バディファイトPresents WRESTLE KINGDOM 8 in 東京ドーム
- 日時
- 2014年1月4日(土) 15:30開場 17:00開始
- 会場
- 東京・東京ドーム
- 観衆
- 35,000人(満員)
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第10試合 60分1本勝負
ダブルメインイベントII IWGPインターコンチネンタル選手権試合- (第6代王者)
- (挑戦者)
※棚橋が第7代IWGPインターコンチネンタル王者となる。レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
次に、人気ロックバンド「メガデス」の元ギタリストであるマーティー・フリードマン氏が登場し、生ギターバージョンの「HIGH ENERGY」が場内に鳴り響く。そして、棚橋が特設ステージ上に現われ、エアギターを奏でながら花道を歩いた。
続いて王者・中邑が、セクシーなポールダンサーたちと共に登場。これまでとは一味違い、アダルトなムードの入場となった。
試合開始早々、中邑が脱力してロープブレイク。そこからジャンピングニードロップを放つも、棚橋がかわして低空ドロップキックを発射。だが、今度は中邑が回避。
その後、棚橋がニークラッシャーで先制し、膝裏にスライディングキックを連発。そして、コーナー2段目からフライングボディアタックを敢行するが、中邑が膝を合わせて迎撃し、今度こそニードロップをお見舞い。
場外戦を挟み、中邑が膝蹴り、カウンターミドルキック。そして、バイブレーション式踏みつけ攻撃を繰り出すが、棚橋が足を掴んでドラゴンスクリュー。さらに、フライングフォーアームでなぎ倒す。
棚橋の攻撃は続き、ダイビングサンセットフリップ、低空ドロップキック、膝裏への低空タックル。しかし中邑は、カウンターフロントハイキックで棚橋の動きを停止させ、フライングニールキックで追撃。そして、フロントネックロック、グラウンドでの膝蹴り連射、ブレーンバスタースラムで追い打ちをかける。
さらに中邑は、棚橋のフライングボディアタックをかわしてコーナー最上段へ固定し、ボディにランニングニーアタックをお見舞い。たまらず棚橋がエプロンへ逃げると、リング内からジャンピングハイキックを食らわせる。
場外戦となり、中邑が鉄柵攻撃、背後からのジャンピングニーアタック。そして、棚橋の首をエプロンから場外に出し、ランニングニーアタックを見舞う。さらに、エプロンからダイビングニードロップを敢行するも、棚橋にかわされて自爆してしまう。
すると、棚橋はコーナー最上段へのぼり、場外の中邑めがけてボディアタック式ハイフライフロー。そして、リングではドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールドを狙うが、中邑が三角絞めで逆襲。
だが、棚橋がなんとか立ち上がり、やや強引にテキサスクローバーホールドを極める。そして、ダルマ式ジャーマンスープレックスホールドで追い打ちする。
続いて棚橋はコーナー最上段へのぼるが、中邑がハイキックで転落させる。それでも逆上がりで復活した棚橋だったが、中邑が組みついてバッククラッカーを見舞う。
エルボー合戦を挟み、棚橋がエルボー&太陽ブロー&エルボースマッシュの3段攻撃。すると、中邑がパンチを浴びせるが、棚橋が張り手2連発で報復。怒った中邑が膝蹴り連射で巻き返し、顔面を狙ったフロントキックで吹き飛ばす。そして、サードロープを掴んだ棚橋に対し、容赦なくキックを連射する。
それでも棚橋はドラゴンスクリューを繰り出すが、中邑が後頭部へボマイェをお見舞い。さらに、ランドスライド式バックブリーカー、リバースパワースラムに繋ぐ。しかし、棚橋は次のボマイェを回避すると、ファイヤーマンズキャリーを切り返し、空中でスリングブレイドを敢行。
次に棚橋がコーナー最上段へのぼると、中邑が追いかける。すると、棚橋が中邑を越えてパワーボムの体勢に入るが、中邑がコードブレイカーで逆転。
続いて中邑はパンチを放つが、棚橋がかわしてドラゴンスープレックスホールド。そして、ハイフライフローからフォールに行くが、中邑はカウント2でキックアウト。
20分が経過し、棚橋がスリングブレイドに行くものの、中邑がカウンタージャンピングカラテキックで迎撃。そして、コーナー2段目からのジャンピングボマイェ、スライディングボマイェで追撃する。
ここで中邑はボマイェを発射するが、棚橋がカウンター低空ドロップキックで迎撃。すると、中邑が顔面にパンチを浴びせるが、棚橋も顔面パンチで対抗。それでも中邑はパンチを放つが、棚橋が回避してグラウンドドラゴンスクリュー。
次に棚橋は、テキサスクローバーホールドで締め上げ、足を固めたままスタイルズクラッシュ。そして、ボディアタック式ハイフライフロー、旋回式ハイフライフローと畳み掛け、中邑を下した。
COMMENT
——改めて今の感想を…。
棚橋「何て言うかね、特別な相手なんで、ホッとしてます」
——中邑選手がずっと話していた「新たな価値の創造」という部分で、まさにドームのトリを取る闘い、3万5000人の歓声が一つになった感じがしました。
棚橋「プロレスを信じてここまでやってきて、本当によかったなと思いました」
——中邑選手相手に意地になっていったところもあったと思います。どういう相手でしたか?
棚橋「尊敬すべき相手ですね。っていうのは、このインターコンチっていうのは、(価値が)ゼロだったわけですから。ゼロだったものをドームのメインまで押し上げたのは中邑真輔の功績です。俺にはできないですね。ただ、ベルトっていうのは、前に巻いていたものの意思を受け継ぐ部分もあるんで、さらにこのインターコンチの新しい価値を、俺がさらに上積みしていくし、俺がこうやって進んでいくことが、俺のいまできることだし、インターコンチを俺の道しるべとして使わせてもらいます」
——棚橋選手といえば、いままではWGPヘビー級のイメージが強かったわけですが、今後、このインターコンチのベルトは棚橋選手にとってどういうものになっていきますか?
