真壁のデビュー20周年記念試合として行なわれるタッグマッチ。真壁&本間と矢野&石井は、2006年10月からG・B・Hの同胞として共闘関係にあったが、2009年4月に仲間割れ。矢野たちは中邑真輔と合体してCHAOSを結成し、真壁&本間は2人のみでG・B・Hを継続。現在、両チームはIWGPタッグ王座をめぐって抗争中である。
青コーナーの矢野組が入場した直後、有志によって配布された「サンキューな!」と書かれたプラカードが場内を埋め尽くす。そして、真壁&本間が刀義団(※真壁の後援会)ののぼりを持って登場。たちまち場内が大「真壁」コールに包まれた。
そこから真壁対矢野で試合が始まり、矢野が自らロープエスケープして「ブレイク」コールを扇動。構わず真壁が襲い掛かるも、矢野はまたもやロープエスケープし、石井と素早く替わってしまった。
これで真壁対石井となり、石井が逆水平チョップ、真壁がエルボーを交互に打ち合う。その後、両者はタックルで張り合い、真壁が競り勝った。
本間対石井となり、本間&真壁がダブルショルダータックル。そして、本間が小こけしを繰り出すも、石井にかわされて自爆してしまう。そのまま本間が孤立する展開となり、石井がコーナーの金具へ叩きつける。
その後も防戦一方の本間だったが、ショルダータックルで矢野に逆襲。ようやく出番となった真壁が、矢野と石井に串刺しラリアットを見舞い、真壁が矢野、本間が石井の頭部へパンチを連発。さらに、真壁がノーザンライトスープレックスホールドで矢野に3カウントを迫る。
だが、矢野が真壁の髪の毛を掴んで引き倒し、激しい場外乱闘へ突入。これで今度は真壁が孤立し、石井がヘッドバット、のど元を狙った逆水平チョップ、バックドロップ、矢野がチョーク攻撃、石井がエルボー&逆水平チョップ連射などで集中攻撃を浴びせる。
さらに石井は逆水平チョップを連発して行くが、真壁が気合で立ち上がり、カウンターラリアットで逆転。ようやくスイッチした本間が、カウンターボディスラム、串刺しジャンピングエルボー、フェースクラッシャーで石井に追い討ちをかける。
ここで本間は再び小こけしを繰り出すが、またもやかわされてしまう。しかし、串刺しラリアット、シャリマティーに繋ぎ、エルボーの打ち合いからブレーンバスターの体勢に入る。ところが、石井が腰を落として抵抗し、反対に本間を投げ捨てた。
ここから本間対矢野となり、矢野&石井がトレイン攻撃を仕掛ける。しかし、本間が脱出し、2人に小こけしをお見舞い。これで真壁が登場し、矢野の頭部へパンチを連射。そして、右ラリアットを放ち、かわされた直後に左ラリアットを命中させる。
真壁の攻勢は続き、ジャーマンスープレックスホールドで矢野を追い詰める。そして、本間とサンドイッチラリアットを敢行するも、石井がカウンターラリアットで介入。すかさず矢野がシーソーホイップで真壁を投げ、石井のヘッドバットからスクールボーイで丸め込む。
すると本間もリングに入るが、矢野がこけしロケットを回避して急所攻撃。そして、鬼殺しから真壁をフォールするが、カウントは2。
その後、矢野に押さえつけられた真壁だったが、突進して来た石井を袈裟斬りチョップで迎撃。だが、矢野が真壁とレッドシューズ海野レフェリーを衝突させ、真壁の急所を殴る。
ここで矢野&石井が真壁のチェーンを奪い、合体攻撃を仕掛ける。しかし、真壁が回避し、両腕ラリアットで報復。さらに、矢野と石井にチェーンラリアットを食らわせると、本間がスライディングこけしロケットでアシスト。最後は、真壁がスパイダージャーマンからのキングコングニードロップで矢野を轟沈し、記念試合を勝利で飾った。
真壁「読んで字のごとく、“一丁あがり”だ。なんか質問あるか? 20年なげーようであっという間だな……あっという間のようでなげー20年だったな。なんか質問がねーと話さねーぞ?」
――記念試合を振り返ってみて?
