『ベルク Presents WRESTLE KINGDOM 18 in 東京ドーム』1月4日(木)東京ドーム大会で、IWGPジュニア王者・高橋ヒロムに挑むエル・デスペラードに直撃インタビュー!
撮影/中原義史
■『ベルク Presents WRESTLE KINGDOM 18 in 東京ドーム』
2024年1月4日(木) 14:45開場 16:30試合開始
東京・東京ドーム
☆チケット情報 ☆対戦カード
※「ロイヤルシート」「アリーナA」「アリーナB」「バルコニースタンド」「車椅子席」は完売となりました。
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■簡単に言えば同期ですよね。ライバルっつうか、それはちょっといまニュアンスとしては難しいな。ライバルにすらなれてなかった人間がアイツに引っ張り上げてもらったってだけですね
――さて、デスペラード選手。まずは、11月末に目の手術をされましたが、現在の状況というのは?
デスペラード まだ全然ズレてますよ。目だけで上を見ると、右目と左目の目ん玉の動ける範囲にズレがありますけど、正面を見る分にはたぶん問題なくなってきました。
――試合をするとなるといかがですか?
デスペラード ウ~ン。「組んでやればなんとかなるんじゃねーかな」ぐらいですね。まあ、あともう少し時間もあるし大丈夫でしょ。
――今回、11.4大阪大会で指名を受ける形で1.4東京ドームにて高橋ヒロム選手の持つIWGP ジュニアヘビー級王座に挑戦が決まりましたが、その時の心境は?
デスペラード 正直、「最悪のタイミングだな」とは思いましたね。実際、手術自体は決まってたので、1.4のランブル戦はちょっと入りたくないから休むかなぐらいでしたから。人数多いとズレた状態で、あんだけたくさんの人に囲まれた状態で試合するとなにが起こるかわからないので、マジで休む気でした。
――あそこでタイトル戦をやると決めた理由というのは?
デスペラード まあ、あそこで断ったらアイツの顔も立たないでしょうし、新日本に相談してなかったボクも悪いですからね。手術することは伝えてたんですけど、手術してあの段階でどれぐらい日程がほしいっていうのは伝えてなかったし、「あそこでオーケーって言わないと場の空気も最悪だよな。これからメインだし」って思いながら、いろいろ考えてました。
――そうだったんですね。ここからはヒロム選手との関係性について伺っていきたいと思います。周囲からは、お二人は“運命のライバル”とも言われますが、あらためてヒロム選手はどんな存在ですか?
デスペラード まあ、簡単に言えば同期ですよね。ライバルっつうか、それはちょっといまニュアンスとしては難しいなと。ボクが全然うんともすんともいってないレスラーだった時に、彼はずっとタイトル戦線で身体を張ってて、当時はTwitter上だったかな? ボクが声かけてアイツが反応してくれて、そこでそれなりに試合で評価されるようなことができて、ボクもアイツと同じレベルに立てたと思えば、ライバルにすらなれてなかった人間がアイツに引っ張り上げてもらったってだけですね。いま現状どうかっていうのは周りが評価すればいいことで、ボクはそこをなんとも(思ってないですね)。
――昔のインタビューでは、かなりご自身のことを低く評価されてましたよね。
デスペラード 謙虚は美徳っていうのは行き過ぎるとただの卑下になって、自分の価値を下げるだけなんですけど、基本的にボクは自己評価っていうのをしないんです。自分で自分の価値を高いって風潮する人間をボクは評価しないというか、「ベルトの価値を越えた存在だ」って言うヤツがいたとしたら、「じゃあ、ベルトってなんだよ?」「その戦線からいなくなれよ」としか思わないので。あくまでベルトを持ってるか、持ってないかっていうのが選手の価値であるべきだと思います。
――ベルトの有無も判断基準であると。
デスペラード 会社からしたら選手の価値っていうのは、客を呼べるか、チケットが売れるか、金が入るか。それは会社が判断すればいいこと。
――とはいえ、ヒロム選手が怪我でベルトを返上し、デスペラード選手がベルトを獲ったあとの活躍ぶりは、おたがいの勝ち負けじゃないという部分でも競っている印象もありました。
デスペラード あのへんは磁場が狂ってましたね。俺が初戴冠してから、コレは俺がやりたかったことですけど、飯伏(幸太)さん(2021年3.4日本武道館、IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合)とかね。そのあとオカダ(・カズチカ)さん(2022年3.2日本武道館、『NEW JAPAN CUP 2022』1回戦)……1年間で武道館のメイン3回やったんじゃなかったっけ? ほぼ負けるっていう、“逆武道館男”ですよ(笑)。
――ベルトを初戴冠した当時、返上したヒロム選手の想いと言いますか、自分がなんとかしなきゃという意識はありましたか?