棚橋「棚橋がインターコンチを巻いてる…このみんなが感じてる違和感を楽しんで。中邑風に言うと、“新しい刺激”になると思うし。ベルトっていうのは、共有した時間の長さの分だけ思い入れが生まれるから、このインターコンチも俺のいい相棒になってくれると信じてます」
——そのベルトを持って帰ってくるときの3万5000人の歓声に感じるものは?
棚橋「このドーム大会を開催する前から、ヒシヒシと皆さんの期待を感じてて、自分が見ていた頃のような、自分が思い描いていたドームの盛り上がり、いままでなかった盛り上がりの壁を突き破っていきたかったですね。もう一丁ですね。俺、欲張りなんで。もう1個。まだまだいけますね」
——敗れた中邑選手は「通算成績が五分になった」「次は俺のことを指名してくれないかな?」と言ってましたが…。
棚橋「中邑はこのベルトに思い入れがあるから当然の意見だと思うし、俺と中邑はもっと上にいけるから、すぐにでもさらなる高みに上るために、やってもいいですよ」
——中邑選手も「何度でもやりたい」と言ってました。
棚橋「了解です」
——改めて2014年がこれで幕開けとなりましたが、どんな年にしていきたいですか?
棚橋「攻めます! 『G1』までの(主要大会の)日程も出たし、レスラーである以上、常に中心になり、まずは2014年を踏み出したんで、内藤、オカダ、復帰した後藤、真壁…いっぱいいますけど、やっぱり新日本のエースは俺なんで、新日本プロレスの2014年は俺を中心に回っていきます。
——中心という意味で、IWGPヘビー級はまたオカダ選手が防衛しました。オカダ選手の存在はどのようなものになってきますか?
棚橋「今日はオカダにやられましたね。この借りはいつか必ず返します」
——「これまでの中邑選手とは別人になってるんじゃないか」と言われてましたけど、実際に久しぶりに闘ってみて、同じだったのか、別人だったのか?
棚橋「根っこは変わってないですね。どうしても特殊な動き、外面の部分で注目はいくけど、根っこの部分はしっかり(以前の)中邑真輔でした」
——中邑選手はインターコンチのベルトを自分の色に染めてきましたが、棚橋選手はどういうものにしていきたいですか?
棚橋「今日はIWGPヘビー級の後に試合がありました。それは一つの価値の証明なんで。今後の展開に、このインターコンチがどう関わっていくか。それは注目ですね。中邑が(価値を)上げてきたこのベルト(の価値)を落としたら恥ずかしいんで。いま俺にはIWGPヘビー級は無縁のベルトなんで、ただひたすら、この白いベルトにすべてを注ぎます」
——マーティー・フリードマンのギターで入場したのはどんな気分でした?
棚橋「死ぬほどかっこよかったね、死ぬほどかっこよかった…。心底、入場から楽しみました」
——4年連続ドームのメインを務めるのは並大抵のことじゃないと思うですが、それに対し、ここまで紡がれている新日本の歴史、そしてその中心に棚橋選手がいることについては?
棚橋「プロレスが盛り上がるには軍団抗争や世代闘争、タイトルマッチ…そういう要素がすごく大事だから。セミで俺が妬くような試合やってましたからね。試合順ではまだ抜かせないぞ、コノヤローっていう感じで。それを見せたし、これは2014年の新日本プロレスはクソおもしろくなってきますよ」
——入場ゲートに立った瞬間、リングの向こうに大観衆がいる光景はどう見えました?
棚橋「3階の一番奥をずっと見てましたね。毎年、東京ドーム大会があるとき、入場しながらお客さんの入ってない、お客さんの(座って)いないブルーシートを見つめながら、『絶対ここに入れてやるんだ』と思いながら毎回、入場してましたから。(今日の)入場、感無量です」
——今年は各地方でビッグマッチが連発されますが、それに関しての気持ちは?
棚橋「望むところですよ。日本全国、今日の東京ドームの熱をさらに広げていきたい。期待しといてください」
中邑「何か?」
──これまで「刺激」という話をされていた中で、今回は「光」と表現した棚橋選手との闘い。魂を削り合うような試合だったと思うんですが、改めてどう感じました?
中邑「もちろんたぎりましたねぇ。2年半もやらなかったんだぞ? 言ったように、最高のシチュエーション……棚橋弘至、最高にたぎる相手でした。自分が拾い、育て上げたインターコンチは、歴史を変えた、とてつもなく眩しい光を放ちました、今日で。乗りこなすつもりが、弾き落とされました。まだだね。まだ、まだ、俺は変化と刺激が欲しい」
──確かにベルトを失ったかもしれませんが、ホントにここに引き上げてくる中でも、3万5000人のファンからの中邑選手への大「イヤァオ」コールがありました。ああいう歓声からどういうことを感じました?
中邑「みんな新しいものを求めてる。あたりまえじゃない何か。そうでしょ? 今日だって、ぶっ壊れたんだもん。歴史が変わった。今日からが新しい扉の幕開けでしょう」
──ベルトを失って、ここから先、中邑選手がどこに向かっていくというのも、想像できないところなのかなと。
中邑「あきらめが悪いんでね、自分。どうでしょう、もう一回。2年半待ったんだ、おい。今日やって、明日やって、明後日やったっていいじゃない? たしか今日で何勝何敗?」
──五分になりました。
中邑「五分になったんでしょう、ほら。棚橋そういうの好きだ。あとはチャンピオン、指名待ってます(と両手の人差し指を突き出す)」