プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!
今回は「“新日本を復活させた男vs新日本を変えた男”の最終章!セミは至極の名勝負、メインは対極の全面戦争に!!」2.11大阪大会を総括!
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■この先、新日本の歩みを振り返ってみたとき、確実に歴史の1ページに記されるような興行となった
新日本プロレス人気の復活、新日本プロレスブームは大阪の地が発火点となった――。
それを証明するかのように、5,372人(札止め)の大観衆で埋め尽くされた2・11エディオンアリーナ大阪大会。この先、新日本の歩みを振り返ってみたとき、確実に歴史の1ページに記されるような興行となった。
全8戦のなかから、今大会では3試合に絞って総括してみようと思う。
■「新日本を復活させた男と新日本を変えた男、この2人とタッグを組んでベルトを巻けたことは誇りに思うよ」石井智宏
まず、第5試合にマッチメイクされたオカダ・カズチカと棚橋弘至による最後の一騎打ち。今後の主戦場となる海外マットに拠点を移すまでフリーの立場で新日本に上がっているオカダも、残り3試合。
そこで因縁の地である大阪で最高の相手とのカードが組まれた。2010年代の新日本プロレスをリードしてきた黄金対決、切札カードである棚橋戦だ。
両雄が新日本に残してきた足跡を、ひとことで称したセリフがある。1・24後楽園ホールで行なわれたNEVER無差別級6人タッグ選手権。TMDKを相手に8度目の防衛に成功したオカダ&棚橋&石井智宏の王者トリオ。
この試合がオカダの新日本所属として最後の一戦でもあった。バックヤードで棚橋、オカダの順にコメントを残したあと、あの‟漢“石井が必死に涙を堪えてこう言ったのだ。
「新日本を復活させた男と新日本を変えた男、この2人とタッグを組んでベルトを巻けたことは誇りに思うよ」
まさに、言い得て妙。多くを語らない石井の言葉だからこそ説得力があるし、その通りだろう。
総合格闘技ブームの波に飲みこまれるように新日本が迷走していた、どん底の時代……。2005年の1・4東京ドームで初めてシングル対決を行なったのが、若き棚橋と中邑真輔だった。
以降、両選手のライバルストーリーは約6年もつづき、新日本は徐々に復活の兆しを見せてきた。2012年1月末、ブシロードが新日本プロレスを買収しオーナーとなった。
それと同時に米国TNA修行から凱旋してきた男がオカダだった。新体制となる新日本に現れた新時代の旗頭であるオカダの凱旋試合は、1・4東京ドーム大会。
この日のメインで鈴木みのるを破りIWGPヘビー級王座防衛“Ⅴ11”という新記録を打ち立てた棚橋に、オカダは挑戦を迫った。
正直、オカダの凱旋マッチ(YOSHI-HASHI戦)の内容はインパクトに欠けていた。それもあって、オカダの挑戦を支持する声は聞こえてこない。むしろファンは拒絶反応を示していた。
「言っとくけどな、IWGPは遠いぞ!」
そう切り返した棚橋に大観衆は喝采を送った。この「IWGPは遠いぞ」が、その後の2人の関係性を追っていくなかで、ひとつのキーワードともなるのだ。
■レインメーカーショック。あのときの衝撃は、そう呼ばれるようになった
そして、あの日がやってきた。12年前の2・12エディオンアリーナ大阪。オカダはレインメーカーで棚橋を沈め、1発で最高峰のベルトを奪取した……。
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