異常気象の春に奇跡が起こる!? 42歳の誕生日を迎えた永田裕志選手にスペシャルインタビュー
「NEW JAPAN BRAVE」第7戦、広島グリーンアリーナ大会が開催された4月24日、“ミスターIWGP”こと永田裕志選手が42回目の誕生日を迎えた。
永田選手は、5月3日に福岡国際センターで開催される「レスリングどんたく2010」で、井上亘選手とタッグを組み、IWGPタッグ選手権試合3WAYマッチに出場。高橋裕二郎&内藤哲也(王者組)、ジャイアント・バーナード&カール・アンダーソンと、三つ巴の対決をする。さらに、24日の広島大会では、人生初となる3WAYマッチ(シングル)で、高橋、バーナードと前哨戦を繰り広げた。
そんな永田選手をキャッチし、広島大会の開始前に特別インタビューを敢行! IWGPタッグ挑戦の意気込みと、現在の心境を語ってもらった——。
–お誕生日おめでとうございます!
永田「ありがとう。俺も42になっちゃった(しみじみ)」
–実感がこもっていますね(笑)。しかし、ますます盛んといった感じなのではないですか?
永田「まぁ、俺は盛んですけど、あんまりエネルギーを爆発する場がねぇなと。そこが不満ですよ。なんかさびしいなって思う(笑)」
–最近は少し消極的な発言も目立つようですが、やはり体力的なことが気掛かりなのですか?
永田「時間がなくなってきてるのがわかるんですよ。第一線でそんなに長くはできないだろうなっていう。若い選手も出てきてるしね。ただ『できるうちはやっていたい』という思いは強いので。『まだできるのに』というのはありますね」
–しかし、以前の永田選手だったら怒りを爆発させていましたよね? 草間政一社長(当時)の「若い世代の踏み台になれ」という発言に猛反発したりと。
永田「あぁ、まあね。あのころは今よりバリバリだったし、いろんなストレスもありましたしね。でも、今はオフィス内のトラブルみたいなのはないから。そういう意味でのストレスはないです」
–最近は、普段は力を蓄えていて、時がくれば爆発させるという感じですか?
永田「そりゃそうですよ。だから、あんまり溜めていてもダメなんで、『勝負できるうちにやっておきたい』というのが、やっぱり大きいですよね。だけど今は『なんかもう一つ燃えたいな』というのがある」
–今回のIWGPタッグ挑戦も、どちらかというと主役は井上選手ということになりますしね。
永田「まぁ、それは井上がどん底から這い上がってきた一つの証ですからね。それに応えながら、タッグに目を向けてみるのもいいのかなと」
–42歳の誕生日に、人生初の3WAYマッチ挑戦となりましたが?
永田「3WAYがどういうものなのか? 自分でもよくわからないけど、いい形で福岡に繋がればと思いますね。とにかくやってみますよ」
–そんな永田選手は、今年でキャリア18年のベテラン。3WAY戦なども含め、様変わりする新日本プロレスの現状を、どう感じていますか?
永田「そりゃ成長してるでしょうね。だけど、色々細かいことを言ってもアレだけど、18年やってきた中で『もう一つ、こういうのが欲しいな』というのはありますね」
–それはリング上の“闘い”の部分ですね?
永田「そうだね。やっぱりそれは俺が見せなくちゃいけないのかなと思うし」
–それを若い選手に教えていきたいと?
永田「若い選手が育っているのは、よろこばしいことですよ。でも、それぞれの選手に魅力があるんだけど、まだ物足りない部分がある。まぁ、教えるというのはないけど、そこは闘って感じてもらえれば。俺も様々な人間と闘ってきて、ダテにキャリアを積んでませんからね(笑)」
–頼もしい限りです!
永田「だから、そういうのがあるから踏ん張れるというのはありますね。練習でも、若いヤツらと同じメニューはやんないけど、とにかくスタミナ強化、コンディション強化という部分で、毎日ランニングして、重いバーベル挙げて、体をほぐして。そういうモチベーションにもなりますよ。自分を常にベストに持っていって、ベストの闘いをしようというね」
–最後にIWGPタッグ戦に向けた意気込みを聞かせて下さい。
永田「42歳の春、ちょっと涼しい異常気象の春ですけどね(笑)。そんな春に、『レスリングどんたく』で異常現象というか(笑)。まぁ、何も実績がない我々が勝つということは、ある意味で奇跡かもしれない」
–そこまで言いますか(笑)。
永田「でも、だからこそ、その奇跡を起こしてみせますよ」
–まさしく“おちこぼれ軍団の奇跡”ですね(笑)。
永田「まぁ、永田裕志は42歳を迎えても、ますます元気ということで(笑)」
——広島大会での3WAYマッチは、バーナード選手が高橋選手から3カウントを奪って勝利。永田選手は「1対2で闘っているような感じ」と戸惑いも感じつつも、「ルールに関して言えば、やっといてよかった」とコメント。5/3福岡でのIWGPタッグ挑戦を前に、たしかな手応えを感じた様子だった。
42歳を迎えてもなお、常にベストを目指し続ける永田選手は、新世代にとって手強い敵であり、立ちふさがる大きな壁である。
■「レスリングどんたく2010」
5月3日(月・祝)
福岡国際センター