ブシモ Presents G1 CLIMAX 23
- 日時
- 2013年8月11日(日) 13:30開場 15:00開始
- 会場
- 東京・両国国技館
- 観衆
- 11,500人(超満員札止め)
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第10試合 無制限1本勝負
「G1 CLIMAX 23」優勝決定戦※内藤哲也が『G1 CLIMAX 23』を制す。レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
ここから棚橋の膝攻撃が始まり、トーキック、ストンピング、ニードロップをすべて膝に集中。そして、足4の字固めで締め上げ、内藤の動きをストップさせる。
棚橋の膝攻撃は続き、ストンピングの乱れ打ち。さらに、膝をセカンドロープへ引っ掛け、逆関節に絞る。そして、今度は張り手を連打して内藤をグロッキーに追い込んだ。
追いつめられた内藤は、セカンドロープを利用したDDTで逆転。さらに、スイングネックブリーカー、アームホイップ、低空ドロップキック、ランニングサンセットフリップで追撃。
さらに内藤は、棚橋の延髄付近へ膝を突き立て、変型羽折り固め。ところが、棚橋は膝への低空ドロップキックで逆襲。これで内藤が場外へ落ちると、コーナー最上段からボディアタック式ハイフライフローを見舞う。
続いて棚橋は、内藤の膝をセカンドロープから場外に出し、エプロン上でドラゴンスクリュー。そして、テキサスクローバーホールドを狙うが、内藤が首固めに切り返し、低空延髄斬りをヒットさせる。
ここで両者は激しいエルボー合戦を展開。そして、内藤がジャンピングエルボーアタックを繰り出すも、棚橋がかわして当たりが浅くなってしまう。すると内藤は、左右の張り手を連打するが、棚橋はダルマ式ジャーマンスープレックスホールドで逆転。
続いて棚橋は、スリングブレイドで内藤を倒し、コーナー最上段からハイフライフロー。しかし、かわして自爆させた内藤が、後頭部へのミサイルキックで反撃。さらに、ジャーマンスープレックスホールドで3カウントを迫る。
次に狙ったドラゴンスープレックスは阻止された内藤だったが、延髄斬り、ジャンピングエルボーアタック、グロリアと畳みかけ、コーナー最上段からスターダストプレス。ところが、棚橋にかわされて自爆してしまう。
これでダブルダウン状態になると、両者への大コールで場内が騒然となる。すると棚橋が、グラウンドドラゴンスクリューからテキサスクローバーホールドを極める。そして、体重をかけて絞り上げるも、内藤は辛うじてロープエスケープ。
続いて棚橋は、ドラゴンスクリューで内藤を吹き飛ばし、ロープへ走る。しかし、内藤が横から絡みつき、プルマブランカで捕獲。今度は棚橋をロープエスケープさせた。
さらに内藤は、棚橋をコーナー最上段に固定し、雪崩式フランケンシュタイナーを敢行。ところが、棚橋が前方回転エビ固めに切り返し、そこからスタイルズクラッシュ。そして、素早くコーナー最上段へ駆け上がると、うつ伏せ状態の内藤へハイフライフローを見舞う。
続いて棚橋はもう1度コーナーへ上がり、再びハイフライフローを繰り出す。だが、内藤が両膝を立てて防御。
25分が経過し、棚橋のカウンター低空ドロップキックがヒット。ところが、内藤がなんとスリングブレイドで棚橋をなぎ倒し、ドラゴンスープレックスホールド、グロリアと猛攻。そして最後は、スターダストプレスで棚橋にとどめを刺し、『G1』初優勝を飾った。
COMMENT
永田「哲っちゃん!ここ、喜ぶところだよ!」
※内藤は永田と握手、そして抱擁。
BUSHI「内藤選手! 『G1 CLIMAX』優勝おめでとうございます! 乾杯!」
内藤にビールかけ。
永田「おめでとう!」
——ビールの味はどうですか?
