4月30日(土)、都内・ディファ有明で開かれた全日本プロレスの『カプリチョーザ presents 2011 GROWIN'UP』の最終戦に新日本プロレスの金本浩二が参戦。稔とのタッグで、シリーズ内で開催されていた『カプリチョーザ prensents 2011 ジュニア・タッグリーグ戦』の優勝決定戦をカズ・ハヤシ&KAI組と闘った。
稔が新日本に在籍していた当時、ジュニアスターズと呼ばれるタッグを組んでいた金本。現在、世界ジュニア王者に君臨する稔の呼びかけに応じ、今回のリーグ戦に参戦。公式リーグ戦を5勝1敗とトップで通過し、本日の優勝決定戦進出を決めた。カズ&KAI組には公式戦で勝利を収めているが、果たして優勝を勝ち取ることができるのか?
入場してきた金本は先に待ち構えていたカズとにらみ合い。両者は既に臨戦態勢だ。これを抑えようとしたKAI。しかし、金本が蹴飛ばすと、KAIがヒートアップし、この二人の先発で試合がスタートした。序盤から、ケンカ腰で顔面を張り合う金本とKAI。金本は稔にタッチしたものの、KAIから「逃げんのか、この野郎!」とつっかけられた。一触即発の両者だったが、KAIもカズとタッチし、リング上は稔とカズの攻防となった。
ここで稔がカズをコーナーに張り付けにして、低空のドロップキックを発射。リーグ戦中に痛めていたカズの左ヒザにダメージを与えることに成功する。金本は得意の足関節でカズの左ヒザに集中攻撃。さらについでとばかりにコーナーに控えているKAIにも制裁だ。金本は、稔がカズに攻撃を加えている間にも場外でKAIとしばき合いを展開。鉄柵に叩きつけてキックを連打だ。
勢いに乗る金本は稔からタッチを受けるとカズとの張り手合戦にも打ち勝ち、さらにキックの連打。稔に試合権利を譲ったあともカットに入ってくるKAIを相手に場外で大暴れした。リングに戻ればカズに足4の字固め、ローキックと思う存分痛めつける金本。ジュニスタは完全にカズを孤立させ、ペースを握り続けた。
カズに逃げられると、KAIの逆襲を浴びたジュニスタ。しかし、金本はKAIとのエルボー合戦、張り手合戦に一歩も引かず、全日本ファンのブーイングが飛ぶ中、顔面ウォッシュを決めてみせた。代わったカズから顔面にステップキックの連打、そしてコーナーでのカズのコンプリートショット+KAIの延髄斬りの合体技を食らったものの、再び稔とのコンビネーションでカズを捕らえ、ファルコンアローで串刺し。さらにアンクルホールドでギブアップを迫った。
カズに脱出されるとエルボー合戦を開始した金本。二人は次第にヒートアップし、なんと拳で顔面の殴り合いを始めたのだった。そんな中、金本は上手くアンクルホールドに切り替える。しかし、ここでも極めきれず、カズとの張り手が相打ちとなりダブルノックダウンの状況に陥った。
それでも主導権を譲らないジュニスタ。金本がしつこく食い下がってくるKAIを場外で制裁している間に、リング上では稔がカズをヒザ十字固めに捕獲する。稔はカズにヒザ十字固めに入ったところをスープレックスで投げ飛ばされる荒技を食らうが、反撃を最小限に抑え、代わったKAIのスプラッシュプランチャーを自爆させて一気呵成の猛攻だ。金本のムーンサルト、稔のFIRE BALLスプラッシュを連続でKAIに炸裂させたジュニスタ。しかし、それでもKAIを仕留め切れない。
場外から帰ってきたカズに金本はトラースキックを被弾。その間に稔がKAIの垂直落下式ブレーンバスターで叩きつけられる。さらに稔はカズのファイナルカット+KAIのダイビングフットスタンプも食らってしまう。救出したい金本はカズをアンクルホールドに捕まえるが、そこにKAIの延髄斬りが飛んでくる。さらにカズのパワープラントでダウンさせられた。その間に、稔がKAIのLAT、スプラッシュプランチャーを浴びて万事休す。遂に稔も力尽き、ジュニスタはあと一歩のところで優勝を逃してしまったのだった。
■4月30日(土) 全日本プロレス『カプリチョーザ presents 2011 GROWIN'UP』 東京・ディファ有明
〔カプリチョーザ presents 2011 ジュニア・タッグリーグ戦優勝決定戦〕時間無制限1本勝負
◯ KAI&カズ・ハヤシ〈全日本プロレス/リーグ戦2位〉 (30分45秒 スプラッシュプランチャ→片エビ固め) 金本浩二&稔〈リーグ戦1位〉 ×
※カズ&KAIが優勝
■金本浩二のコメント
金本 「近藤(修司)とよ、カズを倒してたから、どうにでもなるやろうって余裕かましてたら、ここでKAIが来るとは思わなかった。でも、俺と稔のジュニスタを倒してくれるチームがあったことは喜ぶべきことではありますよね。ここで優勝してしまったら、先がないんで。優勝してしまったら、俺ら敵がいないんで。だから、俺はまた来ますよ? 俺は今度、稔に呼ばれなくても、KAIをぶっ潰しに来る。俺はしつこい性格なんで、やられたらやり返したい。しつこいですよ、俺は。KAIが震えるまで追っかけますからね。まあ、でも追っかけるちゅうのはまだまだかな? でも、ジュニスタ復活して、全日本のジュニアが活性化したと思うし、俺は思いたい。ほんの少しでも活性化してくれたら、凄い嬉しいから。今日のディファに駆けつけたお客さんにありがとうって言いたいな。サンキューって。でも、逃がさないですよ。今度来る時はおまえを恐怖に陥れて勝ったるからな」
■カズ・ハヤシ&KAIのコメント
カズ 「ありがとう。ケガしちゃって、ぶっちゃけKAIに助けられて。凄く頼もしいパートナーでした。KAIよ、俺たちの試合から諦めなければ明るい未来が見えてくるっていうのがみんなに伝わったかな?」
KAI 「それを伝えたくて。このシリーズのテーマでしたから」
カズ 「諦めたら終わりだから。日本全国のみんなに伝わったかな?」
KAI 「いや、伝えるために今日、何がなんでも優勝しなきゃいけなかったんで。パートナーがハヤシさんで良かったです」
カズ 「頼もしいパートナーに恵まれて俺は幸せだし、こういうことを伝えられるプロレスラーであることを誇りに思います」
KAI 「世の中、一人で生きていないということです。助け合って生きてるんだなって。今回優勝して改めて感じました。パートナーにマイナスの部分があっても、それをもう一人のパートナーが補えばいいんであって、それが足して2、4、10、100って増えていけばいいんじゃないですかね?」