プロレス界随一の論客・“GK”金沢克彦氏の独特の視点から、現在進行形の新日本プロレスに関するコラムを続々レポート(不定期連載)!!
今回は「この日、“禁断の扉”は開かれた。そこで観たものは…!?」大爆発した6.26 『FORBIDDEN DOOR』をコラムで大総括!!
■『AEW x NJPW: Forbidden Door』
★新日本プロレスワールドで、国内独占PPV配信
■ここまで新日本プロレス……ニュージャパンの知名度は米国マット界に轟いているのか!?
6月26日(現地時間)米国イリノイ州シカゴ、United Centerで開催されたAEWと新日本プロレスの合同興行『AEW×NJPW:FORBIDDEN DOOR』(以下、『禁断の扉』)をPPV中継で観戦した。
ひとことで言うなら、おったまげた! 1万6,529人(札止め)という大観衆の発するパワーとリング上の熱闘。それが相乗効果となって、会場がアンビリバボー、インクレディブル、ホーリーシットな空間と化し大爆発したのだ。
日本はまだコロナ禍ということで、スポーツ観戦をはじめとした各種エンターテインメントが開催される会場では、マスク着用と声出しNGが基本的に実施されている。ただ、アメリカではすでにノーマスクと声出しはともにOK。
そのあたりは、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平を観るためにMLB(メジャーリーグベースボール)中継などを観戦しているかたも多いだろうから、理解していると思うのだ。
それがわかっていながらも驚いた。当日のラインナップは、本戦が9試合にダークマッチ(BUY IN MATCH)が4試合。計13戦という超ボリュームの大会だった。
そこでダークマッチ第1試合のタッグマッチに登場したのが、毘沙門(後藤洋央紀&YOSHI―HASHI)の2人。この段階でもう観客は総立ち。後藤の入場テーマ曲が鳴って、YOSHI―HASHI、後藤の2人が姿を現わしただけで、大歓声が沸き、観衆が総立ちとなっていた。
いやはや、ここまで新日本プロレス……ニュージャパンの知名度は米国マット界に轟いているのか!? そういった驚きと同時に、尋常ではない米国ファンのプロレス熱の高さを思い知らされた。
そういえば、これは余談なのだが興味深いエピソードをひとつ。先ほどのMLB、ロサンゼルス・エンジェルスの話。
カリフォルニア州アナハイムのエンゼル・スタジアムがエンジェルのホームであるが、今年から7回裏のエンジェルスの攻撃前にセンターの大型ビジョンでおもしろい映像が流れるようになった。
ビジョンに映し出されるのは、なんとリック・フレアーとランディー・サベージがインタビューを受けている映像。それがWWE時代かWCW時代なのか定かではないのだが、ともに全盛期のインタビュー映像。
もちろん、フレアーは決め台詞の「ホォ―!!」を叫ぶし、サベージは「オー、イェー!!」で締める。それに合わせて3万を超える大観衆が、「ホォ―!!」を大合唱するのだ。
その後、ビジョンには『MAKE NOISE』の文字が躍る。「さあ、騒いで盛り上がろうぜ!」という意味である。
もっというなら、2019年~2020年までエンジェルスの守護神(クローザー)を担っていたハンセル・ロブレス投手は毎回、例の「ゴ~ン、ゴ~ン」の鐘の音からはじまるジ・アンダーテイカーの入場テーマ曲でマウンドに登場していた。
米国4大プロスポーツのひとつであるMLBの球場において、プロレスとプロレスラーが観客を盛り上げるためのキャラクターとして利用されているのだ。
やはり米国において、プロレスとプロレスラーの知名度は抜群であり、プロスポーツとしてエンターテインメントして、プロレス人気には私たちの想像以上のものがある。
それを今回の『禁断の扉』のオープニングを見ただけで再確認した格好なのだ。無論、新日本オールスター勢とAEWが本格的に交戦するという企画が、いつも以上に米国ファンの心を捉えたのは言うまでもないだろう。
近年、新日本の海外進出といえば、社会的ニュースにもなった2019年の4・6米国ニューヨーク州MSG(マジソン・スクエア・ガーデン)大会と、8・31英国ロンドン(ザ・カッパーボックス)大会の大成功が話題となった。
両大会とも私は生中継のスタジオ解説を担当させてもらったのだが、どちらの大会も新日本のレスラーに向けられた大声援には本当に驚かされた。
ところが、未だコロナ禍という悪条件にも関わらず、今大会の盛り上がり、観客の熱狂度はそれを超えていた。だからもう、「おったまげた!」のである。
■海外遠征中の海野翔太。ひと回りパンプアップした肉体にも目を見張るものがあったのだが、なんと言ってもその佇まいが棚橋にソックリ
では、肝心の試合に関して。まず、本戦の第1試合(6人タッグマッチ)に登場したのが、海外遠征中の海野翔太。ひと回りパンプアップした肉体にも目を見張るものがあったのだが、なんと言ってもその佇まいが棚橋にソックリ。引きの映像では棚橋本人ではないかと錯覚するほどに、風貌が似ている……。
※無料公開はここまで!
※この続きは、NJPWスマホサイト or NJPWスマホプレミアムでご覧ください。