The Prospects for「G1 CLIMAX 2009」(6)/8月13日愛知県体育館 大会展望
「G1 CLIMAX 2009」8月13日名古屋大会。ここでは、今年の「G1」で最も注目すべき一戦が実現する。
Aブロック公式戦で、現IWGPヘビー級王者・棚橋弘至と対峙するのは、ハッスルより飛来した史上最大の異端者・TAJIRI。
「ぜひ、ハッスルのリングに上がって欲しい」と棚橋へ熱烈なラブコールを送ったTAJIRIは、7月20日札幌大会へ視察に訪れた。そして、杉浦貴(プロレスリング・ノア)とのIWGPヘビー級選手権試合に棚橋が勝利したのを見届けると、リングに登場。棚橋の顔面にグリーンミスト(毒霧)を浴びせて左目を負傷させるという暴挙に出た。
怒り心頭の棚橋は、TAJIRIの「G1」参戦を提案。これが認められる形となったものの、「G1」の権威を重要視した菅林直樹社長は、TAJIRIへクリーンファイトを要求。すると、TAJIRIはその誓約書にサインを入れながらも、菅林社長の顔面にグリーンミストを噴射した。
「G1」が開幕しても、TAJIRIは対戦相手たちに次々とグリーンミストを噴射。反則負けを食らうと、「裁定がおかしい」などと徹底的に新日本プロレスを罵倒している。そんなTAJIRIにとっての本命は、シングル戦で棚橋と交わることであり、ここでまた新たな行動に出ることも考えられる。一方の棚橋としては、自身のリベンジマッチという目的もさることながら、新日本のエースとしてTAJIRIの暴走にけじめをつけねばならない。前代未聞の展開となった今年の「G1」は、この一戦で最大のヤマ場を迎える。
セミファイナルでは、永田裕志と中邑真輔がBブロック公式戦で激突。対戦するたびに激しいしのぎ合いを見せる両者の一騎打ちは、今大会屈指の好カードである。
両者の「G1」で思い出されるのは、2007年大会の準決勝。この時も壮絶な闘いが繰り広げられ、永田が中邑の肩を破壊し、ドクターストップで勝利するという衝撃的な結末となった。2008大会では、今回と同じ名古屋大会での公式戦で対戦し、ここでは中邑が前年の雪辱を果たしている。
今回、中邑はCHAOSのメンバーとして「G1」にエントリー。自身の主張を証明するかのようなファイトで、無傷の4連勝と快進撃を続けている。しかし、永田はこれまでの中邑の行動に疑問を投げかけており、その真意を汲み取るべく、さらに厳しい闘いを挑んでくることが予想される。今年の「G1」の行方を決定づける注目の大一番と言えるだろう。