ブリティッシュヘビー級王者・柴田が、前王者セイバーとリターンマッチを敢行。

　序盤はグラウンドの攻防となり、腕と脚の取り合いで互角の勝負を展開。
　続いて両者が手四つで組み合い、そこから相手の腕をクロスさせて首を絞めて行く。その後、柴田がセイバーをコーナーへ追い詰めてエルボー連打を浴びせ、対角コーナーへ走る。ところが、セイバーが追走してエルボースマッシュを浴びせ、串刺し低空エルボースマッシュで逆転。
　ここからセイバーが柴田の痛めている右腕に集中攻撃を開始。肘を折り畳み、両脚を使って捻りあげる。
　その後、セイバーが腕にローキックを連発すると、柴田がこらえて立ち上がり、追走式串刺しフロントハイキックで逆襲。さらに、エルボー連打、串刺し低空ドロップキック、フロントネックチャンスリーへ繋ぐ。
　次に柴田は卍固めを仕掛け、ロープへ伸びたセイバーの手を蹴り上げる。しかし、セイバーが飛びつき三角絞めで逆襲し、ジム・ブレイクス・アームバー（変型リバースダブルアームバー）に移行してギブアップを迫る。
　それでも柴田が粘ると、セイバーは腕にローキックを浴びせ、フロントハイキックで追い討ち。すると、柴田もフロントハイキックを返すが、セイバーはさらにフロントハイキックに繋げる。だが、柴田がなおもフロントハイキックを浴びせ、変型ジャーマンスープレックスホイップで追撃。
　それでもセイバーが後方回転エビ固めを繰り出すと、柴田が切り返してスリーパーホールドを極める。だが、セイバーがさらに切り返し、ヨーロピアンクラッチで3カウントを狙う。
　次にセイバーはローキックからPKを放つが、柴田が脚をキャッチし、そのまま変型バックドロップで叩きつける。そして、スリーパーホールドに繋ぐと、スリーパースープレックスで追撃。
　続いて柴田がスリーパーを極めると、突如として鈴木が現れ、エプロンにのぼる。すると柴田は、鈴木に見せつけるように逆落としでセイバーを投げ捨てる。そして、フロントハイキックで鈴木を場外へ蹴散らすが、今度はスミスがリングへ乱入。ラリアットで柴田をなぎ倒すと、鈴木がスリーパーホールドで捕獲。
　さらに鈴木がゴッチ式パイルドライバーで柴田を突き刺すと、セイバーがPKで追撃し、片エビ固めで3カウントを強奪した。

※鈴木軍が揃って、コメントブースに引き揚げてくる
鈴木「焦んなって。ちょっと待て」
※ザックがコメントブースに戻ってくる
鈴木「コッチだ。（※記者陣に向って）は・く・しゅ！」
ザック「ヘイ、俺に拍手はないのか？」
鈴木「気分はどうだ？」
ザック「最高。（※床に置いたベルトを指しながら）金と銀のベルトを見ろよ。俺はこれをもっと獲る。言いたいことは１つだけ。今、シバタに、俺は簡単に勝った。俺の次の目的は、ゴトー。俺は柴田の友だち、ゴトーとやりたい。俺はゴトーとやる！」
鈴木「オイ、何勝手に終わったことにしてんだよ。新日本。だから言ったろ？どんな手を使っても、１つずつ、１つずつ、すべて、かき集める。全部って言ったら、全部だ！覚悟しとけよ、新日本！俺たち鈴木軍」
全員「イチバーン」
タイチ「もう（ベルト）5本もあるぞ。早ぇな」

柴田「今、なんか、失ったものがベルトだけじゃない、そんな気分で……。去年から散々、イギリスに行って。ザックと試合をするたびに、感じるもの、通じ合うもの。闘った中で会話してる。勝手に俺の中で、ザックだけが、友と呼べる存在だと思ってたんですけど、それすらも失った。そんな気分です。俺たちの、俺とザックの、1対1の闘いだと思って、何も邪魔されることなく、日本で俺が去年からやってきたこと、試合で見せられると思ったら、そうもいかず。結局、海賊の親分の手のひらの上。そんな気分だよ、今。あークソ……。悔しい。なんか、今まで味わったことのない悔しさ。なんだこれ、屈辱？　まあ、プロの世界なんで、向こうが1枚上手だった、ただそれだけのことだけど、俺にとって、今回奪われたものは、果てしなくデカい。後楽園でタッグで当たって、いざ鈴木みのると1対1。そんな舞台が整ったと思ったら、ここに、こういう形で繋がってたとは思わなかったよ。すべては、1つ。道はすべて繋がってる。改めて、そんなことを感じた一戦でした。俺からは以上です」