今年限りの『SUPER Jr.』卒業を宣言しながらも4戦全敗と苦しい展開が続くライガーが登場。対するは、Jr.屈指の実力者で、現在2勝2敗のリコシェ。
握手から試合が始まり、応援合戦で場内が盛り上がる。そんな中、ライガーが変型カベルナリアを繰り出すも、リコシェが脱出。
その後、リコシェがライガーの腕を取って絞り、リバースインディアンデスロックから鎌固め。だが、ライガーが切り返し、リコシェをロープエスケープさせる。
さらにライガーは、リング中央でロメロスペシャルを繰り出し、変型カベルナリアへ移行。これをリコシェがパンチで脱出し、串刺しバックエルボー、コーナーを利用した619で追撃。
次にリコシェはスワンダイブ攻撃を狙うが、ライガーが回避し、グラウンドコブラツイストで押さえ込む。これをリコシェが返してエルボーを見舞い、次の風車式バックブリーカーを着地する。
だが、ライガーがカウンター掌底で吹き飛ばし、パワーボムホイップで追い討ち。そして、ブレーンバスターの体勢に入るも、リコシェが抵抗し、ローリングエルボーを食らわせる。
それでもライガーはカウンター空中胴締め落としで挽回するが、リコシェがフォールを返し、ジャンピングスピンキックを浴びせる。そして、ベナドリラーからフォールに行くも、ライガーが肩を上げる。
するとリコシェは、ライガーの側頭部へ左右からキックを見舞い、島東部へかかと落としを投下。そこからキングスランディングを炸裂させ、3カウントを奪った。
試合後、両者はノーサイドで一緒に手をあげて握手。勝者リコシェはライガーに一礼してから退場した。
リコシェ「俺の計算だと、これで3勝2敗だ。そうだよな? 間違ってないよな? まずまずかな。これで残るはTAKAとマーティー(・スカル)か……。とにかくこの2人を突破するしかないな。今日の対戦相手は偉大なレジェンドだった。彼には申し訳ないことをしたけど、こうするしかないんだ。レジェンドに勝ったことはとてつもなく大きい。ただ勝っただけじゃなく、いろんなものを背負った感じがする。それだけに、次のTAKAには負けられない。今日の結果を意味のあるものにするためにもね。俺がこの『BEST OF THE SUPER Jr.』を制する。いや、そうしないといけないんだ。KINGとうたってるんだから……」
ライガー「どいつもこいつも、強ぇ! 腹立つぐらい、強ぇ。うらやましくなるぐらい、若くて強い。リコシェの野郎、わざとレスリングで勝負してきやがった。まあ、負けてたという感じはないよ。俺が逆に押してたと思う。ただ、やはり、スタンドになったとき、空間を利用した技になったとき、全然、勝てない。バランス的には全然向こうの方が上だ。トータルで負けるのはしょうがねぇな。だからって俺は、負けて『はい、そうですね、もう勝てません』っていうわけにはいかないから。ひとシリーズに1回でいい。今回、同じブロックになった選手とシングルで、最終戦(の代々木大会)でもいいんだ、1回、やらしてみろ。1発勝負でやらしてみろって。ライガーの怖さを思い知らせてやる。確かに疲れがたまってるよ。それはどの選手も、皆そうだと思う。こっからなんだ。この踏ん張りが、もう一歩っていうのが利かなくなってるから、俺は今回を最後にした。(リーグ戦の)成績が確かにふがいないから、『これでホントに(『SUPER Jr.』を)やめるんですか?』って言う人もいるよ。だが言っとくよ。来年になって、体力がこれ以上つくとは思わない。俺は(プロレスラーは)夢を売る商売だと思うし、レスラーが夢を見るのを忘れちゃ、ファンの人は(レスラーに夢を)見れないと思う。現実とも闘わなきゃいけないがプロレスラーだ。だから俺は(『SUPER Jr.』出場は)これで最後にした。あと、(残っている公式戦は)ドラゴン・リーとタイチか。必ず完走するし、2人から勝利、奪っていきます。約束するよ。レスラーがさっきの話とは真逆になるけど、夢見ないでどうすんだよ。夢と現実……この二つを見たうえで奇跡を起こすのがレスラーだ」
――この『BEST OF THE SUPER Jr.』はある意味、ライガー選手が新日本プロレス以外に門を開いてスタートして、ここまで続いてきたイベントです。その舞台に今これだけ強豪が集まっているのはうれしい気持ちもあるんじゃないですか?
ライガー「当然さ! だからこそ俺は、今回限りにするんだよ。いつまでも年取ったヤツが出ていって、リーグ戦の、日本の代表選手の1人でございって、ほかの国の人間から見たら笑われるさ。だから俺はムキになって闘うんだ。ムキになる……。今言ってくれたように、俺が生み育てたと、そうファンの人が思ってくれてるんなら、逆に己の引き際は、ほかの選手より厳しくいかないといけないと思う。だから今回限りなんだ。『まだできるじゃないか』という声もあるよ。『十分、闘ってるよ』、そういう声もあるよ。だが、あともう一歩で勝てない。それも現実なんだよ。あと一歩でも、その一歩がどうしても越せない。それが今の俺の実力。だから言ってんだ。1発勝負させてみてくれ。それもきかなくなったら、ライガーは“ジ・エンド”だ。以上」