旗揚げ記念日
- 日時
- 2013年3月3日(日) 17:30開場 18:30開始
- 会場
- 東京・後楽園ホール
- 観衆
- 2,015人(超満員札止め)
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第7試合 30分1本勝負
旗揚げ記念日スペシャルシングルマッチ- (第58代IWGPヘビー級王者)
- (第66代IWGP Jr.ヘビー級王者)
レフェリー|レッドシューズ海野
MATCH REPORT
ゴング直後、「レッツゴー・デヴィット」コールを大音量の「棚橋」コールがかき消す。そこから両者は、グラウンドで互角の攻防を展開。
その後、棚橋がショルダータックルでデヴィットを倒し、両手を広げるポーズを真似して挑発。さらに、強力なヘッドロックで絞り上げる。そこから両者がもつれてロープ付近に移動し、デヴィットがクリーンブレイクを要求。ところが、棚橋が太陽ブローで不意打ち。
続いて棚橋はコーナー最上段に座るが、デヴィットがジャンピングハイキックで場外へ落とす。そして、空中技を狙うも、素早くリングに戻った棚橋がカウンターエルボーで妨害。しかしデヴィットは、ドロップキックで改めて棚橋を場外へ追いやり、ノータッチトペコンヒーロを食らわせた。
場外戦になり、エキサイトしたデヴィットがパイプイスで棚橋を殴る。さらに、止めに入ったレッドシューズ海野レフェリーを突き飛ばすと、エプロンからジャンプして棚橋の背中にイスを打ち下ろす。そして、棚橋を鉄柵に立てかけ、串刺しドロップキックをお見舞い。
リングに戻ったデヴィットは、棚橋をコブラツイストで捕獲し、エアギターで挑発。しかし、棚橋がスクールボーイで巻き返し、低空ドロップキックで逆襲。そして、カウンターバックエルボーからフライングボディアタックを繰り出すが、デヴィットがかわして自爆させ、エアギターのアクションで挑発した。
ここからデヴィットは、強烈な逆水平チョップを3連発。さらに、串刺し低空ドロップキック、チンロックで追い討ちをかける。そして、エプロンから延髄斬りを放つも、棚橋が受け止め、そのままドラゴンスクリューを敢行。
これでデヴィットが場外に落ちると、棚橋はコーナー最上段からボディアタック式ハイフライフロー。さらに、ロープ越しのドラゴンスクリュー、膝への低空ドロップキックで追撃し、テキサスクローバーホールドを狙う。すると、デヴィットがロープを掴んで回避し、それでも手を離さない棚橋にブーイングが浴びせられた。
続いて、棚橋が両手を広げて“逸材ポーズ”を決めると、またもやブーイングが飛ぶ。それでも棚橋はダイビングサンセットフリップを敢行するが、デヴィットがかわして自爆を誘発。
ここでデヴィットが逆水平チョップ、棚橋がエルボースマッシュを交互に打ち合い、デヴィットのオーバーヘッドキックがヒット。それでも棚橋はフライングボディアタックを繰り出すが、デヴィットがかわしてコーナー最上段に固定し、ドロップキックをお見舞い。さらに、後頭部へダイビングフットスタンプを投下すると、リバースブラディサンデーの大技をさく裂させる。
両者への声援で場内が騒然とする中、棚橋がグラウンドドラゴンスクリュー2連発。そして、今度こそテキサスクローバーホールドを極めるが、デヴィットが辛うじてロープへ手を伸ばす。
すると棚橋は、TWELVE SIXでデヴィットを叩きつけ、コーナー最上段からハイフライフロー。ところが、デヴィットが両膝を立ててブロックし、首固めでピンフォールを狙う。
これを棚橋が返すと、デヴィットはコーナー最上段からダイビングフットスタンプ。しかし、フォールを返した棚橋が、ドリームキャストを回避し、低空ドロップキックで逆襲。
すると、デヴィットが棚橋を突き飛ばし、場外に落とそうとする。それでも棚橋は逆上がりで復活するが、直後にデヴィットがドリームキャストをお見舞い。そして、ブラディサンデーを狙うも、棚橋が回避してダルマ式ジャーマンスープレックスホールドで逆襲。
