試合開始前、鈴木の入場テーマ曲「風になれ」を手がけた歌手の中村あゆみさんが登場。ギタリストの鎌田ジョージさんのギターソロから「風になれ」を熱唱する。そして、その旋律に乗って鈴木が登場した。
　一方の永田は、ブシロードクラブ所属でレスリング日本一に輝いた山口剛選手を伴って入場。
　
　序盤から激しいエルボー合戦とフロントハイキック合戦が繰り広げられ、そこから永田がロープ越しのショルダーアームブリーカー。さらに、場外でローキックを連射して行くが、セコンドのタイチがイス攻撃で介入して状況が一変。鈴木もイス攻撃を繰り出し、永田の動きが完全にストップしてしまう。
　リングに戻ると、鈴木がアキレス腱固め、フロントネックロックなどで追撃。しかし、永田がエクスプロイダーで逆襲し、キック連射、カウンターキチンシンク、フロントスープレックス。そして、ナガタロックIIを極めるも、鈴木がアンクルホールドに切り返す。
　鈴木の攻撃は続き、フロントハイキック、ランニングローキック3連発、ドロップキック。そして、ノーガードの永田に左右の張り手を乱れ打ちする。
　これで永田がダウンすると、鈴木はスリーパーホールドで追い討ち。そして、前に投げられてもすぐに技を極め直し、さらに長時間に渡って絞め続ける。
　たまらず永田が白目をむくと、鈴木はゴッチ式パイルドライバーを狙う。しかし、永田がバックスープレックスで叩きつけ、タイナー、ショルダーアームブリーカーで追撃。そして、腕固めを狙うも、タイチがエプロンに上がったため、フロントハイキックで蹴散らす。
　すると、鈴木が立ち上がり、激しい張り手合戦が勃発。そこから永田が、鈴木の左腕にキック攻撃を集中すると、鈴木がなおも右手で張り手を繰り出す。しかし、永田がさらにキックで追撃し、ショルダーアームブリーカーから腕固めで捕獲。白目をむいてこん身の力で絞り上げる。
　ロープエスケープした鈴木は、ハンマースルーを切り返し、スリーパーホールド。しかし、永田が脱出し、バックドロップホールドで3カウントを奪取した。
　
　試合後、永田はタイチに張り手を見舞い、溜飲を下げた。

永田「どうもありがとうございました！いつも以上にキツかった分、勝った時の嬉しさっていうのは、格別ですね。特にあの男と闘った時の喜びってのは、他の人間に勝利した時以上の、何か違う喜びが感じられますね」
——高校時代も含めて28年目の両雄対決となりましたが、特別な想いがあった？
永田「20何年っていいますけど、高校時代の最初の頃は、そんなにみなさんが言うほど悪いんじゃなくてね、ワリと仲のいい子だったんですけど。どこでどう歯車が変わっちゃったんですかね？向こうの心の中に聞いてみないとわからないですけど、いつからか、こういう憎しみあう関係になってしまった。でもそれが、熱なり闘いを生むならば、プロとしていいのかなと」
——再三に渡る張り手合戦、かわすこともできましたよね？
永田「いや、あの男と殴り合った時によけたら負けを認めることになりますから。そこは絶対に逃げない。それはお互いさまなんじゃないですか？でも不思議だよね。こうやって一年間、実際毎日のように闘ってきて、なにか俺の中に違った感情が生まれてきて、もしかしたら、これ表に出したら、相手はものスゴく拒絶して毛嫌うかもしれないけど、俺の中でうまく言えない、なにかちょっと違った感情が生まれて来てるのが正直なところです」
——スリーパーをきめられている時、白目を剥いたということなんでしょうか？
永田「え？ちょっとよくわかんないな。意識が一瞬飛びかけた」
——その後の腕殺しでも白目がドームのビジョンに映し出されてましたが、神が降臨しましたか？
永田「そうですね。いつもより色が黒かったから、神も俺を見つけやすかったかもしれませんね」
——1.4東京ドーム、素晴らしい滑り出しで『ブルージャスティス永田裕志ここにあり！』という存在感を示してくれたと思います。
永田「ありがとうございます。ま、そうですね、箱根駅伝で日体大がね、総合優勝して、後輩の活躍にスゴク刺激を受けたしね。やっぱりスポーツで、優勝したり勝つということは、国民全体に力を与えるなって。俺も同じスポーツ選手として、スゴイ感じましたしね。だから僕らがリングで元気いっぱい闘うことも、世の中に元気や勇気、希望、夢とかも与えるかもしれないし。今日はそういう意味で、ブシロードクラブの、年末のレスリングで全日本選手権で優勝した、山口を一緒に帯同してね、オリンピックしか目がいってない男に、プロのそのスゴさっていうのを目の当たりにしてもらうことでね、プロに引っ張ろうかなという想いもあるんですけね。？山口どうだ？俺の闘い見たか？」
山口「ありがとうございます！」
永田「そうか。去年の年明け、暗いスタートだったんですけどね、2013年、一発目の東京ドーム大会、最高のスタートが切れたと思うんでね。今年もまだまだ、元気いっぱいなんで、周りが俺に力をくれるしね、元気いっぱい悪あがきのアンチエイジングをまだまだ見せつけて、がんばっていきたいと思います。どうもありがとうございます！」
　
鈴木「ブッ殺してやる！」