新日本プロレスニューヨーク大会3日目はペンシルベニア州アサイラム・アリーナ(元ECWアリーナ)にて行なわれた。
この日は最終日とあって、開場前にもかかわらずライオンマークのシャツ、東京ドーム大会のTシャツなどを着ているニュージャパンマニア約300人が当日券、開場を待つという異常な過熱ぶり。その熱が試合開始まで続き、最終的に観衆は1,500人超満員札止めとなった。
この日は獣神サンダー・ライガーが持つJAPWライトヘビー級選手権試合がアナウンスされ、ケニー・オメガがタイトルに挑戦。オメガがクロイツ・ラスでライガーからベルトを奪取した。
ダン・マッフ&小島聡対バッド・インテンションズの試合で事件が起こった。試合終了後、観衆にリング上でアピールをしている小島に対し、ランス・アーチャー(元ランス・ホイト)が乱入し急襲。するとそこに対しなんとMVPが登場し小島を救出。MVPは改めて小島とのタッグ「コジゴジ(コジマ&ゴジラ)」の再結成をアピールした。
IWGPジュニアタッグ選手権試合は、王者アポロ55がロウ・キー&ホミサイドのタッグ「ストロングスタイルサグ(STRONG STYILE THUG/ストロングスタイルの殺し屋)」を相手に空中戦を展開。昨日のデヴィット対ロウ・キー戦同様、日米のジュニア最高峰のノンストップファイトに観衆は大歓声。最後はデヴィットがホミサイドにブラディサンデーでフォール勝ち。IWGPジュニアタッグを4度目の防衛に成功した。
新設されたIWGPインターコンチネンタル王者決定戦もこの日は行なわれた。選出された8名の中で勝ち上がったのは矢野通とMVP。
矢野は序盤からダーティファイト。レフェリー突き飛ばし、テーピングでチョーク攻撃などやりたい放題。一方のMVPもラリアット、スープレックスで反撃。さらにボーリンエルボーからフィッシャーマンスープレックス。さらにMVPはジャーマン3連発からダイビングヘッドバット。
劣勢の矢野は裏霞で攻守を切り返し、コーナーでレフェリーを巻き添えにして番傘攻撃。攻勢を続けたい矢野だったが、MVPは逆に番傘攻撃からのプレイメーカー。そして必殺のTTBとつなげ勝利。初代IWGPインターコンチネンタル王座に就いた。
試合後のMVPは「アイム・ベリーハッピー!ニュージャパンプロレスリング・イズ・マイホーム!」と喜んだ。
メインイベントは真壁刀義とライノの遺恨決着戦。両者の決着の舞台は、過去にいくつも血で血を争う抗争を展開してきたECWアリーナとなった。
真壁とライノは、チェーン、机、トラッシュ缶、椅子などのハードコアウェポンを次々とリングに投げ込み、決着の舞台の装飾を施す。そして数々のアイテムが耳をつんざくほどに頭に振り下ろされ、観衆は目を覆うほど。ライノがコーナーに机を立てかけ、その机に寄りかかる真壁に対し渾身のゴア。しかし真壁はこれをカウント2でキックアウト。さらにゴアを発射したライノに、真壁はゴミ箱でゴアを迎撃。
そして真壁は椅子攻撃、ゴミ箱をライノの頭に被せて板を振りかざし、チェーンラリアット2連発。さらにリング上に椅子と板でテーブルを作り、そこにライノを寝かせて、トップロープからのキングコングニー。これが決まって真壁が勝ち名乗りの咆哮。観衆はこのハードコア対決を制した真壁にスタンディングオベーションで賛辞を送った。
■試合後のコメント
ライガー「オメガは変則的な選手。飯伏よりも変則的。でもこのツアーはいい経験ができた。アメリカへの通行手形だった。だけどプロモーターが今日の試合を見てまた呼びたいと思ってくれただろうし、また来たいし。日本に帰ればスーパージュニアもあるし。必ず決勝に上がって、オメガに借りを返します。常に前向きに行きます!」
田口「これまでの二日間と違ってタイトルマッチは重みのある試合ですから。IWGPのジュニア、アポロ55というチームを十分アメリカ国民に知らしめる、広めるための素晴らしい試合だったと思います」
