第8試合が終わると、自然発生的に「ナイトー」コールが沸き起こった。この日も内藤は白の上下にマスク姿、IWGPヘビー級のベルトを左手にぶら下げて入場。ベルトを手にしたままリングサイドまでやって来ると、サードロープの下からベルトを滑り込ませた。
この日の対戦相手はROH期待の新鋭ハイフライヤーであるACH。試合前に握手を求めたACHだが、内藤は無視。ならばとACHはレフェリー、リングサイドカメラマンと握手しただけでなく、リングを下りて観客とも握手を交わす。それはまるで、内藤に「トランキーロ」と言っているようだ。そしてリングに戻ったところで試合開始のゴング。
ACHが突っ込んできたところをかわしてリング下に転落させた内藤は、反対側のロープに走ってダイブすると見せかけ、リング内へ回転。そのまま寝そべって挑発する。ACHがリングに戻ってくると、逆にリングを下りてやる気を削ぐ。リングに戻ってからも組み合おうとはしない。
バック宙のフェイントからドロップキックを決めたACH。場外にエスケープした内藤を追って乱闘を仕掛ける。内藤にフェンスに振られたACHは、鉄佐久に飛び乗ると振り向きざまのボディーアタック。しかし、リングに戻ってからのフライング・ボディーアタックはかわされてしまった。ここでも内藤はリングに寝そべって余裕を見せる。
ACHをコーナーに逆さ吊りにした内藤は、顔面にスライディングキックを見舞い、スイング式のネックブリーカードロップからチンロックへ。ACHのカウンターラリアット、ジャーマンの反撃を許すも、コーナーミサイルでペースを引き戻すと、トップロープを蹴ってのスイングDDT。これをヘッドスプリングで立ち上がったACHは、内藤をリング下に落としてトップロープ越しのひねりを加えたプランチャを決めた。
リングに戻ってからはトラースキックで追い込んで、垂直落下式ブレーンバスター。内藤はエルボーの打ち合いに持ち込み、蹴り足をキャッチさせてからの延髄斬り。1発目のデスティーノ狙いは踏ん張られて、逆にトラースキックを浴びたが、スパインバスターからのデスティーノで粘る新鋭を振り切った。
試合後、ベルトを手渡そうとしたトッド・シンクレアレフェリーに襲い掛かる。顔面をかきむしり、ストンピングを落とした内藤は、ベルトを踏みつけながらポーズを決めて引き揚げていった。それでも観客からは大歓声が送られた。
内藤「まずはLOS INGOBERNABLES、そしてLOS INGOBERNABLES de JAPONのグッズを身につけてるお客様が、かなりいたことにビックリしましたね。去年の5月にこのアメリカに来たんですけども、その時のROHの客様の反応と、その1年後、今回のROHのお客様の反応がだいぶ違ったなと。今年、シカゴ、ディアボーン(デトロイト郊外)、トロント、ニューヨークと4カ所回りましたけど、各会場のお客様にLOS INGOBERNABLES de JAPONをお見せできたかなと思います。今回は僕1人でしたけども、LOS INGOBERNABLES de JAPONはほかにもメンバーがいるので、ぜひ、このROHにほかのメンバーも含めたLOS INGOBERNABLES de JAPONとして上陸してみたいなという気持ちが沸いてきました」
−−入場前から「ナイトー」チャントが起こるなど、こちらでも大人気でした。
内藤「この4大会、会場に来てみて、新日本の情報をしてるお客様がすごく多いなっていうのを感じたので、いま新日本プロレスで最も勢いがあって、最もおいしい我々、LOS INGOBERNABLES de JAPONを、きっとROHの客様も見たがってると思うんで、そのうち4人で上陸しますよ。それがいつなのか。その答えは、トランキーロ、あっせんなよ」
−−ニューヨーク大会では「トランキーロ」チャンとまで起こりました。
内藤「あんなの初めてでしたね。日本でもさすがにそれはなかったですからね。この1年やって来たことが間違いじゃなかったんだなって、改めて感じました。まあ、僕も自信を持ってリングに立ってるので、ROHのお客様に喜んでもらえて、すごく光栄です。まあ今回、ROHの客様に対しては、あくまでLOS INGOBERNABLES de JAPONのお披露目ですよね。なので、次はユニットで来てみたいなと思います。こっちが希望しなくても、ROH側から要請があるでしょう。いまプロレス界で最も勢いがあって、一番おいしいユニットは、われわれLOS INGOBERNABLES de JAPONですから」