1月5日後楽園で突如として新日本プロレスへ乗り込んだ鈴木が、いきなりIWGPヘビー級王者オカダに挑戦。鈴木は手段を選ばぬ勝利を予告しており、これまでに行われた前哨戦や前日調印式でオカダの右膝を徹底的に痛めつけている。
鈴木のセコンドとしてタイチ、オカダのセコンドとして外道が登場し、タイチへ向けて「タイチは帰れ」コールが起きる。そして、試合開始のゴングが鳴ると、今度は「オカダ」コールが場内に響く。
その後、鈴木がロープ付近でクリーンブレイクすると見せかけ、オカダの右膝にバックキックをお見舞い。さらに、ローキック、エルボースタンプ、アキレス腱固めを矢継ぎ早に繰り出すと、オカダはたまらず場外へエスケープ。
オカダがリングへ戻っても鈴木は膝攻撃を続行。しかし、オカダがエルボー合戦で競り勝ち、フライングメイヤーから低空ランニングフロントキックを見舞う。
すると鈴木はエプロンからトップロープ越しに腕ひしぎ逆十字固めを仕掛けるが、オカダが脱出し、三角飛びドロップキックで場外へ落とす。そして、鉄柵攻撃、串刺しフロントハイキックで追い討ちすると、鈴木の両脚を鉄柵へかけ、DDTで場外マットへ突き刺す。
その後、オカダがエルボースマッシュ連打で鈴木をダウンさせ、場外で鉄柵攻撃。ところが、タイチがオカダを襲撃し、鈴木が背後からのローキックで右膝を攻撃。
さらに鈴木は、オカダを放送席へ連れ込んで暴行し、鉄柵を悪用した膝折り攻撃。そして、パイプイスで膝を殴り、外道にも襲い掛かる。
これでオカダはまともに立つことができなくなり、鈴木が膝へエルボースタンプを落とす。そして、膝をセカンドロープで固定し、低空ランニングフロントキックを浴びせる。
鈴木の攻撃は続き、ヒールホールドから脚を折り畳んだまま変型キャメルクラッチ。さらに、コーナー2段目からダイブして膝へストンピングを浴びせる。
続いて鈴木はフロントハイキックを見舞うが、オカダが同じ技を返し、スイングネックブリーカーで追撃。さらに、カウンターバックエルボー、串刺しジャンピングバックエルボー、DDT、低空ランニングエルボースマッシュへ繋ぐ。
次にオカダはコーナー最上段へのぼり、鈴木が立ち上がったのを見てそこから飛び降りる。ところが、その衝撃で膝を痛めて動けなくなり、鈴木が串刺しフロントハイキックからランニングローキック。
続いて鈴木は、スライディングでオカダの足元へ潜り込み、アキレス腱固めで捕獲。さらに、ローキックやストンピングで追い討ちをかける。だが、オカダは鈴木をコーナー最上段へ乗せ、ドロップキックで場外へ転落させる。
鈴木がリングへ戻ると、オカダはミサイルキックで追撃。さらに、ダイビングエルボードロップからレインメーカーを狙うが、鈴木が前転しながら脚へ絡みついて変型ヒールホールド。これでオカダは激しく悶絶し、外道がタオルを投げる寸前まで追い込まれる。しかし、辛うじてロープエスケープ。
次に鈴木がロープへスローイングすると、オカダは走れずに足から崩れてしまう。すると鈴木は、足4の字固めでギリギリと絞り上げ、オカダをギブアップ寸前まで追い詰める。
それでもロープへ逃れたオカダは、鈴木の蹴り脚をキャッチし、ヘビーレインで逆転に成功。そして、エルボー連打からツームストンパイルドライバーを狙うが、鈴木が抵抗してレッドシューズ海野レフェリーと衝突させる。
ここでタイチ、さらにはアーチャー&スミスがリングへ乱入するが、矢野&石井が現れてオカダへ助太刀。すると、オカダがフロントハイキック、ドロップキックで鈴木に報復し、矢野&石井がアーチャー&スミス、外道がタイチをバックステージへ連行。
次にオカダはゴッチ式パイルドライバーの体勢に入るが、鈴木が切り返して脚を取り、アキレス腱固めで捕獲。オカダがロープへ近づくたびに技をかけ直し、変型ヒールホールドで追い討ちをかける。
ここで35分が経過し、鈴木が張り手を連発。だが、オカダも怒ってやり返し、張り手合戦が勃発。強打で押し込むも、鈴木が背後へ回ってスリーパーホールドを極める。
次に鈴木はゴッチ式パイルドライバーに行くが、オカダがリバースネックブリーカーに切り返す。そしてオカダはロープへ走るが、鈴木が追走式ドロップキックで迎撃。
ここから鈴木が張り手を乱れ撃ち、またもやスリーパーを極める。これでオカダは力が抜けてしまい、鈴木がゴッチ式パイルドライバーの体勢に入る。だが、オカダが両脚をバタつかせて抵抗し、バックスープレックスで挽回。そして、そこから変型レインメーカーを炸裂させる。
さらにオカダは左手で鈴木の右手を持ったまま立ち上がり、再び変型レインメーカーを狙う。すると、鈴木が左手で張り手を連打し、ヘッドバットで追撃。ところが、オカダは怯まずにそのまま変型レインメーカーを敢行。
続いてオカダは(正調)レインメーカーに行くが、鈴木が回避してスリーパーホールド。そして、またもや前転で脚を取ろうとするが、オカダがこらえてジャーマンスープレックス。そして、そこから腕を取ってレインメーカーを炸裂させ、40分に及んだ激闘に終止符を打った。
※後藤、矢野、石井、YOSHI-HASHI、邪道が、オカダ&外道を拍手迎える。
オカダ「(※矢野、石井に向かって)ありがとうございました。すいません(※矢野、石井に一礼)」
YOSHI-HASHI「防衛、おめでとうございます!」
※全員で「おめでとう!」と缶ビールで乾杯。
オカダ「ありがとうございました(※各選手とガッチリ握手)」
※後藤、矢野、石井、YOSHI-HASHI、邪道はコメントブースを去る。
――今の率直なお気持ちを聞かせてください。
オカダ「また、ケニーとは違う厳しい試合でした。IWGPの名にふさわしい闘いが、東京ドームもそうですけど、今回もそういう闘いができたんじゃないかなと思います。」
――膝攻撃を徹底した、今日の鈴木みのる選手、どんな相手でしたか?
