■小島選手のコメント
「このシリーズ、ずーっと試合後に助けたり助けられたりというのを繰り返してきまして。27日の今治大会のときに、握手だけではなくて、直接、天山選手の気持ちを知ることができました。新しい何かをやれるのであれば、やっぱりやりたいと思っていますので、今回、会社のほうにお願いして、このようにしてもらいました。また、今回、こうやって組むことになりましたけど、ある意味、いろんな危険もありますし、期待もありますし、不安もありますし、いろんな気持ちが渦巻いている状況です。ただ、その中でいま自分自身が見せられるテンコジというものがあるのであれば、それをたくさんのファンの方に見ていただきたいないうふうに強く思ってますので、がんばりたいと思います」
■天山選手のコメント
「このたび、正式に私と小島が、再びタッグを組むことになりました。たしかにちょうど1ヶ月前、(11月12日)大阪大会の決着戦に向けての記者会見がありましたけど、そのときは小島に対してさんざんボロカス罵りましたし、あのときはホントに自分の気持ちをストレートに出しました。あれだけ感情をむき出しにしたので、こうしてタッグをもう1度組むというのも、ちょっと不思議な気分なんですけども。とにかく、いろんな意見があると思いますけど。自分自身このシリーズを通して、助けられたり、自分が助けたり、いろんなことがありましたから、自分の気持ちの変化として『ここは何かやらなきゃいけないな』と気持ちが変わりましたし。また、それ以上にお客さんの期待をすごく感じましたしね。やっぱり、リングに上がる以上、お客さんがよろこんでもらえるような試合もやりたいし、『期待していただけるようなことができるんだったら』と思ってね。いろんな声がありますけど、やはりリング上で小島と向かい合ったときに、目を見れば何を考えているかとか、わかりましたからね。自然に体が動いたという部分で。自分が欠場中に、突然、小島が新日本プロレスへ戻ってきて活躍したときに、ホントに『小島とやるまでは死んでたまるか!』『絶対、復帰してやる!』という気持ちをもって、ちょうど1年前、新木場(1st RING)のリングで復帰したあと、小島の名前を出しました。『コイツにだけは絶対に負けたくない!』という気持ちをもって、ここまでやってきました。実際、何度か試合して、やはり『これ以上はやる必要ないかな?』という気持ちもありますし、もう1度、また違うテンコジというものを見せられるんだったら、『やるしかないかな』って。『もう1度、彼と大きなムーブメントを起こしたいな』と思っています。いろいろありましたけど、『水に流して、やっていこうかな』とあらためて思いました。どうぞ期待してもらいたいと思います。よろしくお願いします」
■質疑応答
——ベルトなど、具体的な目標はありますか?
天山「とにかく名古屋が決まりましたし、もしかしたらこの1試合で終わるかもしれないけど、やるんだったら組む以上は、しっかり先を見据えてやっていきたいと思っています。もちろん、タッグのベルトをというのは何度もいままでに経験しているし、『俺とコジが組んだら、ベルトは近いんじゃないかな』という気もします。どんどん積極的にいきたいと思っています」
小島「『新日本プロレスのタッグ戦線を、面白く、活性化したい』と前々から思ってました。ここのところ、自分としてはシングル路線でやってきましたけど、プロレスの醍醐味というのはタッグにもものすごく含まれていると思っていますので、そういうムーブメントを起こせば、自然とベルトというものも近づいてくると思っています」
——今シリーズ中の一連のやり取りを見るかぎりでは、小島選手のほうからタッグ再結成を求めていたようですが?
小島「タッグを求めるというよりは、こうやって何の因果か試合をすることになって、そこで私が(眼窩底)骨折して、欠場して。そこで一つの大きな因縁が生まれたわけで。それは偶然だったのか、必然だったのか、よくわかりませんけども。でも、結局、そのケガが原因でこうやって、また試合をすることになりましたし。そういうものは、『何か一つの大きな運命なのかな?』と感じるようになりまして。『だったら、その運命に変に逆らわずにやってみるのもいいのかな?』と。『自然体な気持ちでやっていこうかな?』というのがありましたので。その先にテンコジというのが、何となく自分の中で見えていた部分だったので。過去に、南海も組んだり別れたりというのを繰り返してきましたけど、いま現在のテンコジというのは一つしかないわけで。現在進行形のテンコジというのは“いま”でしかないので。それを自分自身でも試してみたいというのはあります」
——そういった小島選手の気持ちが、天山選手にも響いた?
天山「そうですね。1回2回じゃなく毎日ように、ピンチのときに、自分が一番気になってるコジが助けにきたし。その中で、『やっぱりコイツとやるべきか』っていう。いままでは想像できなかったですけど、リングに上がって助けてくれるっていうのは、やっぱり心が動きましたし。彼の本気度がわかりましたしね。それに応えるという気持ちで。本当だったら、『そんなの関係ない』というぐらいの気持ちでしたけど、コジの目を見たら『本物やな』と思って」
——前回は2009年の5月が最後でしたが、やり残したことがあるという気持ちですか?
小島「やり残したというか、あのときはお互いに所属団体も違いましたし。いつも別れるときは正直、さみしいのはありますよね。ただ、それは次に行くためのステップというか。『1回別れて、何かあったときには』という思いは、やっぱりどこかにあったのかもしれないですけど、こうやってまた出会うというのも不思議な縁で。こればっかりは、プロレス界の七不思議じゃないですけど、自分も『なんでここまで出会うんだろう?』と思って試合をしてましたし。団体が別れても、ほぼ1年に1回ぐらいの割合で出会ってるというのは、プロレスの神様が勝手に引き寄せているようにしか思えなかったので。そういうものも、いまはキチンと受け入れられるようになったという感じですね」
天山「テンコジを解散してから、自分は自分のために、とにかく死に物狂いでやって来ましたし。また、こうして再結成するというのも、自分の中ではハッキリ言って頭になかったですけど、やはり腐れ縁というかね、いつまでも意識してましたしね。またこうして正式に組むというのは、コジとの友情の何かがあるんじゃないかなっていう。やるんだったら、トコトンもう1度絆を強めていきたいと思いますけど」
——2009年の1月4日東京ドーム大会では、予定されていたIWGPタッグ王座挑戦が、天山選手の負傷で流れたことがありましたが?
天山「そうですね。いま言われて気がついたんですけど(苦笑)。自分にとっても借りというか、自分のせいでできなかったという、大事なことを忘れていましたけども。やはりコジに対して、(借りを)返していかなくちゃいけないという。ただ、新しくテンコジとしてやる中で、コジにも負けたくないし。やっぱりお互い意識しあって、それがいい方向に行けば。しっかりと新生のテンコジを見せていきたいと思います」