いよいよ目前!優勝者には、マディソン・スクエア・ガーデンでのIWGPヘビー王座挑戦権が与えられる春のトーナメント『NEW JAPAN CUP』。この大会を前に、“優勝候補筆頭”という声の高いオカダ・カズチカ選手に直撃インタビュー!
IWGPヘビー級王座を手放してから約9カ月、いまレインメーカーは何を考えているのか?
★新日本プロレスワールドでは『NEW JAPAN CUP』全大会を生中継します!
聞き手/鈴木佑
撮影/中原義史
■(飯塚高史引退記念)試合は自分としても満足というか……満腹です(笑)
――さて、オカダ選手。本日は、『NEW JAPAN CUP』の話を中心に伺いたいんですが。
オカダ ハイ。
――その前にまず、2.21後楽園での「飯塚高史引退試合」(オカダ&天山広吉&矢野通vs飯塚高史&鈴木みのる&タイチ)のお話を伺いたいと思います。今回、は前代未聞の引退試合になりましたが。
オカダ まさに前代未聞でしたね、フフフ。まあ、結果的にいろんな飯塚高史が見られた試合になったんじゃないかな、と。
――いつもの狂乱モードのほか、天山選手との友情に葛藤する姿も見られましたし。
オカダ ええ。あとはボクが初めて経験する部分もありましたから。あのヒザ十字もそうですし、未遂に終わりましたけどブリザードも。
――飯塚選手が引き出しを開けたというか、その歴史を紐解くような技ですよね。
オカダ 飯塚高史じゃなく“飯塚孝之”の頃に生まれた技というか。
――それこそオカダ選手が生まれた直後、いまから30年前の1989年に飯塚選手が旧ソ連にサンボ留学して生まれた技です。
オカダ 歴史の重さじゃないですけど、そういうものを最後に感じることができたのがボクなのかなって。もちろん噛まれもしましたし(笑)。
――現在の飯塚高史ならではの攻撃も受けた、と。
オカダ だから、あの試合は自分としても満足というか……満腹です(笑)。
――最後の飯塚高史を十分に堪能できたと。天山選手の友情アピールに飯塚選手が揺れ動いているときに、オカダ選手が場内を煽ってましたけど、あれもなかなか見られない光景で。
オカダ いや、天山さんが涙ながらに一生懸命やっていたので。正直、あの二人のあいだにどんな感情があるのかはわからないですし、最後は結局、飯塚さんが裏切ってましたけど。まあ、そこはべつに個人的にはどっちでもよかったというか(笑)。
――じつは冷静に見ていたと。飯塚選手がヒールを貫いたまま、リングを去ったという部分に関してはいかがですか?
オカダ ボクは「ヒールを貫いた」とかっていう言葉は、あんまり使いたくなくて。ただ、飯塚高史というレスラーが飯塚高史として引退した、と。「ああいう引退もあるんだな」と思いましたし、本当に新しい引退試合でしたよね。最後も引退セレモニーらしい引退セレモニーはなかったですけど「そりゃ、そうだよね」というか。
――オカダ選手が引退試合の相手を務めたのは15年11月の天龍源一郎さん以来となりました。
オカダ そうですね、天龍さんのときとはずいぶんと違った感じにはなりましたけど。でも、ボクが飯塚さんの引退試合の中に入ってよかったなとは思いますね。ボクが加わったことで、あの人の凄さというものがより伝わったんじゃないかなって。
――たしかに現在の新日本のトップの一角であるオカダ選手が入ることで、厚みが増しました
オカダ 飯塚さんも本能として「オカダに食らわせたほうが、インパクトがある」と思って、ヒザ十字を出してきたと思いますし。
――そこはレスラーとしての最後の意地だったのかも知れないですね。
オカダ ボクが若手時代、先輩の中で誰よりも早く道場に来て練習していたのは、いまの姿になる以前の飯塚さんでしたから。かつてのCHAOSの仲間でもあるので、引退自体は寂しさもありましたけど、結果としていい大会になったのかなって思います。
■「ボクが優勝をしないといけないな」って。個人的な希望と同時に、それは新日本プロレスのためにもつながると思ってます
――さて、次期シリーズは新日本プロレスの春の風物詩『NEW JAPAN CUP』となりますが、今回は史上最多となる32名がエントリーすることになりました。そこについて思われることは?
オカダ いままでから人数が倍になったわけですけど、個人的にはおもしろいとは思いますよ。過去の『NJC』だと、大会によってトーナメントの試合が少なかったりしたじゃないですか?
――過去にはシリーズ中なのにトーナメントの試合が組まれていない大会もありましたね。
オカダ そういうことを考えると、今回はトーナメントが拡大したぶん、全部の大会でいろんな試合が観られるのはいいことだな、と。ただ、優勝するのにハードルはより高くなりましたけどね。
――はい、優勝までにはシングルで5回勝つ必要があります。
オカダ 今回はIWGPヘビー以外の王者も参加しますし、レベルは上がるというか。そのくらいキツい戦いをしないと、IWGPヘビーには挑戦できないっていうことですし。
――今回、優勝者は4.6マディソン・スクエア・ガーデン(以下、MSG)大会でジェイ・ホワイト選手のIWGPヘビーに挑戦することになります。
オカダ IWGPヘビー級王者以外の『G1』の出場メンバーが、全員出るような感じですよね。さらに『G1』に出ていない選手も出るわけで、新日本の層の厚さを表しているというか。今回の『NJC』はいままでと違うという部分で、レスラー自身もファンもワクワクしてるんじゃないかなって思います。
――期待感が高まっていると。オカダ選手は4年ぶり3回目の出場ですが、かなりひさびさの『NJC』という部分でいかがですか?
