ROHvsBULLET CLUBvsNEW JAPANと銘打たれた3WAYタッグマッチ。当初、NY大会では棚橋、オカダ、石井が新日本3強トリオを結成して、ROHのトップ3(リーサル、ロデリック、ジェイ・ブリスコ)と頂上決戦を行うカードが組まれていたが、ニック・ジャクソンの負傷と今回の合同興行で無差別攻撃を仕掛けてきたBULLET CLUBの要求でこの3WAYタッグに変更となった。
オカダの入場ではバルコニーの観客が大量の“オカダドル紙幣”を投げ込んだことで、まさにカネの雨が降るなかをリングイン。3チームにはそれぞれ、外道(新日本)、ニック・ジャクソン(BULLET CLUB)、ティーラー・ヘンドリックス(ROH)がセコンドについた。
ROHの3WAYマッチは、あくまで試合の権利を有するのは2人(2チーム)。残りの選手はエプロンに控え、どの選手とタッチしても交代が認められるルール(タッグマッチの場合、パートナー対決となる試合権利の移動のみ認められない)。試合はロデリックvsコールの顔合わせでスタートした。
石井とロデリックの顔合わせでは、ロデリックが強烈な逆水平を打ち込んでいくと、石井も同じ技で返す。石井がパワースラムを決めたところでオカダにタッチ。リングインしたオカダがリーサルを指名すると、ROH軍はそれに応じ、リング上でオカダとリーサルが向かい合った。その瞬間、「This is Awesome!」チャントがわき上がった。
しかし、両者が指1本触れる前にコールがエプロンからオカダの背中にタッチしたため試合権利が移動。場内は大ブーイング。それだけROHファンはオカダの現ROH世界王者の対戦を期待していたのだ。
次にオカダが試合権利を得た際の対戦相手はマット・ジャクソン。オカダはエルボーを叩き込むたびに“S●ck it!”ポーズを決めようとするも、途中で思いとどまり中途半端。それがリズムを狂わせるのか、早々に石井とタッチした。
石井はマットにエルボーを打ち込まれながらも微動だにせず。コールが飛び込んできてエルボーを打ち込むが、こちらも石井にはまったく効かない様子。ならばとBULLET CLUBコンビはダブルのスーパーキックを叩き込み、リング下のROHコンビにマットがセカンドロープとサードロープの間からダイブしてのトペを見舞う。
リングに戻ってからも石井に集中攻撃を浴びせるが、石井はリーサルにレフトハンドラリアットを見舞ってオカダにタッチ。リングに飛び込んだオカダは、マットにエルボーを見舞って“S●ck it!”ポーズ、コールにエルボーを見舞って両腕を高々と突き上げ、“アダム・コール、ベイビー”ポーズと相手のお株を奪う動きをみせた。
コールとマット、2人まとめてのフラップジャックを決めたオカダは、強引なタッチで試合権利を得たリーサルがリーサルインジェクションを狙ってきたところ、ドロップキックで迎撃。しかしリーサルのリーサルコンビネーション(バックブリーカーとフェースクラッシャーの連続技)、ロデリックのデス・バイ・ロデリックを浴びる。
そしてROH軍vsBULLET CLUBのめまぐるしい攻防を経て、リング上は石井vsマットの顔合わせに。石井は両腕でのラリアットでROH軍の2人を排除すると、ロデリックに逆水平から垂直落下ブレーンバスター。しかしパワーボム狙いをショルダスルーで返される。それでもバックドロップでロデリックをマットに叩きつけた。だが、立ち上がったところにリーサルインジェクションを浴びてダウン。
そのリーサルにオカダがツームストーンドライバーを狙ったが、リングに飛び込んできたアダムコールがスーパーキックを決めて阻止する形に。マットのスーパーキックがコールに誤爆したところで、リング内は石井とロデリックの2人だけに。石井のタックルを浴びながらも、バックステップしてロープの反動を利用したロデリックはジャンピング・ニーアタック。さらに自らロープに飛んでストロングキック(ジャンピング・フロントキック)を石井に決めてカバー。ここでカウント3が数えられて激闘に幕。BULLET CLUB人気に沸きかえった3年目の合同興行はROH軍が最後に勝利して侵略から守り抜いた形になった。
オカダ「総括ですか?今回は内藤さんと絡んでないんでなんとも……今回の遠征でよかったのはやっぱり、海外のこういう雰囲気の中で試合できるっていうのは、いいモチベーションになりますし、ベルトあるないでこうまで違うなっていうのも実感できましたし。でも一番の収穫は何かっていったら僕と棚橋さんが向き合っただけで「This is Awesome!」「Holly Shit!」という声が上がって。それをお客さんが見たい闘いなんだなって。アメリカで棚橋さんと絡むのって、初めてかもしれないですね?そういう意味では、まだまだ新日本も期待されてるんだなと。まだまだ見せれる試合が残ってるんだなと思いましたね。今回、内藤さんとは前哨戦で絡んでないですけど、いいリフレッシュができて。リフレッシュというのはよくない言い方かもしれないですけど、こうやって海外で、いつもと違う環境で試合できたっていうのは、よかったですね。本当にベルトがあるのとないのとで違うなっていうのを味わえたので、またしっかりベルトを獲り戻して、次はベルトを持って来たいなと思います。海外にくるたびにベルトがあったりなかったり。(海外での)タイトルマッチも2014年に初めて(アメリカに)来た時以来やってないですし。また(タイトルマッチを)やれるように、チャンピオンとして戻って来れるように、大阪城はしっかり頑張りたいと思います」
−−当初、ニューヨーク大会では棚橋選手とトリオを組むカードが発表されてたんですがカード変更で流れてしまいました。
オカダ「別に僕はどっちでもよかったですけどね。複雑な部分もあれば……でも、棚橋さんが一番安心してるんじゃないですか。僕との人気差を突きつけられずに終われたということでいいんじゃないかと思います」