【不定期連載】ハイフライング・スター、絶賛アメリカ遠征中!(8)/「ビジョンに姿が映るだけでワーッと盛り上がるような存在になりたい」
11月3日(月)、TNAのハウスショー3連戦を終えた棚橋弘至選手は翌日、ロスからオーランドへ移動。ロス発午前10時台の便に搭乗したものの、3時間の時差の関係でオーランド到着は18時前。
「今日は昼がなかった感じがします」とアメリカの広大さとともに、「これを日常続けているWWEやTNAのレスラーって大変だなぁ……」と感心していた。
ホテルにチェックインした棚橋選手は、軽く練習に出かけようとしたが、間もなくWWE「RAW」がオンエアされると知って予定変更。スポーツバーで食事をしながらのテレビ観戦に切り替えた。
そこで知ったのが、翌4日にオーランドでスマックダウン&ECWショーが開催される事。TNAの一員としてWWEの会場に足を運ぶのはどうかと気遣ったが、このような機会はなかなか無い。一観客として、チケット入手可能なら観戦に出かける事を決めた。
11月4日(火)、棚橋選手がホテル近くのジムで練習を終えた頃に、スマックダウン&ECWショーのチケットが入手できたとの連絡が入った。
棚橋選手は到着するや、会場のスケール、ファンの年齢層の幅広さだけでなく、ほとんどの客がそれぞれひいきのレスラーのTシャツを身につけていることに驚いた。中にはジ・アンダーテイカーのコスプレのちびっこの姿も見られた。「これが全米、いや全世界規模……」と、棚橋選手はWWEビジネスの大きさを実感した様子だった。
ダークマッチにはFCW観戦の際に闘っていたレスラーが登場。FCWのアリーナで見たものとは違い、きらびやかなステージで輝いている姿に、「山本もここを目指しているのか……。これだけのお客さんの前で毎週、試合ができるのは憧れるなぁ」と漏らした。
ショーは約3時間に及んだが、棚橋選手は「全然、長いって感じなかった。進行もスムーズでリズムがあって。うまくビジョンを使って、お客さんを待たせている感じがしない。上手いやり方ですね。でも、TVショーだからかもしれないけど、試合内容やレスラー個人の技術では新日本も負けてない」と感想を述べていた。それと同時に、「ビジョンに姿が映るだけでワーッと盛り上がるような存在になりたい」と、目標とする姿がおぼろげながら見えたようだ。