デスペラード ないんじゃないかな。そんなにボクはいいヤツじゃないですよ。
■アイツのそういう自分で夢をつねに言い続けることで自分にハッパをかけて、自分の心を燃やしてエネルギーにするっていう才能はやっぱすごいと思いますよ
――では1.4東京ドームの話に戻しますが、王者・ヒロム選手は今年の1.4東京ドーム大会でベルト奪取後、一度も王座陥落することなく、7度の防衛に成功して1年間ベルトを保持してきました。この点に関してはいかがですか?
デスペラード 単純に「うらやましいな」としか思ってないですね。ベルトを持ってるだけで注目を浴びて、それだけでハードな試合が増えるので、それでずーっと防衛し続けるっていうことは、体力も気力も必要になってくる。そのうえで防衛していて、しかもあれだけの選手をジュニアの祭典に引っ張り出して、ヨソの団体にも出ていろんなことをやってきて、アイツのそういう自分で夢をつねに言い続けることで自分にハッパをかけて、自分の心を燃やしてエネルギーにするっていう才能はやっぱすごいと思いますよ。
――ヒロム選手の精神的な強さに目が行くと。
デスペラード そうですね。ただ、いろんなとこから聞いてると、じつはアイツって試合前めちゃくちゃナーバスになって、ネガティブなイメージしかなくて、逆にボクはそれがまったくないんですよ。
――では、今回も東京ドームでのタイトルマッチという部分での気負いはないですか?
デスペラード 行けば緊張すると思いますけど、いまのところ何とも思ってないですね。このあいだの4WAYの入場の時もなんともなってなかったけど、ただ唯一緊張してるのはヒロムの入場って、“爆発しがち”じゃないですか。
――爆発しがち。たしかにそういう特効(特殊効果)は多いですね。
デスペラード (今年の1.4で)俺はホントに裏でオシッコ漏らしそうになりましたもん! だって、東京ドーム中に響くドーンっていう爆発音で腰から砕けて、そこで1回全部やる気をなくしましたよ(苦笑)。あと、これは俺のタイトルマッチ(2021年7.25東京ドーム大会)だったけど、ベンチから入場したらすごいスモークが出て心臓が口から出そうでしたので、特効には警戒してます。
――今年のIWGPジュニア王座戦は4WAYではありましたが、結果的に3年連続でヒロム選手と東京ドームでタイトル戦が決まりました。今回の一戦ではどんな闘いを見せたいですか?
デスペラード とくに気負いはないですし、なんにも変わらない。なにを見せたいって言ってリングに上がって、それ見せて満足するのもイヤだし。あとは見たいように見てくれたらそれでいいんですよ。「プロレスはこうやって見るもんだ」とか「この試合はこうだ」とか、やってもいない人がウンチク語るのも好きじゃねーけど、見方はホントに人に任せます。説明し切ってないところをお客さんが脳内で「こうだったんじゃないか?」っていうのもいいじゃないですか。しゃべり過ぎは野暮ですよ。
――なるほど。王者・ヒロム選手は東京ドームのメインでのタイトル戦にこだわりがあります。デスペラード選手は試合順に関していかがですか?
デスペラード 興味がないですね、試合順も試合場所も。
――あ、興味がない。
デスペラード だから、今回東京ドームの前だからって、こんなに豪勢に煽りVを撮ってもらったり、インタビューも撮ってもらって申し訳ないですけど、高橋ヒロムとやるのであれば、それこそ新木場(1stRING)でも(新宿)FACEでも秋葉原のどっかの駐車場とかでも全然いいんですよ。アイツとの関係性であればどこでやったっていいです。
――それはジュニアの扱いと関係なく?
