今年3月にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンから脱退したSANADAは、Just 5 Guysの一員として悲願のIWGP世界ヘビー級王座奪取を果たした。
新日本マットでトップに至るまでのキャリアは紆余曲折。山あり谷ありのレスラー人生はもちろん、あまり語られてこなかった幼少期の話など、SANADAが知られざる半生をインタビュー形式で振り返っていく。
第17回では、L・I・J脱退に傾いた気持ちの揺らぎ、武藤敬司さんの引退、そしてタイチとの関係性の変化について語る!
聞き手/市川亨
撮影/中原義史
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★以下、インタビューの序盤を無料公開!!
■内藤さんとのコンビは安定していたとは思うんですよ。でも、安定が一番ツマらないし、自分の中で強烈に印象に残るようなことがなかったんでしょうね
――2021年に入ると、新日本内ではベルトの統一問題が浮上しました。SANADA選手も当時の2冠王者の飯伏幸太選手に挑戦したこともありましたが(2.11広島)、あらためて2本のベルトを統一することにはどのような思いがありましたか?
SANADA 元々、歴史を持った一つのベルトがあるのに、なんでそれを大事にできないんだろうって。いいもの同士を合体させるっていうよりも、元々あった歴史的なものを崩す必要はないんじゃないかなって。
――歴史を軽んじているように感じたと。
SANADA 「IWGPヘビー」という名前が消えるのも切なかったし、確かに時代とともに新しいものは必要だとは思うけど、やっぱり多くの人に知られた歴史も大事だし、なくしちゃいけないものもあるのになって。当時はそんな感じでしたね。
――飯伏選手の2冠への挑戦もそうでしたが、最高峰王座になかなか届かない現状の中で諦めの気持ちが出て来ることはなかったですか?
SANADA それは一回もなかったですね。いつかは新日本に上がりたいと思っていて、諦めないことでそれも叶ったし、自分が本気で願っていたことはこれまでほとんど実現してきた感じはあるので。そういう前例があるので、ベルトもそうだし、なにに対しても諦めるということはなかったですね。
――2021年には内藤哲也選手とのコンビでIWGPタッグ王座を奪取しました。
SANADA 内藤さんは、いままでで一番コミュニケーションを取らなかったパートナーでしたね。
――逆に言うと、それでもベルトを取れたのは凄いことです。
SANADA 凄いことではありましたけど、だからと言って関係性が密になることもなかったですね。
――内藤選手とは『WORLD TAG LEAGUE』にもエントリーしましたけど、それでもコンビとして成熟していく感覚はなかったですか?
SANADA あまり記憶に残ってないということは、自分の中でピンと来てなかったんでしょうね。たぶん内藤さんとのコンビは安定していたとは思うんですよ。でも、安定が一番ツマらないし、だから自分の中で一番記憶が薄いというか。現役中は安定を求めるのが一番よくないと思うので。
――起伏がなかった、ということですかね。
SANADA 自分の中で強烈に印象に残るようなことがなかったんでしょうね。そういう意味で言うと、やっぱりEVILが一番パートナーとしてインパクトが残っていますね。それは自分の人生を振り返ったときに、たとえば青春時代のことが思い出に残っているのと同じなのかなって。EVILと組んだのは新日本に来て間もない頃で、夢中になってこれからなにか作って行こうっていう時期だったんですよ。やっぱりそういうときの気持ちって、自分の中で強く残るものなんですよね。
――内藤選手とタッグ王座を持っているときには、いま同じユニットのタイチ選手とベルトを争うことになりました。当時はタイチ選手に対して、どのような思いがありました?
SANADA それ以前からオフィシャルサイトの日記で絡んだりっていうのはありましたけど、意識するようになったのはそれぐらいのときからでしたね。「sanaやん」とか言われたりして。
――確かにタイチ選手の方から絡んでいた印象は強いですけど、違うユニット同士でそういう関係性になるのは珍しいですよね。
SANADA なんかフィーリングが合うっていうか、シンパシーを覚える感じだったのはタイチ兄やんぐらいでしたね。なかなかうまくは説明できないけど、なんとなく合ったんですよ。まあ、あれだけずっと絡まれていれば、気にするようにはなりますよね。
――当時はのちに密な関係性になるとは思いましたか?
SANADA そこまでは思わなかったですね。ただ思っていたのは、いつまでもロス・インゴにいちゃダメだなって。
――そういう思いはいつ頃から芽生えていたんですか?
SANADA 2019年10月にオカダさんとのIWGPヘビー級王座戦で負けて、あのあたりから自分の中で「うん?」って。「俺、ここにいていいのかな?」って、ちょっと悩むようになったんですよね。2020年に入ってコロナに意識を取られることが多くなっちゃいましたけど、でも心のどこかには「このままロス・インゴにいてもいいのかな?」っていうのはありました。
――そういう悩みを、たとえば鷹木選手とかに相談したりすることはなかったんですか?
SANADA したことはないですね。「どうしたらいいですかね?」っていう、軽い相談ならすることもあったけど、基本的に重い相談はしてなかったです。
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