今年3月にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンから脱退したSANADAは、Just 5 Guysの一員として悲願のIWGP世界ヘビー級王座奪取を果たした。
新日本マットでトップに至るまでのキャリアは紆余曲折。山あり谷ありのレスラー人生はもちろん、あまり語られてこなかった幼少期の話など、SANADAが知られざる半生をインタビュー形式で振り返っていく。
第18回では、今回は『NEW JAPAN CUP』優勝からのIWGP世界ヘビー初戴冠、そして4度の防衛戦について語る!
聞き手/市川亨
撮影/中原義史
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■立ち位置を変えただけじゃ行動に対しての説得力はなにも付いてこないし、変えた意味を見せるには優勝以外なかった
――2023年の『NEW JAPAN CUP』1回戦(3.5後楽園)ではタイチ選手に勝利し、試合後には握手を交わしました。その一戦のときには、共闘していく意思は持っていたんですか?
SANADA 自分の気持ちの中では決めていましたね。仮にあそこで負けていても、ロス・インゴから抜けてタイチ兄やんといっしょにやっていくつもりだったし、もう踏ん切りはついていました。
――タイチ戦後には「迷いはなくなった」という言葉もありましたが、最終的にロス・インゴ脱退の背中を押したのはタイチさんとのシングルだったと。
SANADA きっかけになったし、Just 5 Guysに導いてくれたのは間違いなくタイチ兄やんですね。そのあとは気持ちもスッキリとして、自分との闘いになっていった感じで。
――トーナメント準々決勝(3.17後楽園)では内藤哲也選手と対戦し、勝利した試合後には正式にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンからの脱退を宣言しました。
SANADA タイチ兄やんとの試合のあとは、自信しかなかったですね。自分の中の迷いが結果が出ないことにつながっていたと思うので、その悩みがなくなったことで、相手が誰であっても自分を信じて闘うことができてました。とにかく勝ち続けないと説得力がないと思っていたので。
――脱退を表明した際には「ロス・インゴにいてもなにか新しいものが生まれない」という言葉もありました。
SANADA 要はなにかきっかけが欲しかったっていうことですよね。そのきっかけが変わることであって、ある意味、自分の中で言い聞かせていた言葉でもあったっていうか。
――ロス・インゴにいても新しいものを生み出すことはできたんじゃないか?という声は気にならなかったですか?
SANADA それは実際に中にいた人じゃないと分からない部分であって。ロス・インゴでも変わる可能性はあったかもしれないけど、でも結局、ロス・インゴは内藤哲也っていう名前が強すぎるので。たとえば鷹木さんがIWGP世界ヘビーのベルトを取って、プロレス大賞でMVPを取っても、ロス・インゴといえば内藤哲也だった。そういうのを見てきたときに、ここにいても本当の意味で変わることは難しいんじゃないかなって。
――内藤選手の対角に立つことで新しいものが生まれると判断したわけですね。それまで7年間属していたユニットから抜けて新しい道に踏み出したときの気持ちは、どういうものでしたか?
SANADA 7年間もいたところから抜けるので多少の怖さっていうか、そういう気持ちも出て来るかなって思ったんですけど、実際は抜けることの怖さっていうのはまったくなくて。むしろワクワクの方が大きくて、また作り上げていくという感覚の楽しさ、期待感しかなかったですね。だから、そもそもSNSをあまり見てなかったっていうのもあったけど、周りからの声も全然気にならなかったです。
――自分の中で退路を断ち、その後は一気にトーナメント優勝まで駆け上がりました。
SANADA 準々決勝でロス・インゴから抜けて、準決勝、決勝っていうのは自分の中での勢いをスゴく感じてましたね。もうやるしかないし、自分のやるべきことにフォーカスして、それまでにないぐらい集中していた感じで。ユニットを変えたことのインパクトはあっても、あそこで優勝できなかったらなにも残らないですからね。立ち位置を変えただけじゃ行動に対しての説得力はなにも付いてこないし、変えた意味を見せるには優勝以外なかったので。地元の新潟で優勝が達成できて確かにホッとしたというか、ひとまず良かったなっていう気持ちもあったんですけど、すぐに「ベルトを取るまでは満足できないな」っていう気持ちも出てきました。
――4.8両国大会でのオカダ選手とのタイトルマッチまで気を抜くことはなかったと。
SANADA 集中力を維持したまま、考える間もなくトントントンって一気に行きましたね。
――「NEW JAPAN CUP」優勝を果たしてのタイトルマッチという部分で、それまでのオカダ戦との気持ちの違いなどはありましたか?
SANADA むしろ気持ちの変化しかなかったです。あのときにコスチュームをショートタイツに変えたんですけど、自分の中では見た目を変えるのも大事なことで。見た目だけ変えても意味はないですけど、見た目を変えて結果を残すことで、すべてがつながるというか。あと、見た目を変えるとその気になるんですよね。毎日ジャージしか着てないよりも、たまにスーツを着た方が気持ちが引き締まる。カタチから入るのも、自分のモチベーションを上げるために大事なことだなって。
――自分の中の気持ちを高めていくという部分ですね。
SANADA だからあのときのオカダ戦は自分自身のいろいろな部分での変化が大きくて、それまでのオカダ戦よりも覚悟があったなって。それまでは「ベルトを取りたい、取りたい」だったけど、そのときは「取らないとダメだ」っていう責任感、使命に変わってたんですよね。
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