■ベルトがあれば自分で流れを動かせる。なんとなくシステムがわかってきたというか(柴田)
——さて、今回は1.4東京ドームに関して、お二人に伺いたいんですが。まずは、今年の「WORLD TAG LEAGUE」に優勝後、周囲の反応はいかがですか?
柴田 あ、思ったよりも反応はありましたね。
後藤 ウン。けっこうありましたね。
柴田 そのへん、やっぱり今回は「“結果”が出たことが大きな反響に及んでるんだな」と。とくに自分は新日本に復帰してから、こういうかたちで結果を出したのは初めてなんで。
——柴田選手が復帰されてからは、たしかに初ですよね。
柴田 だから、「結果って大事だな」と。そういう実感はありましたね。
後藤 やっぱり周囲の声もそうだし、ファンからの期待感……。「期待されてるな」っていうのはヒシヒシと感じてます。
——ちなみに後藤選手は2012年にも「WORLD TAG LEAGUE」には優勝してますよね。
後藤 そうですね。あのときはカール・アンダーソンでしたけど……。
——パートナーが柴田選手とでは感慨が違いますか?
後藤 やっぱりアンダーソンとは急造タッグって感じだったんで。でも、柴田とは今年から1年間。ずっと一緒にやってきた。そのぶん思い入れは入っちゃいますよね。
柴田 しかも、「闘って→組んで」という必然の流れもあったので。
後藤 そういう意味では、「獲るべくして獲った!」的な感慨はありますね。
——柴田選手は、「記録の次は“勲章”がほしい」とマイクアピールしました。
柴田 まぁ、ひとつ記録は作ったし、結果は残したんですけど、形が残ってないんでね。「優勝しました」っていうのは形としては手元にない。……自分はベルトへの意欲は、ずっとなかったんですけど、中邑(真輔)とのインターコンチ(ネンタル選手権)とかをやっていく中で、「ベルトっていうのは大事だな」と。ベルトの大切さ、意味っていうのがちょっと見えてきて……。
——「ベルトの認識が変わってきた」というコメントは中邑戦の前にもされてましたね。
柴田 ハイ。「ベルトがあれば、自分から流れを動かせる」っていうね。そういう部分が見えてきた。なんとなくシステムがわかってきたというか(笑)。
——ようやく新日本のシステムがわかってきたと。
柴田 フフフ。そこが、わかってきたんで、「じゃあ、いっちまおうぜ?」っていう感じですね。
■同じバスで巡業を移動して、隣の席に柴田がいるっていう状況は、懐かしさがありますね(後藤)
——そういう意味では、後藤選手もベルトから遠ざかってますが?
後藤 ええ。そのへん、常々俺も考えてたことですから。それに、いまタッグ戦線って、そんな盛り上がってないじゃないですか? じゃあ俺たちがベルトを奪って変えてやろうかと。
——正直、お二人がベルトを獲ると、かなり状況は変わってくると思います。
柴田 しかも「この2人で獲る」ってことに、凄く意味があると思うんですよ。それはホントに、高校の時から鎬を削って、同じ釜の飯を食って、汗をかいて一緒にやってきた。そういう物語もありますから、この二人がベルトを獲ったら、凄く重みのあるモノになると思います。
——お二人とも優勝後の会見では、「パートナーがあっての」というコメントもされていました。
柴田 今年の1.4までの道と、1.4からの道があって、さらに来年の1.4までを目指してきた。「こうなりたい」「こうしたい」って目標があって、実際そこまで辿り着いた。そこから先はまだ何も決まってないけど。これまでも、道がないところを試行錯誤、紆余曲折しながらも進んできて、今は一本の道になってる。その道が最終的にベルトに通じてたっていうのは、運命的なものは感じますね。「道って、こうやって自分たちで作っていけるんだな」と。
——新日本ファンも、立場を変えた柴田選手が、後藤選手とのタッグに力を入れていることを歓迎している気がします。
柴田 そうですね。そこは本当に思います。
——あと、お二人で巡業に回ってみていかがでしたか?