デスペラード それはまったく関係ないですね。いまAEWの解説をやらせていただいて、いろんなものを見てきたら、やっぱり「試合順に固執する意味ってなんだ?」って考えちゃって、なんかあんまりそこの興味は薄れましたね。
――では、IWGPジュニアヘビーのベルトに関してはどう捉えていますか?
デスペラード それはやっぱ所属してる以上、「この選手が一番で、これがウチの看板ですよ」っていう証なのでそれは必要です。それは絶対に欲しい。
――試合順におけるジュニアのベルトの地位というのは?
デスペラード 新日本が考えているっていうか、世界中がそうでしょ? ヘビーのシングルのタイトルが一番デカいと思ってるんだったら、それがメインで十分ですよ。「スペシャルシングルだとか、ジュニアがメインだとか、そういうのはなくていいんじゃないの?」って。そこで争うことがナンセンスだとすら思ってます。
――IWGP世界ヘビー級選手権がメインでも異論はないと。
デスペラード どっちがメインとか、そんなのヘビーのベルト一個そこに置いときゃいいじゃねーかと。ジュニアの地位向上に対して、「そこをひっくり返すのもモチベーションにならないのか?」っていう声も聞こえてきそうですけど、ボクはそう思ってないですから。別のものを見せればいいんですよ。
■あえて下のヤツって言い方をしますが、「もうちょっと、お前らエゴを出せ」と下のヤツらには言っておきます
――ここでデスペラード選手の2024年の展望、抱負をお願いします。
デスペラード 2023年はいろんな方と闘うこともできたし、組むこともできて、非常に楽しく刺激的な一年を過ごせたので、2024年はもっと幅を広げたいですよね。だからと言って、突拍子もなく大日本(プロレス)さんに上がらせていただきたいとかそういうことじゃなくて、「いま一番出たい興行は?」ってふと思ったのは『BAKA GAIJIN』ですから(ニヤリ)。
――『BAKA GAIJIN』ですか!?
デスペラード あそこでデスワームとやりたいな。大会場で大観衆の前でっていうのにまったく興味がなくて、やっぱこう特殊な環境であればあるほど楽しいんですよ。それを味わいたいですよね、ベルトを持ったまま。『BAKA GAIJIN』でデスワームとIWGPのシングルマッチやったら面白かろうな(笑)。クリス・ブルックス(DDTプロレスリング)、オファー待ってます。まあ、会社から「余計なこと言うな」ってすごい怒られそうだけど、「そこはなんとか新日本のためになるような試合をしてきますから」って。やりてぇな、デスワームと……。
――そこが2024年の目標ということで大丈夫ですか。
デスペラード 2024年の目標は、『BAKA GAIJIN』でデスワームとIWGPのシングルのタイトルマッチをやる(笑)。
――では新日本マットでの目標は?
デスペラード とりあえず、1.4でベルトを獲った場合、まず石森(太二)選手を引っ張り出そうと思ってます。だって、いまの状態ってラスボスみたいなもんでしょ? いま金丸(義信)選手がああいう状況でまったくタイトルとか見向きもしてないので、ヒロムから獲って石森選手に防衛戦。
――その先の野望は?
