人気コーナー「オレ☆書きます」の特別編として、棚橋弘至選手の「20000字を超える大長編日記」、その前編を6月24日(木)昼12:00より掲載します!

　その名も『メキシコ超人列伝』!!
　
　5月のレスリングどんたく直後、休む間もなくメキシコに渡った棚橋選手。その怒涛の3週間を余すことなく活字化!!
　
　もはや日記の枠を超えた「私小説」とも言えるこの文章、逸材のリングにかける熱い思いをぜひ感じ取ってください!今回その冒頭部分をちょっとだけお見せします!
　
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■棚橋弘至『メキシコ超人列伝(前編)』
　
はじめに
　
　5年前、オレはメキシコにいた。中邑と共に5週間、海外遠征のためだ。その当時、2005年の新日本プロレスっつーのは今でこそ言えるけどリング内外、かなりのてんやわんやで、どこ向かって走っていけばいいのかすら定まっておらず、ただがむしゃらに頑張ってはいたものの出口の見えないトンネルを進むような不安と閉塞感が遠い親戚のおばさんにまで伝わってしまうような状況だった。
　
　で、そんな中でタッグ王者やったのに、なぜこのタイミングで遠征なのか理由すら分からず、さらに日本の試合を全休してまで行ったメキシコ。
　
　「これはもう大化けして日本に帰るしかないじゃん!」
　
　つーくらい気合入ってて、ウエイトトレーニング、ルチャクラス、試合を夢中でこなしてたような気がする。そして、その練習方法や新技などを5週間毎日、日記と一緒に1つのノートに夜な夜な書いていて、出来ることなら手土産の1つとしてメキシコ遠征の様子を今回のような長編日記で残したいと思ってたのだが……。
　
　結果から言うと長編日記は書かなかった……っつーか書けなかった。なぜなら日本に帰って来てすぐ、その大事なノートが入ったカバンをバイクに置きっぱなしにしてコンビニで立ち読みしてたらカバンごと盗まれてしまったから。まさに「ギャァァァー!」だった。
治安が悪いと言われるメキシコから無事に帰ってきて日本で盗難に合うオレって一体……。
　
　そんな切ない過去があっての今回の遠征は「新日本プロレスとCMLLの提携」「新日本の長期のオフを利用しての3週間」と前回とは比にならんほど目的もタイミングも良いものだった。が、1つだけ不安要素があった。それはオレのヒザ。
　
　3月のシリーズ「NEW JAPAN CUP 2010」中に歩けなくなるようなケガを負ってしまった。実は年明けくらいから今回のメキシコ遠征は決まっていて、無理をしてヒザを悪化させ行けないとなると国境を越えて多大な迷惑を掛けることになる。しかし、日本での試合も絶対に休みたくないし。で、ギリギリの状態で3月のシリーズを終え、迎えた4月のシリーズ。それは5月3日の「レスリングどんたく 2010」に向かっていく、これまた超重要ものだった。
　
　「4月の試合休んでヒザをしっかり治してメキシコ行けばいいんじゃない」と、嫁さんが言った。まったくの正論だ。満足に動けない状態で試合に出続けてパンクし、どちらもダメにするよりも、まずしっかり治すことが大事に決まっている。
　
　けどね。
　
　オレにとってはどっちも大事。そういう性格なんスよ!つーわけで、5月3日の試合を終えたときの達成感(負けたけど)とギリギリ感っつーかスレスレ感は過去最高だった。まぁ案の定、ヒザはちっとも回復してない上に中1日で明後日5日にはメキシコ出発という過密さ加減。
　
　そんな一抹の救いもない状況に不安感が津波のように押し寄せて来ていた出発前夜。オレはスゲェ悩んでいた……
　
「プロテイン何キロ持っていこうかな♪」
　
　……もうお願いだから、さっさと出発して、はた迷惑な呑気さを海外に置いてこいっつーのッ!!!
　
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　抜粋はここまで!
　
　続きが気になる方は、トップページ→日記「オレ☆書きます」→ページ下部の「特別『メキシコ超人列伝』」、の項目から全編を確認して下さい。
　　
※前編の目次!!
●はじめに
　
●第1章「海を渡った逸材編」
舞い降りて来て
伝言ゲームと投げキッス
気付いてエクステンション!
実か華か
　
●第2章「不屈のエース編」
マヌエル!マヌエル!マヌエル!
美人注意報
短所的長所
時間よ進め!
ギジェルモの夜
　
※通常の棚橋弘至の選手日記は深夜24:00に更新されます。
※後編は7月に掲載予定、お楽しみに!!