デヴィット「今日の試合はいい経験になった。昨日の試合に続いてのタイトルマッチ。もうすぐスーパージュニアが始まるし、ボクとタグチサンは違うプロックだけど決勝で当たれるようになりたいね。(タグチに向けて)ガンバッテ」
田口「IWGPジュニアタッグ、CMLLウエルター級の2冠王として恥ずかしくない結果、新日本の選手としてしっかりした結果、新日本のレスラーとして当然の結果を残したいと思います。“頑張ろうアポロ55”。それがスーパージュニアのアポロのテーマです。」
MVP 「ヘイ!キング・オブ・スポーツ・ニュージャパンプロレスリング!俺はWWEでタッグチャンピオンに2度なっている。WWEでの歴史のなかでだ。だけど今夜は特別な夜。これは夢にまで見たIWGPのベルトだ。俺のヒーローはカワダ、コバシ、ミサワ、新日本ではコジマ、テンザン、チョーノ…。日本のスーパースターと肩を並べる大いなる一歩だ。WWEスーパースターがスーパースター?本当のスーパースターはニュージャパンプロレスリングにいるぜ。俺が初代のIWGPインターコンチネンタル王者になった。オレは夢をかなえた。オレはダレだ!? ブラックゴジラだ!ハハッ!」
矢野「おい、誰だかしんねえけどな、MVPだかしんねえけどな。もう一回だ。俺はしつこいんだ。ここはアメリカだ。次は日本でもう一回やってみろ、勇気があんならよ!」
真壁「バカ言ってんじゃねえぞ。ただよ、ライノのヤローは少しばかりレスラーとしての価値が上がったんじゃねえの? なんでかわかるか? 俺様に負けたからに決まってんだろ。タッグマッチで2試合やったろ。全然エンジンかかんねえうちに試合終わってっからよ。つまんねえたっらありゃしねえ。今日みてえにしょうもねえデスマッチルールとうたっておきながらデスマッチの凶器なにもねえじゃねえか、バカヤロー。まっ、どんなスタイルでもどんとこいだ。ちがうな。観客が求めているものが違う。かといってプロレスがあのクソヤローたちに与える力、それはスゲーと思う。どんな場所でもスーパースターであり続けなきゃいけねえっていう現実だけだよな。ディス・イズ・リアリティーだよ。いいか、これが現実なんだよ。やっとエンジンかかってきた感じだな?]
NJPW INVASION TOUR 2011 〜ATTACK ON EAST COAST〜
5月15日(日)17時開始(現地時間)
ペンシルベニア アサイラム・アリーナ大会試合結果
第1試合 20分1本勝負
○内藤哲也
(10分07秒 スターダストプレス→片エビ固め)
×ヒデオ・サイトー
第2試合 20分1本勝負
○中邑真輔&邪道&外道&高橋裕二郎
(12分47秒 ボマイェ→片エビ固め)
タイガーマスク&ジョシュ・ダニエルズ&チャーリー・ハース&岡田かずちか×
第3試合 JAPWライトヘビー級選手権試合
60分1本勝負
○ケニー・オメガ(挑戦者)
(10分42秒 クロイツ・ラス)
獣神サンダー・ライガー(王者)×
※ケニー・オメガがJAPWライトヘビー級新王者となる。
第4試合 30分1本勝負
○カール・アンダーソン&ジャイアント・バーナード
(14分39秒 ガン・スタン→片エビ固め)
小島聡&ダン・マッフ×
第5試合 IWGPジュニアタッグ選手権試合
60分1本勝負
○プリンス・デヴィット&田口隆祐
(15分18秒 ブラディサンデー→片エビ固め)
ロウ・キー&ホミサイド×
※王者組が5度目の防衛に成功
第6試合 30分1本勝負
○棚橋弘至
(14分45秒 ハイフライフロー→片エビ固め)
デイビー・リチャーズ×
第7試合 初代IWGPインターコンチネンタル王座決定トーナメント決勝戦
時間無制限1本勝負
○MVP
(9分27秒 TTB)
矢野通×
※MVPが初代IWGPインターコンチネンタル王者となる。
第8試合 ハードコアマッチルール
時間無制限60分1本勝負
○真壁刀義
(15分17秒 キングコングニードロップ→片エビ固め)
ライノ×
観衆1,500人(超満員札止め)