真壁「やっぱりね。この人と闘いたいとか、あの人と闘いたいとか。そんなことじゃねーんだよな? 俺はいま現在の自分が置かれている立場、その中で光明を探しあててーなと思ってるんだよな。かといって、俺と本間がリング上で見せてるファイトがどんなにすげーものかってのは、全国のプロレスファンはわかってると思うんだよ。だからこそだ、だからこそ俺たちがまたタッグタイトルを獲らなきゃいけねーっていうのは、これはもう責務だよな? そう思ってるんだ。どうだこけし?」
本間「やっぱり、俺は、真壁さんとタッグベルト獲りたい! やっぱり俺と真壁さんが獲らなきゃなんの意味もない。IWGPタッグ、俺と真壁さんでもっともっと大切なモノにしていく。そのためにもIWGPタッグ獲りましょう!(ガサガサ声で)」
真壁「まあ、何を言ってるかよくわかんねーけど、記者の方もえっ? えっ?って顔してるけど、俺自身もよくわかんねーから(苦笑)」
本間「ただ!真壁さん!『NEW JAPAN CUP』休むなんて聞いてないですよ! どうするんですか?」
真壁「言わないよねーそんなことね! いやでも、これは真面目な話なんだよ。ウン。真面目な話。そりゃそうだよ。だって、俺と本間でいまの新日本の荒波をかき回さなきゃまったく意味ねえだろ?」
本間「じゃあ、真壁さんを楽しみに来る、男性ファンはどうするんですか?」
真壁「なんで女性ファンがいねーんだよ?」
本間「真壁さんとボクと言ったら、男性ファンなんで……」
真壁「そこに女性は一握りでもいねーのか?」
本間「まあ、いてもマイノリティで……」
真壁「いねーか。そりゃ残念な話だな……。ま、真面目な話、さらにステップアップするために、新日本プロレスと真壁刀義だよな? 俺だけが上がってもしょうがねえ。新日本プロレスをどんどん上に上げなきゃ意味がねえ。いいか? さっきのVTRでも言ったとおり、いま俺の望むとおりの新日本プロレスの風景が見れるじゃねーか? どの地方に行ってもお客さんが狂喜乱舞してくれる。これが俺の願っていた、俺が入門した当時の新日本プロレス。ここまで取り戻したんだ! でもよ、まだまだ! まだまだワクの中にうごめいてるよな。一部の人間だけが、外に出ている。ああ、知ってる。真壁知ってる、本間知ってる、あとライガー知ってるとかさ。あとは、裸で身体がデカくて頭が悪そうな人。それ中西さんじゃねーかよ、オイ。(報道陣に)なんで笑わない? 固いコメントじゃねーんだ。ま、だからそれぐらいよ、数に限りがあるんだ。そのステップをもっと上げるためによ、ちょっと俺、勝負してくっから。でも、すぐ戻ってくる。ホントにすぐだ。でも、それぐらいインパクトのある仕事してくっからよ。それをおまえら期待して待ってろよ? ホントにスゲーぞ?」
本間「楽しみにしてます。ただ!真壁さん! IWGPタッグ、もちろん俺と真壁さんで獲りますけど。でも、俺もじつは隠れ20周年ですから。隠れ。そん中で、俺はパートナーである真壁さんにも絶対負けたくないですから。それは!初期のG.B.H、馴れ合いじゃない。俺は真壁さんの上を行きますから!」
※ここで本間は控室へ
真壁「まあ、言えることは、目の前でケンカ売られたら、ふざけんじゃねぇぞって叩き潰すのが、俺様のスタイルだ。だから、こけしが何て言おうが、目の前、足元、すべて潰してやる。俺、そういうファイトしかしないから。今日みたいな試合だよ。叩き潰してやる。だからこそ面白ぇじゃねぇか。身内の中にも敵がいる。ちょっとでも油断してると、足下すくわれる。だから面白ぇじゃねぇか。そんな20年を過ごしてきた俺だからよ。まぁ並大抵のことじゃへこまねぇからよ。あと、何かある?」
――休む理由っていうのは芸能関係のこと?
真壁「今は言えねぇんだ。それも言えない。全部言えない。だから、また公開できる時期がくるから、その時に言わせてもらう」
――休む期間は?
