永田裕志スペシャルインタビュー/「リング上は闘いでも、G1は“お祭り”ですから」
各地で熱戦が続く「G1 CLIMAX 2009」において、Bブロックで現在2勝1分けと順調に勝ち点を伸ばしている永田裕志。様々な方法で話題を提供しつつ、8年ぶり2度目のVへ向けて好調をキープする“青義”を直撃した——。
–さっそくですが、各地域のプロ野球チームのレプリカユニフォームを来て入場している事が話題となっていますが?
永田「(笑)まぁ、全国を周っていて、地域の特色というか。自分の乗っている気持ちをアピールすると同時に、ファンの人達と共に盛り上がりたいと思った時に閃きました。話題を提供するのもそうですけど、「G1」というのは、リング上は闘いであっても“お祭り”ですから。盛り上げるという部分でのちょっとしたコラボレーションで、試合以外でも楽しんでもらえればなと。色々と協力してくださった方達には感謝しています」
–では、公式リーグ戦の初戦となった後藤洋央紀選手との試合を振り返って頂けますか。
永田「本当に新日本ファン好みの試合というか。色々なスタイルがある中で、新世代の一角である後藤とこういう試合ができて良かった。俺にとっては、結末、中身を含め、狙い通りの完璧な試合になった。ただ、後藤の場合は波があり過ぎて、横から見てるとじれったくなる時があるんですけど。こと俺の前に立つ時だけは、常にいい状態というか(苦笑)」
–そして、2戦目は初遭遇の杉浦貴選手でしたが?
永田「様子を見ている内に時間が過ぎちゃって、残念でしたね。杉浦となら、もっと凄い試合ができる可能性はあるし、手応えも感じた。お互いがベストな時にもう1度闘いたいですね。俺は試合後もスタミナ万全で全然大丈夫だったんですけど、向こうは病み上がりで来ているから、結構まいっていたみたいで。そういうのが何処かで頭にあったのかもしれないので、俺が優しかったかなと。まぁ、レスリングをやっていた頃、彼は階級が1つ下でよくスパーリングをしていたので、序盤のグラウンドでは昔の動きを思い出して、俺的には懐かしかったですね」
–昨日(8月10日)の横浜大会では、同世代の天山広吉選手を退けましたが?
永田「体調は良くなかったですよね。でも、満身創痍なのは天山だけじゃない。その中で、彼の意地を感じたし。同世代で凄い試合を見せるのが世間へのアピールにもなると思う」
–同世代という部分では、本日(8月11日)の後楽園大会のメインイベントで中西学選手と激突しますが?
永田「シングルは約4年ぶりですね。まぁ、(今年5月の)IWGP(ヘビー級王座)初戴冠など、色々な意味でいい刺激をもらいましたし。どんな試合でも彼のテンションは変わらないですよね。そこは見習いたい。これぞ“新日本ぽい”試合というか、俺らはガツガツしたぶつかり合いを長年やってきていますから、その歴史の歩みを見せられれば。後楽園という箱ではもったいなかったなという試合をしたい。中西学の潜在能力はよく分かっているので、それを自分の頭脳でどう操りながら、掌に乗せられるか? それとも向こうが自分の範疇を超えるか? ただ乗せる自信は十分ありますよ」
–同じBブロックでは、現在、中邑真輔選手が無傷の4連勝中ですが?
永田「今の中邑から感じるのは、新日本のリングに常に無きゃいけない嫉妬やねたみ。そういうものがにじみ出ていて、新日本のレスラーらしくなってきたなと。かつては、そういうものを受ける立場だったのだろうけど、今の周りや体制に不満があって、立ち位置を変えたのでしょう。これが自分のやりたい闘いだというアピールであって、別に悪い事をしたかった訳じゃないだろうし。スキルがどうのこうの以上に、レスラーとして人間味や色気が出てきた。いい潜在能力を持っていても、そういう感情が見えないと、ファンもつまらないだろうし。膝蹴り(ボマイェ)を必殺技にしているけど、これも元の立ち位置のままだったら響かない技でしょう。彼はデビューしてから、あまりにも順風満帆すぎて、逆に面白みが無かった。今回みたいな経験する事で、新日本の“本流”を行く選手になってきているのかなと」
–中邑選手とは、昨年、一昨年と3年連続で「G1」の舞台で対戦しますが?
永田「2年前に左肩を壊された恨みは、去年の試合だけじゃ消えないでしょう。俺としては、自分の全てをぶつけて、中邑をめいっぱい叩き潰したいと思います」