棚橋弘至vs小島聡は、2010年の『G1』決勝戦（小島が初優勝）と同一カード。
　
　開始のゴングと同時に場内には「棚橋」コールと「小島」コールが飛び交う。両者、リストの取り合いからジックリとしたグラウンドレスリングを展開すると、場内からは拍手が巻き起こる。小島は力強いヘッドロックからロープに飛ぶと、ショルダータックルで棚橋を吹き飛ばす。さらに串刺しエルボーを狙うが、これは棚橋が交わしてフライングクロスボディ、さらにドロップキックで小島を場外へ投棄。そしてトップコーナーに登って場外へのダイブを狙うが、これは飛ぶ寸前で小島が回避。しかし、棚橋油断した小島にすかさずスライディングキックを叩き込み、鉄柵に吹き飛ばす。しかし、小島も反撃開始、エプロンサイドでDDTをお見舞いする。
　リング上に戻ると、小島は棚橋にキャメルクラッチ。そしてそのまま頭上にエルボー。さらにチンロック、河津掛けと技をたたみ掛けていく。続いて両者は胸板への張り手合戦を展開。競り勝った小島は、コーナーに棚橋を追い込むとマシンガン・チョップ。しかし、棚橋も体勢を入れ替えると太陽ブローを連発。これを小島はさらに体勢を入れ替えて、串刺しエルボー、そして「いっちゃうぞ」エルボーを敢行。
続いて両者は意地のエルボー合戦。小島はローリングエルボーを狙うが、これは棚橋が交わして強烈な張り手。さらにフライング・フォーアーム、セカンドコーナーからのサンセットフリップ。そして、小島のラリアット封じとして右腕にドラゴン・スクリューを仕掛ける。
　流れを変えたい小島は、ロープに飛んだ棚橋を場外に落とそうとするが、棚橋はロープを使って逆上がりの要領でリングにカムバック。そのスキをついて小島はコジコジカッターを仕掛けるが、棚橋はバックエルボーで切り抜ける。しかし、小島はなりふり構わずDDT。そして、棚橋をコーナーに上げると、雪崩式のコジコジカッターを狙うが、これは棚橋が阻止。すると、小島はコーナーポストの棚橋に向けて強烈なラリアットを炸裂。棚橋はそのまま場外に落ちてしまう。瀕死の棚橋は場外カウント19でリングに生還。
　優勢の小島は滞空時間の長い垂直落下式のブレーンバスター。そして、場内にアピールしてからラリアットへ。それを棚橋は両手でガードし、ロープに飛んでスリング・ブレイドを狙うが、小島は棚橋の右腕にラリアットを決めて動きを止めると、レフトハンドのラリアット。これは棚橋がカウント2でなんとかキックアウト。続いて小島は棚橋をロープに飛ばすと、正調式ラリアットを狙うが、交わした棚橋はダルマ式のジャーマンスープレックス。さらにスリング・ブレイドから12/6、そしてとどめとばかりにハイフライフローを見舞うが、これは小島がヒザを立てて迎撃。
　そして、小島は延髄ラリアットを叩きこむと、正調式のラリアットを狙うが、棚橋は2回に渡って交わす。しかし、粘る小島は横殴りのラリアットを振りぬく。これを棚橋はカウント2で返すも、最後は小島が追い打ちの正調式、剛腕ラリアットを叩き込んで勝利を収めた。
 

小島「今日の勝利が“順当勝ち”なんて、エラそうなこと言わないよ。ただこれが“番狂わせ”だって言うんだったら、大きな間違いだ。どうしてだかわかるか？　俺は22年間、地道にプロレスラーをやってきたんだ。それしか理由がねぇんだ。長い時間地道にがんばってきたヤツが、番狂わせなんて、関係ねぇんだ。棚橋は俺にとって、大切な相手だよ。いろんな意味で。過去の試合見たって、3年前のG1決勝、2年前の仙台のタイトルマッチ、そして去年のG1名古屋、全部、俺の頭の中にキッチリと、インプットされてる。今日の試合も、絶対に忘れることないから。ありがとうございました。優勝します！」
　
棚橋「記憶が……要所要所ないな……。『G1 CLIMAX』、予想してたけど、予想以上だ。ただ、俺はしぶとい男だからな！　今日の負けは、あっという間に取り返すから」