オカダ 正直ちょっと緊張してます。フフフ。トーナメントにはそれだけ参加していないってことなので、ワクワクに加えてドキドキです(笑)。
――なるほど(笑)。オカダ選手にとって今回の『NJC』は、1.4東京ドームで敗退を喫したジェイ選手へのリベンジロードにもなるというか。
オカダ そうですね。もちろん優勝もしたいし、ジェイにも借りを返したい。さらにIWGPヘビーも巻きたいし、MSGのメインにも立ちたいし。今回はそういうものをすべてつかめる、絶好のチャンスかな、と。
――かなりモチベーションは高いということですね。
オカダ 高いですし、「ボクが優勝をしないといけないな」って。個人的な希望と同時に、それは新日本プロレスのためにもつながると思ってますし。
――近年、海外での大会のメインはケニー・オメガ選手が務めていましたが、日本人として自分が立ちたいという思いがある?
オカダ そこはありますね。新日本プロレスなのに、日本人がメインを貼らなくてどうするんだっていう。だからこそ、今回は優勝を譲る気はないです。
■(1回戦のエルガン戦は)気は抜けないですね。本人もどこかで爆発する機会を伺っているでしょうし。
―一回戦は3.9愛知でマイケル・エルガン選手と対峙することになりました。地元で強豪を迎え撃つ格好になりましたが、現在のエルガン選手の印象は?
オカダ エルガンはケガしてるんですよね?
――はい、昨年末の『WORLD TAG LEAGUE』で左ヒザを欠場し、今年の1.4東京ドームも欠場となりました。
オカダ エルガンも今回は復帰明けなので、どういうコンディションなのか気になるところですかね。ただ、それを差し引いても強い相手なのは間違いないのは、何度も戦って理解してますし。
――エルガンは2015年の『G1』で初来日しましたが、そのときの最初の相手もオカダ選手でしたね。
オカダ もっと言ってしまえば、その直前のROH遠征でAJスタイルズも加えて、3WAYで戦ってもいます(IWGPヘビー級選手権 3WAYマッチ/2014年5.17ニューヨーク大会)し。やっぱりエルガンの怪力っていうのは凄い武器だと思いますよ。お客さんにも伝わりやすいですし、戦う相手にしてみればたまらないですけど、きっちり対処しないと。
――エルガン選手は昨年の『G1』公式戦でも、オカダ選手と凄まじい熱闘を繰り広げました。近年、なかなか結果を残せていないようにも見えますが、常にトップ選手とハイレベルな試合を量産しているというか。
オカダ だからこそ気は抜けないですね。本人もどこかで爆発する機会を伺っているでしょうし。ただ、ボクはエルガンにシングルで負けたことはないので、今回もしっかり結果を残して次に進まないと。
――二回戦では、元TMDKのマイキー・ニコルス選手とヒクレオ選手の勝者と対戦します。ニコルス選手は同じCHAOSのニューカマーとして今回登場しますが、オカダ選手の印象は?
オカダ ボク、全然わからないんですよ(苦笑)。
――そうなんですね。もともとニコルス選手は、かつての新日本のLA道場で練習をしていて、そのつながりで今回はロッキー(・ロメロ)の導きにより『NJC』に初参戦するようですが。
オカダ そのへんもくわしくは知らないんですよね。ただ、TMDKは機動力があって、おもしろいタッグチームだなとは思ってましたけど。
――ニコルス選手はシェイン・ヘイスト選手と共にTMDKとしてプロレスリング・ノアで活躍したのち、WWEにも参戦しました。新日本には15年の1.4ドームで、矢野通選手の助っ人として丸藤正道選手とヘイスト選手と共にカルテットを組んで、鈴木軍と対峙して以来の登場となります。
オカダ ロッキーが勧誘するくらいなので、いい選手なのかなとは思いますし、当たったら当たったで楽しみたいですね。
■ボクの意見としては、まだオスプレイにはジュニアを盛り上げてほしかったなっていうのはありますね
――あと、今回の『NJC』ではCHAOSの同門であるウィル・オスプレイ選手の初参戦にも注目が集まっています。オスプレイ選手はNEVER初戴冠以降、デイビーボーイ・スミスJr.選手、ダルトン・キャッスル選手、ジェフ・コブ選手と並みいるヘビー級のファイターからフォールを収め、満を持して『NJC』にも乗り込んでくるというか。
オカダ そうですね。オスプレイは今年の3.6『旗揚げ記念日』でもジェイ(・ホワイト)と戦いますし。ただ、ボクの意見としては、まだオスプレイにはジュニアを盛り上げてほしかったなっていうのはありますね……。
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