真壁「短期間。だから、NEW JAPAN CUPにかぶっちまうから。ただ、俺はプロレスラーだし、他の仕事でどうのこうの言おうが、俺はプロレスラー。プロレスラーとしての足元がおぼつくようなことはしない。今も今までも両立してるからよ。そのくらいだな」
――21年目以降に向けて
真壁「これはもう、前から俺は変わらない。俺はプロレスラーだから。さっきも言った通り、テレビで芸能の仕事や、映画の仕事とかやらせてもらう。でも、根本はプロレスラーだから。プロレスラー・真壁刀義が、他で頑張ってるっていうもんだ。それは、この先も変わらねぇ。10年、20年変わらない。だからこそだ。新日本プロレス、プロレスのカテゴリをどんどん上に上げてやるよ。リング上で、暴君のように暴れてた頃を思い出しながらよ。それを見せてやるよ。お見舞いしてやるよ。『プロレスラー、ヤバいね』って。そのインパクトだけで勝負してやるよ。それをお見舞いしてやる。そしたらよ、一般のマスコミさんも、テレビも、放っとかねぇだろ?だからこそ、この俺様は暴れるんだよ。それしか考えてねぇ。だからこそ、プロレスラーになって、プロレスを精一杯、練習も精一杯、メディア、映画、すべてを精一杯やってるんだよ。この世界に何のために入ったか分かんないだろ?そういうもんだよな。何かある?」
――大会前に通過点だとおっしゃってましたが、終えてみてどうですか?
真壁「通過点でしかねぇと思ってんだ。今言った通り、俺はプロレスラーっていうのが根本にあるから、だから色んな仕事をやらしてもらってるんだよな。それは変わらねぇんだ。20年があっという間だったな。最初の10年が地獄だったよ。本当に地獄だったよ。色んなコメントで出してる通り。今でも思い出せねぇくらいの、真っ白な記憶しかねぇんだ。『嫌だった』っていうイメージな。本当に。人間って嫌な記憶消すって言うだろ?本当にその通りなんだ。記憶がねぇんだ。ただ、その後の10年。死にもの狂いだったよ。死にもの狂いでやったから、あっという間の10年だった。だからこそ、新日本プロレスにファンが戻ってきたし、新日本プロレスのレスラーたちはみんなヤバいね、って。そりゃそうだろ。真壁刀義もそう。今までやったことのないスタイルで、どんどんのし上がってんだ。他にも棚橋、当時の中邑、他のヤツらだって悔しいから、テメェで努力するんだろ?だからのし上がってきたんだ。だから今があるんだ。そりゃそうだろ。安心して、『俺のプロレス、最高だろ?』そんなヤツいやしねぇんだ。内藤だってそうだろ?オカダだってそうだろ?鼻っ柱へし折られたこと何回もあるだろ。そういうもんだ。だから、プロレスラーは面白いんだ。そいつの人生がプロレスだからよ。そのプロレスを、リングの上で繰り広げられたら、そいつの人生、相当ヤベェだろ?だから面白いんだ。プロレスって。俺の人生見てみろよ。暴走キングコングで、スイーツ食ってて、テレビにバンバン出て、凄いよね?プロレスでも暴れてて凄いよね?ベルト巻いて、G1も獲って、もう言うことないよね!?……嫁は?……笑ったろ?誰だ、今笑ったろ?オマエ、スタッフ、笑ったな?ガールフレンドは?いないねぇ!俺がこの陽気な話をしてるということは、リラックスしてるということだ。安心しろ。手は出さねぇ。まぁ、そういうことだよな。だからこそ、プロレスは面白ぇんだ。俺が体現してるだろ?だからよ、新日本プロレスを、プロレスから、目を離すじゃねぇぞ。20周年かぁ……あっという間だね。アキレス腱切ってから地獄みたいで、そこからだよな。でも、良かったよ。俺1人で闘ってきたようなもんだけど、でも、周りには支えてくれる仲間たちがやっぱりいたからな。だからこそ、今がある。こんなこと、そいつらを目の前に言わねぇよ、絶対。絶対言わねぇよ?口が言うなら、手が出るからな俺。それでもよ、正直、この今の瞬間、今だけだ。感謝はしてる。ありがたいことだと思ってる。ただ、今の一瞬な。あと1時間したら忘れるから。だろ?オマエらもみんな分かってるだろ?俺が全然くすぶってて、『真壁ってアレでしょ?煙草タイムの人でしょ?』って。それが、今、ここまで成り上がってんだ。言っとくぞ。『人生に、無理はねぇ』ってことだ。俺見たら分かるだろ?俺良いこと言うね〜!……オマエら、『うん』って言えよ?『何、まだ続くの?』みたいな。コノヤロー。まだあと2時間続くからな!」
――勘弁してください(笑)
真壁「何だコノヤロー。オマエ何見てんだコノヤロー。まぁそういうことだ。まだまだ真壁刀義。20年。通過点としか思ってないから。見ろよ、解説してるマスクマン。獣神サンダー・ライガー。何年やってるんだよ?みんなが産まれる前から、レスラーやってるだろ?そんなもんだ。最高潮の練習して、最高潮の試合を見せる。いずれ結果がついてくる。それだけだ。格好いいね〜俺。以上」