両者へ向けたコールでさらに場内が騒然とする中、棚橋のスリングブレイドをデヴィットがエビ固めに切り返す。しかし、棚橋はもう1発スリングブレイドを食らわせ、ボディアタック式ハイフライフロー、(正調)ハイフライフローの2連発で決着をつけた。
試合後、棚橋がデヴィットのもとへ行き、ダメージを気づかう。ところが、デヴィットは棚橋を突き飛ばし、止めに入った田口に向かってもエキサイト。そのまま憮然とした表情で退場した。
その後、一旦はリングを降りようとした棚橋が、ファンのコールに応えてリング内へ戻る。そして、「今日、『旗揚げ記念日』で新日本プロレスは41年目の新しい1歩を踏み出しました! これからも丁寧に1歩ずつ上がって行きたいと思います。今日はホントにありがとうございました!」とファンに挨拶した。
続いて棚橋は、ファンの要望に応える形で3回のエアギターを敢行し、ボーナストラックで4回目のエアギターも演奏。さらに、「今日、デヴィットにそっぽを向かれ、ついに俺の仲間はキャプテン・ニュージャパンしかいなくなったけど・・・、違う!違う! 俺の仲間は、ここにいる全員だ!!」とマイクアピール。最後は、「愛してまーーす!!」の叫びで『旗揚げ記念日』を締めくくった。
COMMENT
——試合の感想は?
棚橋「レスラーはみんなね、一番になりたい。デヴィットは“俺は世界で一番のレスラーだ”と英語で言ったけど、みんなそう思ってて当然だと思う。だからこそ、ジュニアのチャンピオンであっても、おごることなくヘビーのベルトも狙ってくる。だからこそムキになる。今日のデヴィットはそう感じましたし、ただ、田口にも突っかかっていった。彼のイラダチの原因はわからないですけど、ただアンダーソンともやったけど、新日本プロレスの外国人は、手ごわいっすね」
——NEW JAPAN CUP優勝者を迎え撃つことに関しては?
棚橋「そうすね。この旗揚げシリーズは短いから、実質、このシリーズ中にNEW JAPAN CUP始まって。誰が挑戦者で上がってくるか……いや、挑戦者という言い方はもったいないね? いまこのレベルの高い新日本プロレスの中で、誰が一番にこのベルトに駆け上がってくるか? 勢い、実力含めて、俺は見てます!」
——コメントで「丁寧に」という言葉にこだわった理由は?
棚橋「ハイ。長くね、プロレスを見てもらって、本当にありがとう、と。そして、初めて、プロレスを観に来たよっていう人。何かのきっかけでプロレスに興味を持ってもらった方が、続けてね、興味を持ってもらえるように。プロレスおもしれーじゃんって思ってもらえるように。どんな団体で、どんなレスラーがいて、そういうところから始めても、何も間違いじゃない。いまの新日本プロレス、ありがたいことに盛り上がってくれてるから、こういうときこそ、奢らずに、丁寧に丁寧に行きたいという、ボクの本心っすね」
——プリンス・デヴィットの勢いは感じた?
棚橋「ハイ。新日本プロレスのジュニアで気を吐いて、ひっぱってきた第一人者だし、新日本プロレスにかける気持ちというのは充分、感じたから。手ごわい相手だし、シンドくなるし、ジュニアとヘビー。ずーっと続いてるテーマだけど、これは普遍でしょう! ヘビーは負けちゃいけないと、そう試合前に思って、試合に臨みました」
——ヘビーを本格的に視野に入れてくる可能性もあるとおもいますが?
デヴィット「クソ!今日は、負けという結果だ。棚橋選手と闘って、十分勝てる自信があったし、勝てるものだと思っていた。俺は世界一のジュニアのレスラーだ。6回、IWGPジュニアタッグのチャンピオンにもなった。田口とのApollo55のコンビで、できるだけ早く、タイムスプリッターズに勝って、7度目のチャンピオン、俺にとって2つ目のベルト、IWGPジュニアタッグベルトを取り戻したいと思う。でもそれに留まろうとは思ってない。IWGPヘビーのチャンピオンを目指している。棚橋に再戦して、ベルトを獲る。すべてのベルト、すべてのトロフィー、大きな勝利を獲ってみせる。そしてその勝利で、俺が世界一のレスラーだということを証明したい」