デスペラード 次はワトもSHOもYOHとか、いま新日本に上がってるジュニア勢全員で挑戦者決定トーナメントとか、挑戦者決定リーグをやらせて、1位になったヤツとボクがやるぐらいのでもいいですね。それは『NEW JAPAN CUP』的なジュニアが特に日の当たらないシリーズとかでやらせて、ボクは休んでます(笑)。
――そして、その先には『BEST OF THE SUPER Jr.』も控えてます。
デスペラード ちゃんとベルトを持ったままでも優勝する。今回、毘沙門がベルトを持ったまま(『WORLD TAG LEAGUE』を)3連覇してるじゃないですか。「チャンピオンが優勝できない」っていうジンクスが最近壊れた例もあるので、「じゃあ、できんだろ?」「いい加減、優勝しておかないとダメだろ?」と。で、もし俺がIWGPを持ったまま『SUPER Jr.』優勝できたらその時は「金丸さん、出てきてくださいよ」っていう話で。まあ、優勝したらの話だけど。
――ベルトを手にした先の野望をいろいろ伺いましたが、やはりベルトは必要ですよね。
デスペラード そうですね。まあ、新日本プロレスのチャンピオンって何を言ったって通らないんですけど、ヨソから見た時にジュニアのチャンピオンがモノ言ってるっていうのはデカいはずなんですよ。だったら、ヨソに対してなにか発言した時に少しでも新日本のエル・デスペラードが言ってるだけじゃなくて、新日本のIWGPジュニアチャンピオンが言ってるってなったら、ちっとは他の会社も考慮してくれるんじゃねーかっていう計算はありますよね。
――なるほど。
デスペラード ただ、いつまで経ってもお客さんが「石森、ヒロム、デスペラードの3人でベルトを持ち回りしてんじゃねーか、つまんねーな」っていうのは、「俺たちのせいじゃねーんだよ!お前らのせいなんだよ!」っていうのを、ワトとかSHOとかYOHとかそのへんには「ちゃんとわかってください」と言っておきます。
――あらためて、ヒロム選手との一騎打ちへ意気込みをお願いします。
デスペラード 正直、2人ともこの1年間でたくさん外に出てきて、自覚はないですけど、いろんなものを吸収して帰って来てるはずなんですよ。とくにヒロムなんかは今回、平田さん(DDT)とやったやつで「やっぱりコイツそっちの方向の爆発力ってスゲーな」と思ったんですよ。で、今回はそんないろんなものを経験したボクとヒロムがシングルマッチやります。でも、このシングルってべつにボクらが出たところを競わせるわけじゃないので、「そこは間違えないでくれよ」というのはありますね。あくまで、高橋ヒロムとエル・デスペラードのシングルマッチであって、「よそは関係ないよ」って。あらためて思えば、こんな気の狂った2人が同期っていうのもどうしようもない世代だなと思いますね。
――先ほど厳しい声もありましたが、2024年はその下の世代にも注目してきたいですね。
デスペラード 悪いけど、「これくらい自分で風呂敷も広げられるヤツが俺たちにかかってこないと箸にも棒にも掛からないよ」って思いますよ。あえて下のヤツって言い方をしますが、「もうちょっと、お前らエゴを出せ」と下のヤツらには言っておきます。そのうえで、石森選手に勝った高橋ヒロム、それとやる挑戦者。ってことは、一応新日本ジュニアのトップの2人が闘うってものなので、その試合を見て勝てる思ったヤツがかかって来いよと。
――そして、来年の1.4東京ドームですが、じつはデスペラード選手にとって凱旋10周年となります。
デスペラード 10年も経っちゃったよ……。
――凱旋10周年に向けていかがですか?
デスペラード いま言われて「ゲエッ!」と思ったくらいです。ホントにボクは数字とか過去のことを覚えるのは苦手で、誰とどんな試合をしたっていうのはだいたい覚えてるんですけど、それが何年の何月っていうのはまったく覚えてないんですよ。だから、「10年です」って言われて思ったのは、「そのうち俺は何年ちゃんとトップにいられたんだ?」っていうことですね。
――ご自身としてはいかがですか?
デスペラード たぶんここ3年くらいです。だから、時間かかってるんですよ……。
――ズバリ10周年でなにかやりたいことは?
デスペラード 「10周年です」っていうことに恰好つけて、「なにか好きな興行を勝手にやっちまってもいいのかな?」とは思いましたけど、10周年って言い訳でしかなくて、10年を祝う気はさらさらないです。クソどうでもいい。
――では、最後に1.4東京ドーム大会への向けて意気込みをお願いします。
デスペラード お前はあの時、俺に「楽しもうぜ」って言ったけどな……楽しませてやるよ(ニヤリ)。
※無料公開はここまで!
★後編では他団体戦など多忙を極めた2023年を振り返り!さらには現在の新日ジュニアをブッタ斬り!
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