「これも成長するための試練」/棚橋弘至選手記者会見
新日本プロレスを突如襲ったブロック・レスナー選手IWGPヘビー級王座剥奪の激震。それから一夜明けた7月16日、旭川大会の試合開始前、棚橋弘至選手が記者団の前に姿を現し、その胸中を告白した。
前日の釧路大会の試合後、「ファンに土下座したい」と鎮痛な面持ちでコメントした棚橋選手だったが、いつまでもクヨクヨなどしていられない。「プロレスラーなので全てを受け止める。これも成長するための試練」と晴れやかな表情で言い切った。
「IWGPは僕の中でまだ黄金に輝いています。少しもモチベーションは下がっていない」と話す棚橋選手の気持ちは、すでに17日の月寒グリーンドーム大会で開かれる事となった「第45代IWGPヘビー級王者決定トーナメント」に向いている。
棚橋選手は釧路大会終了後の午前3時頃、屈斜路(くっしゃろ)湖にダイビングした事を記者団に告白。肌を切るような寒さの中で、見上げた夜空に輝く美しい星を見て、完全に気持ちが切り替わったという。
同トーナメントの参加者は、棚橋選手の他、永田裕志、天山広吉、ジャイアント・バーナード、トラヴィス・トムコ、曙の各選手。強豪ひしめくワンナイトトーナメントは、逆にIWGP王座への道のりを遠ざけるものになりかねない。
しかし、「厳しいのはみんな一緒。あとは自分を信じるだけ」と、棚橋選手の信念には少しも揺らぎはない。ファンが待望する“次世代のエース”が、IWGP初載冠へ向かってアクセルを全開にした。