内藤「これが一番イヤだったッスね。いやぁ、もう、なんか、言葉が出てこない! ツラかったッスね! 思い通りにプロレスができなくて、ツラかったッス! ありきたりの言葉だけど、ホントにファンの人に助けられたなって。今日の会場のお客さん、そして遠くから、全国から、気を送ってくれたお客さん、どうもありがとうございました! あと1つ忘れちゃいけない。棚橋! いや、棚橋さん! あなたと優勝決定戦、闘えてよかった! あなたに勝って、優勝できたこと、スゲー誇りに思います。次はもっと大きい舞台で、棚橋さん、やりましょう! そして俺が、勝つ! 棚橋さん、ありがとうございました!」
——長期離脱、初めての経験だったと思いますが、苦しかった8ヵ月間、どんな気持ちでリハビリをし続けていたのですか?
内藤「帰って来れるのか、帰って来たとしても、居場所はあるのか、みんなが迎えてくれるのか。スゲー不安な日々でした。さっきもリング上で言った通り、俺がいなくなっても、誰もなんも思わねぇんだろうと。現在の新日本プロレス、盛り上がってるから、俺の居場所なんかねぇんだろって、ふてくされてる部分ありましたよ。でもそうじゃなかった。復帰してから、不本意な負け方しても、それでも『内藤!内藤行け!』って言ってくれたお客さんにスゲー感謝してます! 恩返しは、リング上からちょっとづつしかできないけど、これからちょっとづつ、ちょっとづつ、恩返ししていきたい。そして、お客さんの信頼を、俺は掴みたいと思います」
——欠場する前と、復帰した後、ファンに対する思いというのは、内藤選手の中で変化はありましたか?
内藤「もともと新日本プロレス大好きですから、新日本プロレス大好きだし。だから、やっぱ、ファンの時の気持ちを忘れたくないんで俺は。今までも俺の中で、大切にしてたけど、これからより一層、ファンの方を大切にしていきたいなと。そして、もっと、もっといいプロレスを広めて、みんなで楽しみたいなと思います。その中心は、俺でありたい」
——内藤選手がデビューを飾ったのは2006年のことです。お客さんがなかなか集まらなくて、苦しかった『G1』も経験したと思います。その中で、大いに夢を語ってついに掴んだ、あの両国の雰囲気、どう捉えましたか?
内藤「ホントにもう、最高の空間でした。最高の空間だった。これは、俺らだけじゃない。スタッフの方もそう、リング作ってくれる方もそう、警備してくれる方もそう、お客さんもそう。レスラーだけじゃ、成り立たないもんなんで。俺は感謝の気持ちを忘れずに、夢、新日本プロレスの主役へ、一歩一歩近づいていきたいなと思います」
——改めて、田中将斗選手の名前も出ましたが、この後の内藤選手が進むべき道を教えてください。
内藤「『なんでNEVER.なんだ?』と思う人もいるかもしんない。『IWGPにいかなきゃ、おかしいだろ?』って言うと思う。俺もファンだったら、そう思うと思うよ。でも、俺は秋田の借りは忘れてない。あの時の悔しさ、あれを、俺の中でも消化しない限り、前へは進めないんで。『まずは』って言葉が気に食わないんでしょうけどね。改めて言ってやりますよ! 『G1』を獲った、さぁこれからどうする? ま・ず・は、田中! オマエの持つNEVER.からいきたいと思います。そして、みんなを納得させるかたちで、IWGPに進みます!」
——今日の決勝戦、先程棚橋選手を称えるようなコメントもありましたが、“エース”という点で、棚橋選手からその座を奪い取る、そういう覚悟、決意について、改めてどうですか?
内藤「棚橋に憧れて、新日本入って、棚橋を追いかけてヘビー級に来た。ずっと俺は棚橋の背中を追い続けてきた。まだ越えたとは思ってない。1回勝っただけだ。ただ、あんだけ大きい壁がいてくれたら、越えごたえがあるだろ?! あのエースを越えたとき、新しい景色が見えるんじゃないかなと。新しい新日本プロレスが、見えてくるんじゃないかな。それは、中邑じゃないんだ! オカダじゃないんだ! 俺がやらなきゃいけないんだ! 俺にしか、できないんだ。その時、確実に、主役に、みんなが認めるかたちで躍り出たいと思います。俺の夢は変わらない! 誰に何言われても変わらない! 新日本プロレスの主役は! 俺だ! ありがとうございました!」
※コメントルームに大の字に倒れこんで、しばらく動けない棚橋。ヒザをついて半身になって。
棚橋「あとちょっとだった……。あとちょっとだったな……。最高の会場で、最高の勲章。あとちょっとだった。でも、大丈夫だ。俺、疲れてないから!」