オカダ「リング上で言ったように、ますます嫌いになりましたよ。けど、強い相手ですから、強い相手と闘うのが、IWGPヘビー級チャンピオンだと思いますんで、鈴木さんが強ければ、またボクと闘うことになるんじゃないかなと思います」
――試合の中で、一時は膝への徹底攻撃で、ファンが声を失うような瞬間もありました。それでも、オカダ選手も応援する声が戻ってきました。そういった声はどのように受け止めますか?
オカダ「正直、鈴木さんのビンタで耳がおかしくなって、音という音はシッカリと聞こえない状態だったんですけど、やっぱりリング上から、みんなの不安そうな顔が見えましたし。昨日の調印式でも、泣いた人がいたみたいですから。女性を泣かせるのは、あまり好きではないですね。今回、ボクとしては、ボクがやってきた2年間と、鈴木さんがやってきた2年間、どっちが上かっていうのを、みんな伝える、わかってもらう試合だと思ってましたので。絶対ボクは、負けられない2年間を過ごしてきたっていうのを、皆さんに見せたかったので、負けることはできなかったです」
――IWGPを、新日本プロレスを守ったという側面も、非常に強かったと思いますが、改めてIWGPヘビー級のベルトに対する思いを聞かせてください。
オカダ「やっぱ、ツラいっすよ。このベルトを持ってることは。ツラい闘いもしなきゃいけない。どんどん試合前になればなるほど、プレッシャーもかかってきますし。正直、『良いことなんて、まったくないんじゃないかな』と思いますけども、やっぱりボクは新日本プロレスを背負ってますんで、このベルトを守っていかなきゃいけませんし。やっぱり、そのプレッシャーのある闘いを乗り越えた後の快感というのは、チャンピオンにしかわかないものだと思いますから。しっかりドンドンこのベルトを防衛して、『もっともっと新日本プロレスを、日本中に、世界中に届けていきたいな』と思います」
――試合後、“タイガーマスクW”という名前も出ましたが、その辺りの真意をお聞かせください。
オカダ「そうですね。今まで試合してきた感もありますし、“タイガーマスクW”誰かは知らいないですけどね、興味はありましたんで。ホントに、『NEW JAPAN CUP』ボクは関係ないですし、その間でやるのも面白いんじゃないかなと思いました。なんで、『闘いたいな』と、名前を出させてもらいました。その方が、実現もすると思いますし」
――全国で、この放送を見ているファンの方たち、たくさんいると思います。その方たちに向けて、メッセージをお願いします。
オカダ「今日も、40分は超えました?」
――超えました。
オカダ「別に、40分越えてるからっていうのが、IWGPの闘いではないんですけども、そんだけの激しい試合をドンドンやって。11年の振りの雪の札幌っすか? 『全国にIWGPの闘いを、持っていきたいな』と思います」
――外道選手からも、一言感想をいただけますか?
外道「ホントに、俺が先に途中で諦めかけたからね。タオルを寸前のところで投げなかったけど、もう見てらんなかったね」
オカダ「タオル投げられたら、エライことになってましたね」
外道「良かった、投げなくて」
オカダ「勝手なことは、やめてもらっていいですか。あっぶねぇ、負けるとこだった。身内に足を引っ張られるところだった」
外道「キツかったね。ケニー・オメガとは違った意味で、相手の性格の悪さが出てるよね。また違った壁を一つ乗り越えたな」
オカダ「乗り越えました」
外道「さらに成長したと思うよ、レインメーカーは」
――タイガーマスクW選手のどの辺りに興味があるんですか?
オカダ「まぁ、良いレスラーだと思いますよ。試合見て、『闘ってみたいな』と思えるほど、魅力のあるレスラーだと思いますね。ボクの『闘いたいな』っていうアンテナに引っかかる選手は、なかなかいないですけども。とりあえず、次は『NEW JAPAN CUP』まで、待たなきゃいけないですし。防衛戦も、やってない人いるかもしれないですけど、なんとなくはやってきた選手ばっかりですから。まぁ、何もない時だからこそ、そういう選手と闘うのも、面白いんじゃないかなと思います」
――(※東京スポーツ岡本記者より)「女性を泣かせるのは好きじゃない」とおっしゃってましたが、一番泣かせたくない女性もご覧になっていると思いますが、そういう意味でも負けられなかったと思いますが?
オカダ「そうですね。ホント、ボクの母親とかも、見てられなかったんじゃないかなと。可愛い息子が、あんなボコボコにされてたわけですから、そういう女性も泣かさせずに防衛できて、いい連絡ができます」
鈴木「オカダ・カズチカ、これで終わったと思うな。今日は、すべての始まりの日だ。お前たちの、お前たちの最後は、もうすぐだ。今日はすべての始まりだ。フハハハハ」