とくに、最近のSHOは水を得た魚のように乗っている。この勝利によって、3.6旗揚げ記念日でIWGP世界ヘビー級王者と対戦する……。
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