柴田 巡業もやっぱり1日1日が……。まぁ、もちろんいい時も悪い時もあるんですよ? 手応えを感じた日、感じない日はあるんですけど。行く先々で試合をして、その土地のファンの方達に喜んで見てもらってね。「自分たちがエネルギーを与えてるようで、実はもらってるな」ってのも感じるし。そういう気持ちを「倍にして返したい」「期待に応えたい」っていうのがリング上の力になるっていうのは、凄く思いましたね。
——プロレスって、そういう日々の積み重ねを大事にするジャンルでもありますよね。
柴田 そうですね。
——後藤選手は、同級生の柴田選手と新日本の巡業を回って、不思議な気分にならなかったですか?
後藤 そうですね。やっぱり同じバスで一緒に移動してて、隣の席に柴田がいるっていう状況は……。
——あ、席はやっぱり隣なんですね(笑)。
後藤 ハイ。隣ですね(笑)。気を使ってもらったのかもしれないけど。そのへん、懐かしさもありますよね。で、行く先々で応援してもらって、それを試合で返す。それを柴田と一緒にできるのが嬉しいですね。
■俺のこの1年の経験値の稼ぎ方はハンパないですよ。そこが全部出ちゃったらヤバいですよ(柴田)
——あと、2014年4.6両国大会でも同じカード(カール・アンダーソン&ドク・ギャローズvs後藤洋央紀&柴田勝頼)のIWGPタッグ選手権が組まれてますが、あの時とは状況は違いますか?
柴田 いや、あの時と一緒だったら困りますよ!
後藤 この1年、やっぱり経験も違いますし、今年1年ずっとタッグをやってきて、それを含めた上での次の試合なんで、あの時とはまるっきり違いますよ!(力を込めて)。
——この1年で着実にタッグのクオリティが変わってきたと。
後藤 ウン。経験値は段違いですよね。
柴田 あとね、俺のこの1年の経験値の稼ぎ方はハンパないですよ。申し訳ないけど、とくに今年の3年目は経験値の稼ぎ方がハンパない。そこが全部出ちゃったらヤバいですよ。そのへんは全部、自信になってますね。
■誤爆? 逆に高校の時、ガツガツスパーリングやってた時のことを思い出したりします(後藤)
——柴田さんは、久しぶりの体験だったと思うんですけど、やはり巡業は大切ですか?
柴田 そうですね。巡業がやっぱり回れないと、シッカリと回れないとってのもありますね。
——ああ、そういった実感がありましたか?
柴田 ありますね。もちろん大きい大会だけ出場っていう形もアリだとは思うんすけど、やっぱり最近になって、巡業をシッカリ回ってみて思うのは、他の選手は、みんなやって来ていることなんで。「そこはしっかり回らないと」っていうのは、自分が回ってみて思いますね。巡業を回って初めて、みんなと平等というか。
——後藤選手はかなり、早い段階から、「柴田を巡業に連れて行きたい」ということをおっしゃってました。
後藤 もうね。早く一緒に行きたかったですよ。やっぱり同じことを思いますね。巡業を回ることで、経験値は格段に上がっていきますから。
——あと、このタッグは……少し言いづらいですが、試合中の誤爆も多かったですね。ただ、それに比例して、ドンドン絆も深まってきた印象で。
柴田 いや〜、そんな「誤爆で仲間割れ」みたいなね。そういう一昔前のスタイルじゃないんですよ? 俺らのタッグはそんなもんじゃないですから。誤爆があったとしても、逆に後藤のラリアットの威力が確認していましたよ。「オイ、今日のラリアット、スゲーな」「オッケー!」って感じで。
——逆に調子いいじゃないかと。
後藤 フフフ! そこも信頼関係ですよ。
柴田 そういう確認もできるし、そこは信じるしかないですね。仲間を信じてこそのタッグですから。
後藤 誤爆とかあっても、逆に高校の時、ガツガツスパーリングやってた時のことを思い出したりしますから。
柴田 そうそう。もう、ケンカみたいなスパーリングしてたもんな?(笑)。
後藤 普通に、危ないスパーリング、バンバンやってましたから(笑)。
柴田 いまに始まったことじゃないですよ。ホントに、今年の最初の大会でシングルやって、タッグ組んで、西武ドームでシングルやって。そこでひとつは完結してるんで。いまさら誤爆どうこうとか、仲間割れとか、そういう薄っぺらいのはないですね。
★PCではここまで!!
後半は、
■誤爆? 逆に高校の時、ガツガツスパーリングやってた時のことを思い出したりします(後藤)
■今年、後藤戦をやったときは、「こんなにドームの空気って動かせるんだ?」って驚いて(柴田)
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